シロオト暮らし   作:ミツフミ

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お気に入りして下さった方、ありがとうございます。


前書きが少ないですが、本編をどうぞ!


私のセキニン

黒崎 音緒side 1日目 5時00分

「ここは・・・?」

俺は知らない部屋のベッドの上で眼を覚ました。

「あー、そう言えば・・・。」

周りを見渡していると、少しずつ記憶が戻って来る。

 

俺は昨日の夜、バイクでの移動だとライトやエンジン音で“やつら”を呼び寄せてしまい危険だと判断し移動を諦め、睡眠を取る為に丁度近くにあったこの家に侵入し、この部屋のベッドを借用したのだ。

 

・・・明るくなったおかげで気が付いたのだが、この部屋はどうやら女の子の部屋だったらしい。

その証拠に本棚の上にはペンギンのぬいぐるみが置いてあり、壁に少しボーイッシュ系だが、女の子の服が掛けてあった。

 

「あー、これ、この家の人帰ってきたら俺捕まるな・・・。」

これは誰がどう見ても家宅侵入罪である。

昨日の事も含めれば、窃盗罪に、殺人(?)罪も付いてくる。

まぁ、こんな世界になってしまったのだから仕方の無い事だが。

「・・・こうなってなかったら重罪人だな。」

そんな冗談をぼやきながらベッドを直し、リュックの中から缶詰を出していると、隣の部屋の窓ガラスが割れる音が聞こえてきた。

 

「・・・・。」

俺は音を立てないように気を付けて部屋から出て、隣の部屋のドアを静かに少し開けた。

・・・そこには2体の“やつら”がいた。

(おいおい、ホントに帰って来たのかよ・・・。)

心の中でツッコミを入れながらも、刀を構えるとドアを開け、中に踏み込んだ。

 

 

刀に付いた血を払ってから鞘に納める。俺の前には先ほど殺したばかりの2体の“やつら”の死体が転がっていた。

それを俺は窓から放り投げ、最初にいた[くるみ]とネームプレートが掛かってある部屋に戻ると、何事もなかったように缶詰を開け、食事を始めた。

 

 

「ごちそうさまでした。」

缶詰だけの簡素な食事を終えた俺は、出たゴミをゴミ箱に捨てると昨日ホームセンターで見つけたリュックを肩にかけ、作業ベルトを腰に巻くと玄関に向かう。

 

玄関扉の横のガラスには昨日俺が鍵を開けるために開けた拳大の大きさの穴が開いており、そこから外を見ると、外に“やつら”の姿はなかった。

 

「・・・よし。じゃあ、行きますか。 おぉ、そうだそうだ。」

ドアノブを触ろうとした時、俺はある事に気が付き、振り返って誰もいないこの家に向かって「おじゃましました~。」と、ひと声かけると、恵飛須沢家を後にした。

 

 

 

黒崎 葵side 6時30分

朝になった。

私は壁に背を付いて眠っていた。動こうとすると、ふとももに重みを感じる。

視線を下げると若狭さんが私のふとももの上に頭を置き眠っていた。いわゆる膝枕である。

視線を上げると、あちらこちらに血飛沫が飛んだ教室が目に入った。少し動かすと6つの血だまりも見えた・・・。

こうなってからまだ日にち的に1日も経ってないのに、昨日の事がとても昔のような気がする。そう思うのは、昨日色んな事が起こったからなのだろう。

 

 

あれは終礼を終え、少し経った頃だった。

あの時、私は、私が担当する教室の教員用の机で、その日の分の日誌を書いていた。

教室には4人の生徒が残っており、その内2人はお喋りをして、後の2人は本を読んでいた。

 

最初に異変に気が付いたのは廊下側の窓付近でお喋りをしている生徒2人だった。

生徒達は私に声をかけ、廊下の向こうの1階下の校門を指差す。

その方向を見ると、何か暴動のようなものが起きているのはわかったが、遠かったせいでよく見えなかった。

そうしている内に先生が3人、息を切らして教室に駆け込んで来る。

 

