唐突ですが、自分結構言葉遊びが好きです。なのでこの小説の中にも言葉遊びが潜んでいるかもしれません。例えばサブタイトルとかに。
これを読んで、少しでも楽しんでいただけたら幸いです。
それではどうぞ!!!
黒崎 真白side 14時20分
「「真白、ショッピングモール行かない?(行こ~。)」」
終礼が終わって帰り支度の終わった私が鞄を肩にかけた時、後ろから美紀と圭が話しかけてきた。今日は2年生だけ1時間早く終わる。今日は天気も良いし、放課後にどこかに寄るのは絶好の日なのだが・・・、
「ごめん、今週部活の当番なんだ・・・。だから今日は2人で行って来て?」
私は園芸部に所属していて、今週は運悪くその当番に当たっていた。
「そっか、分かった。でも代わりに来週はいっぱい遊ぼ?」
「うん、良いよ。2人とも気を付けて帰ってね。」
「ありがとう。じゃあ、また明日ね。」
「また明日~。」
3人で教室から出て、廊下で2人を見送った私は園芸部の活動場所である屋上に足を進めた。
屋上の扉を開けると、菜園には誰もいなかった。私はため息を吐く。
園芸部は数人1組のグループが交代で菜園の世話をする部活で、当番の週以外は部活に参加しなくても良い結構楽な部活だ。
私のいるグループは、私を含めて2年生が3人、3年生が1人と言う構成なのだが、後の2年2人は、こういう当番とかを忘れてしまう性格だ。きっと今回も忘れているのだろう。
若干気持ちが沈んだ私は物陰に移動して作業着である長袖の体操服に着替え、手に軍手をはめ、作業を始めた。
「真白さん、遅れてごめんね。」
1時間後、落ち葉などのゴミ拾い等の作業をしていると、グループの残りの1人である若狭先輩がやって来た。
若狭先輩と知り合ったのは2年前、若狭先輩の妹がいなくなって若狭先輩が探している時にたまたまそこに私が通りかかったのがきっかけだった。
2人で若狭先輩の妹、
その一件がきっかけで、若狭先輩と仲良くなった。お互いの家にもよく行っている。
「良いですよ、今日は2年生が1時間早かっただけですから。」
「そうね。じゃあ、そろそろ、活動を始めましょうか。」
「りょーかいです。」
若狭先輩のひと声で園芸部の活動を始めた私たちは肥料撒きや雑草抜き、作物の水やり等の作業を二分して行った。
「若狭先輩、こっち終わりましたよ~。」
私は自分が担当している分の作業が終わったので、後ろで同じ作業をしている若狭先輩に声をかけた。
「真白さん、こっちも丁度終わったわ。休憩にしましょうか。」
「はーい。」
私達は屋上の一角にある木陰に移動して休憩を取る。まだまだやることは残っているが、休憩は大事だ。
作業で火照った身体に涼しい風が当たってとても心地が良く、持ってきたお茶が美味しい。耳を澄ますと、校庭からサッカー部や陸上部の声が聞こえてきた。
「ねぇ、真白さん。いつ黒崎君に告白するの?」
「!? ヴッ、ゴホッ! ゴホッ!」
若狭先輩が唐突にとんでもない事を聞いてきた為、お茶が気管に入りむせてしまった。
「コホッ、コホッ! ・・・若狭先輩、何ですかいきなり。てか何ですか、その微笑みは!」
背中をさすってくれた若狭先輩を見ると、先輩は微笑ましい物を見たような表情をして微笑んでいた。
「真白さんってこの話題になると、急に慌て出すから面白くてつい構っちゃった♪」
私と音緒が実の兄妹でない事を知っている若狭先輩は、時々こうして音緒の事について構ってくる。最近はなかったから油断していた。
「何度も言いますけど、私と音緒はそんな関係じゃなです// 何と言うか・・・そう、姉弟みたいなそんな感じです!! 歳上だけどほっとけない弟がいるのと同じ感じの。若狭先輩も姉なら分かるでしょ!?」
私は赤い顔のまま早口でまくしたてる。
「確かに分かるけど、真白さん達ってたまに兄妹に見えない時があるもの。まるで・・・。」
(あ、ヤバイ、若狭先輩の眼、まるで獲物を狩る動物みたいだ。てか若狭先輩、段々詰め寄って来てるけど、近いよ。女の子同士だとしてもその距離ちょっと近いよ・・・。さっきから話題のベクトルが悪いし、私の中で警報が鳴り止まないし、こうなったら!)
