主人公SIDE
「落ち着け俺、取り敢えず記憶を辿ろう 」
えーと、昨日の俺の行動は……
優によって学校へ連行→家に帰宅→アニメ鑑賞→睡眠→草原!?
………最後が明らかに可笑しいーー!!
「微塵も落ち着けない!えっ、どういう事?どういう事態⁉︎ 」
草原で慌て続ける。
周りに人でも居れば完全に不審者だが、人の影すら見えない。
一頻り暴れていると、何処からか声が聞こえた。
「妾の所に来たか。さて、如何するかの?」
「うわっ!いきなり目の前に現れるなよ!
と云うか、何処から来たんだアンタ?」
いきなり目の前に、黒髪オッドアイの少女?が現れた。
片手に扇子を持ち、なんだか胡散臭い顔をしている。
「アンタとは失礼な。妾は、ヨルムンガンドじゃ。
御主は妾達、魔族側の人間として、呼び出されたんじゃ 」
………魔族側の人間?呼び出した?
と云うか、ヨルムンガンド?あの北欧神話の?
「えーと、つまりどういう事ですか?」
「そうじゃのう。その説明はちと長いぞい?」
「教えてくれるのなら、お願いします 」
俺は、頭を下げてお願いする。
色々、聞きたい事はあるがこの世界について、知っておいた方がいいと思う。
「存外落ち着くのが早いのう。付いて来い。妾の城で説明しよう 」
ヨルムンガンドが返事を聞かずに歩いていく。
やっべ!急いで追い付かないと置いてかれる!!
「なぁ、物凄く気配を感じるんだが?」
ヨルムンガンドに着いて行き、森の中を進んで行くと凄い視線を感じる。
具体的に言うと、命を狙われる感じの。
「魔族の中でも、知能の低い連中じゃな。
此奴らは、餌が欲しておるだけじゃろう 」
「餌?」
「御主の様な、新鮮な肉じゃな。
まぁ、安心せい。妾といる限り襲われる事は無い 」
知能が低いから、自分より上位には逆らわないと云う事か?
「分かってても、良い気分じゃないなこれ 」
「そうか?なら、此奴らには消えてもらうとするかの 」
前を歩くヨルムンガンドから、まるで射抜かれる様な殺気が放たれる。
背筋に悪寒が走る。こ、コワッ‼︎
「妾の客人を喰らう気かえ?
とっとと失せないと、その命妾の血肉に変えるぞ?」
俺に集中していた視線が消える。
「さて、もう少しじゃ。着いて参れ 」
殺気が消えて、ガサガサと逃げていく音が聞こえる。
………あっさり着いてきたけど俺、命の危機じゃないかこれ。
だって、ヨルムンガンドさん、命を自分の血肉に変えるとか言ってたし。
食べられるのか俺!良く分からん世界に来て死ぬのか?
「……彼女の一人ぐらい欲しかったな… 」
「何を言っておる?着いたぞ 」
「へ?………はぁ!!!!」
ヨルムンガンドに言われて、止まって目の前を見ると、なんと言うか魔王が住んでそうな城に着いた。
やっぱり俺、死ぬのか。
「茶でも飲みながら、説明するから着いて参れ 」
「ハハハ、ハハ。はい 」
死の恐怖を抑えて、ヨルムンガンドに着いていく。
もうこうなったら、如何にでもなりやがれ!!