彼らがドアを閉める時、何人もの生徒達の悲鳴や助ける声が聞こえてくる。

その生徒達を助けようと、私はドアを開けようとしたが、先生の1人に抑えつけられ、その間に残りの2人の先生によって前と後ろのドアと全ての窓が閉められ、鍵をかけられた。

私は何か叫んだ気がした。何を叫んだかは覚えていない。私が叫んだ瞬間、私を抑えていた先生に殴られ、気を失ったから。

 

 

気を失っていたのは数分だった。目覚めた私の目に最初に映ったのは、割られた窓、そしてそこから伸びた黒い腕。その手には赤い液体が付いていた・・・。

 

ア゛ア゛ア゛ア゛ーー!

教室の中心から獣の呻き声のような声が聞こえ、その方向を見ると、肌を黒くした先生達に食べられている生徒達が見えた。

「・・・え?」

突然の事に理解が追いつかなかった。

そうしていると、3体の内の1体が私を見つけ、生徒を食べるのを止め、こっちに歩いてきた。

その1体が食べていた生徒は、既に動かなくなっていた。

 

私はなんとか逃げようと後ずさりするが、恐怖から身体が思うように動かず、徐々に距離が縮まってくる。

 

そしてついに私の足元までやって来た。

 

私は何かないか手探ると、手に何かが触れた。

「うわあぁぁ!」

私はそれを掴むと、勢いよく振る。

 

それは生徒用の椅子だった。そして手に何か手応えが伝わり、それと同時にグチャリという音が耳に届く。

そして、目の前で、頭部の消えた先生だったものの1体が横に倒れた。

 

私の声に反応して、残っていた2体もこっちに向かって来る。

私は椅子を支えとして立ち上がると、向かってきた2体を椅子で叩き殺した。

 

 

生き残ったのは、私と、一番ドアから離れていた所に座っていた女の子―若狭 瑠璃さん―だけ。

若狭さんは、教室であった事が精神的なショックとなり、声が出なくなっていた。

 

その後、夜になったので私達は身を寄せ合って眠りについた。

 

 

 

(今日は外に出て何か食べる物を探さなきゃなぁ。)

昨日の事を思い出し、今日、この後の事について考えていると、眠っていた若狭さんが目を覚ます。

 

「おはよう、若狭さん。」

声をかけると、若狭さんは驚いた顔をして、きょろきょろと周りを見回す。

そして、教室の光景が目に入った。

「―――!」

若狭さんは口を開き何か話そうとしたらしいがその口から声は出なかった。

 

「大丈夫だよ。」

私は泣き始めた若狭さんを抱きしめる。

そして、若狭さんを泣き止ます為、彼女の背中をぽんぽん叩きながら、小さな声で子守唄を歌い始めた。




音緒が目覚めたのは胡桃ちゃんの部屋です。
家の状態については、漫画のを参考にしました。

そして音緒と真白の姉の葵さんと、りーさんの妹のるーちゃんが生存してました。
2人は今後どうなるんでしょう!


・プロフィール公開
今回は葵です。

名前:黒崎 葵
髪:セミロング(肩上位)。色は黒。髪型はストレート。
瞳:黒。
年齢:25歳。社会人4年目
趣味:家事、運動。
特技:家事、生徒の名前をすぐ覚える事。
武器:なし。
服装:横縞のTシャツ、黄色い7分のカーディガン、青色のジーパン。(一部“かれら”の返り血付き)
備考:
12年前、当時中学2年生の時に事故で両親を亡くし、父方の祖父に引き取られ、黒崎家に来る。
家事と剣道はおじいさんに習った。

中学、高校、大学を経て、教員になった年におじいさんが亡くなる。
おじいさんの葬式には軍の関係者から、とある街の喫茶店のマスターまで幅広い職業の人が参列していた。


葵の職場である鞣河小学校は、小学校にしては珍しく教科毎に教える教員が違う。葵は社会担当。

若くてハツラツとしていて教員からも生徒からも人気だった。
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