・・・この間0.5秒。色々考えた末、私が取った行動は、
「ちょ、ちょっと私、教室に忘れ物あったの思い出したので取って来ます!」
逃げるという選択肢だった。
屋上を出る時、佐倉先生と猫耳を被った女の子とすれ違ったが、その時の私はそんな事気にする余裕は無かった。
黒崎 音緒side
気が付くと俺は丘の上に立っていた。
丘の周りは色とりどりの花が咲いており、空は快晴が広がっていた。その風景は素晴らしいの一点で、一見すると天国と錯覚してしまうような場所だった。
「ここは・・・どこだ? 俺は学校にいた筈なのに・・・。」
周りを見渡すが学校どころか建物も何もなく、見渡す限り花畑が続いていた。
『やぁ。』
「!」
いつの間にか目の前に人が立っていた。
丈の長い白いコートを着たそいつは、フードを被っている為その顔は見る事は出来ない。
だが、その声の感じからして男だろう。
「・・・お前は、誰だ?」
『何言っているの? 僕は――だよ。』
「・・・?」
男は名乗ったようだったがその部分だけがノイズがかかったように聞こえ、聞き取る事が出来なかった。
俺のその様子を見ると、男は悲しそうにため息を吐く。
『・・・まだ聞こえないんだね。いったい、僕がどれだけ声を枯らして叫べば君に届くんだろう。・・・まぁいいや、黒崎 音緒、今日用があるのは別の事だ。』
空気が変わっていくような気がした。暖かかった空気が徐々に冷えていくような、そんな気がした。それに伴い世界が急速に白くなっていく。
『生き延びろ、でなければ君は大切なものをすべて失う事になるよ。』
真っ白になった世界で男のその言葉が響いた
15時20分
「――お君。」
「―とお君!」
薄い意識の中、慣れ親しんだ声に呼ばれ、俺は瞳を開ける。
横を見ると、冬華が俺を見つめていた。
時計を見ると終礼が終わって少し経ったところで、教室内にはまだ大半の生徒が残っていた。
「漸く起きた。どうしたの? 終礼中ずっと寝てたよ。」
冬華が声をかけて来た。
「・・・あー、なんか変な夢見てた。悪いな、起こして貰って。冬華今日バイトあるのに。」
身体を伸ばすと身体の節々からパキポキと心地いい音が鳴る。
「別に大丈夫だよ。バイトの時間までまだ時間あるし。」
「そっか、ありがとな。そう言えば友哉は?」
周りを見ると既に教室に友哉がいない事に気が付いた。
「暴動事件の現場見に行くらしいよ。終礼終わった瞬間教室飛び出して行った。」
「・・・あいつらしいな。」
友哉の野次馬根性に呆れつつ、俺は鞄を背負って冬華と共に学校を出た。そして校門でバイトに行く冬華と別れ、帰路に着いた。
数10分後、家に着いた俺は玄関の鍵を開け中に入る。手洗いうがいを終えた後、居間にある仏壇に線香をあげ鈴を鳴らし、手を合わせ黙祷した。
それが終わった後、自室に戻った俺は暑かったので窓を開け、ベッドに寝転ぶと、すぐに瞼は重くなり夢の世界に旅立った。
【その時俺はまだ知らなかった。これから遭遇する出来事を。この日から始まった出来事を。
・・・まだ知らなかった。】
読んでいただきありがとうございました。
今回、音緒君がなんか意味深な夢を見ましたね。いったい何の夢なんでしょう?
それと今回、りーさんが登場しました。そして、最後にちょこっとめぐねえと名前は出てないけどゆきちゃんが登場しました。
後、真白が園芸部員だというのも判明しましたね。真白の元となったのは、漫画4巻のめぐねえの部活動日誌の3ページ目に登場する[もう一人の女子生徒]です。
主人公3人が今後どんな活躍を見せるのか楽しみです。
それではまたお会い出来たら嬉しいです。