トリガー使いは幻想に生きる   作:実力派エリート

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人里訪問その1

闇から意識が解放される感覚。瞼を開けた先には心地よい光の雨。

そう、朝とは万人にとって至福のひと時なわけなのだが・・・

 

 

 

 

 

 

 

「いい加減起きなさいよ!何回起こしてもらえれば気が済むの!」

 

「あーもう、わかったってば。今起きるよ。」

 

昨日の夜に引き続いて怒号を浴びてしまった。もうこうなったら起きるしかない。

 

「もうちょっとやさしく起こしてくれませんかね・・・朝から大声聞きたくないからさ・・・」

 

「昨日の夜言ったでしょ!明日の朝は早いって。だから起こしたのよ。大声に関しては何回言っても起きないお前が悪い!」

 

「はいはい、わかりましたよー」

 

まぁ昨日夜遅くまで外出てた俺もわるいけどさ、女子なら女子なりに品性のある起こし方を・・・

 

「文句でもあるのかしら。」

 

「いえ、ないです。すいませんでした。」

 

朝から重い気分にさせられた・・・そう思いながら俺は洗面所に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ、出発するわよ。準備は出来た?」

 

「出来ましたよ。いつでも行ってどーうぞ。」

 

「それじゃぁ出発よ!」

 

俺たちは神社を出て人里へと向かった。

 

 

 

 

「それにしてもさ、今日の霊夢は機嫌良くないか?」

 

「朝は不機嫌だったけどね。」

 

「だから、その件については謝っただろ。」

 

「別にもう気にしてないわよ。それに、今日は久しぶりに人里に出向くから機嫌が良いのよ。いままでろくにお金が無かったから全然行けなかったけど、今回はたくさん買い物ができるわ。」

 

霊夢はこの前俺が渡したお金を使うようだ。

 

「少しくらいお金は残しとけよ。後々困ってくるぞ。」

 

「分かってるわよ、そんなことくらい。私は先が見通せる人間なのよ。お金の使い方くらい心得ているつもりよ。」

 

「だといいんだがな。」

 

まぁ一々気にしていても仕方が無いか。お金に関しては霊夢に任せても良いだろう。それよりも初めて人里に行くんだから、少しでも良い印象を残せるように努力しないとな。人間は第一印象で決まる、なんてよく言われる事だ。

 

「さて、もう少しで見えてくるわよ。」

 

「お、いよいよか。」

 

期待と不安が入り乱れる中、俺は人里へ足を踏み入れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おお、こりゃすげぇ。」

 

俺が見たものは、里の中で生活する人々の活気あふれる姿だった。当然と言えば当然なのだろうが、妖怪という物が存在する弱肉強食の世界の中で、人間という生き物がここまで快適な生活を営んでいるのは意外だ。

 

「にしても、ずいぶんと大きい集落だな。」

 

「あたりまえじゃない。だって人間が居る集落は幻想郷の中でここだけよ。」

 

「本当か?」

 

となると、幻想郷に住んでいるほとんどの人間はここで暮らしているのか。

 

 

 

 

「おや、博麗の巫女じゃないか。それと隣にいるのは?」

 

「あら、慧音じゃない。寺子屋は今日は休み?」

 

「質問に質問で返すんじゃないぞ。まあいいが・・・今は昼休みの時間だ。それよりその男は外の世界の人間か?」

 

慧音と呼ばれる人(?)は俺の方を物珍しそうに見ている。

 

「俺は神田蒼也です。あなたの仰る通り外の世界から来ました。今日は霊夢に連れられて人里を訪問した次第でございます。」

 

「おっと、そこまで丁寧にならなくても良いぞ。私はこの里の守護者である上白沢慧音だ。一応副業としてこの里にある寺子屋の教師もしている。ここで会えたのも何かの縁だ、よろしく頼むぞ。」

 

「こちらこそよろしく。」

 

どうやら悪く思われてはいないようだ。

 

「さて、今日はどういった要件でここに来たのか?」

 

「はい、まだ幻想郷に来て間もないのでいろんな所を訪問しようかと。」

 

「それは良い心がけだ。この世界に馴染む為には環境を理解することが重要だからな。」

 

「ええ。しかし驚きました、ここまで大きなコミュニティを作っているとは。妖怪という存在がいるので、人間がどういう生活をしているのか心配でしたが、この様子では特に問題も無さそうですね。」

 

「ふむ、君の目にはそう映るか。しかしそうでもないぞ。人間はこの里の中でしか生きられない。幻想郷はまだまだ広いが、人間が住める空間は妖怪よりも圧倒的に少ない。人間ももっと活動範囲を広げたいのだろうが、やはり種族間の差というものは簡単には埋まらないものだ。」

 

種族間の差。これは異変の時フランと戦った際、強く感じたものだ。能力を持ってしても埋める事の出来ない差。しかしこれは致し方ない事だろう。

 

「それはこの世界では宿命みたいな物ですよ。俺もその事を痛感しました。でも、ここまで自由で文化的な生活を送れているのだから、この世界でこれ以上の物を求めるのはいささか欲張りすぎだと思いますよ。」

 

「もっともな意見だ。君はこの世界についてだいぶ理解しているようだな。本当に外の世界の住人か?」

 

「少し考えれば誰でもわかる事です。それよりここらで休憩でもしませんか。霊夢がだいぶつまらなさそうにしていますし・・・」

 

俺たちの会話は傍から見るとだいぶ味気のないものだったからな。霊夢がまた機嫌を悪くすると大変だ。

 

「そうだな。そこの団子屋にでも寄るとするか。」

 

人里の守護者との会話は、案外楽しいものだった。




暑い日が続きますね・・・ここまで暑いと小説を書く気も萎えてしまいますよ・・・
まぁでも、これからも適度に頑張って行きます(笑)皆様も熱中症等にはお気をつけ下さい。ではまた次の作品でお会いしましょう。さようなら。
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