朝起きたら異世界にいた   作:マスターBT

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あれェ?ISの方よりこっちのネタの方が出てくるぞ?



返答

主人公SIDE

 

衝撃の事実(笑)は、お茶を一気に飲み干し無理やり落ち着く。

いやー、元の世界では彼女の一人も、出来なかった俺がいきなりラノベの展開に巻き込まれる。

うん。無理!落ち着けない!

 

「良い飲みっぷりじゃのぉ、どうじゃ?落ち着いたかの 」

 

「いやいや、直ぐには無理!」

 

そう簡単に落ち着けたら苦労しない。

 

「なら、もう一つの話をしようかの 」

 

もう一つ?なんかあったっけ?

 

「気になっておらんのか?お主を妾は『魔族側の人間 』と呼んだのじゃぞ?」

 

……魔族側の人間。

これが本当なら、この世界には魔族と人間以外に何かがいるのか?

人間側の人間と云う事も考えられなくもないけど、今までの話から考えると人は人で魔族と戦っていると考えたほうが自然。

それに、俺を頼っての召喚なら戦争などの可能性もある。

魔族の力を人で如何にか出来るのか?

 

「なぁ、人が正面から魔族と戦えるのか?」

 

「ほぅ、やはり中々賢い奴じゃのお主は。

その質問の答えは無理じゃ 」

 

やっぱりか。

人が正面から魔族と戦えれば、力を頼って魔族と契約なんて事はしない。

 

「考えたくはないが、魔族に裏切りがいるか、人が何かの力を手に入れたということか?」

 

「裏切りはおらん。それは各魔族の長が直々に調べ分かった。

そして、その長も特殊な術を用いて、裏切りではないと確認した 」

 

ヨルムンガンドが扇子を開き、口元を隠す。

 

「使い魔達の情報で分かったことがある。

人間が神と讃える存在がおるらしい 」

 

「やっぱりか 」

 

じゃあ、俺が魔族側の人間なら神と呼ばれる側の人間も召喚されている。

恐らく俺と同じ様な能力で。

 

「フフフッ。中々、見所があるの主は。

その様子を見る限り、妾の考えている所まで考えおったな?」

 

楽しそうに微笑むヨルムンガンド。

一瞬ドキッとしてしまう。

見た目はロリだが、それを除けば確実に上の上に入る美人。

耐性の無い俺が、そんな光景を見ればまぁ、心臓が止まらないよね。

 

「え、あ、それで俺はどうなるんだ?」

 

吃りながら質問する。

 

「ん?そうじゃのう〜。先ずは己の力を集めたらどうじゃ?

お主はそれなりに体と武術を身に付けておるようだし、大丈夫じゃろう 」

 

「契約して来いって事か。でも、なんの装備も無しに行くのか?」

 

もし、そうなら死ぬ自信しかないぞ。

 

「流石に、其処まで鬼では無い。

ここは妾の国じゃ。ここにいる間は妾が面倒を見てやろう。

と、言ってもこの城を拠点に使って良いという事だけじゃがな 」

 

…要するに、宿は用意してやる。

それ以降は自分でやれということか。

 

「ああ、勘違いするな?妾は、お主が召喚されたという事を各長たちに連絡する必要があるのじゃ。

その後、長たちに協力する様に要請などの雑事があるのじゃ 」

 

「了解。まぁ、自分の事は自分でするさ 」

 

元々、誰かに頼り切るのは好きじゃない。

自分の事は自分で解決するさ。

 

「そうか。ならば、問おう。

お主は、我々魔族の側に立ち人と戦ってくれるか?」

 

ヨルムンガンドの雰囲気が変わる。

今までの、親しみやすい雰囲気から、氷の様な冷たい雰囲気に変わった。

ああ、嘘は認めない。吐けば殺すと云う事か。

俺は覚悟があるのか?ヨルムンガンドに協力する。それは、人を殺す可能性がある。

 

「正直に言えば、唐突にこんな世界に来て混乱している 」

 

ヨルムンガンドは黙って聞いている。

 

「説明を受けたら、人と戦えと言われる。

平和な世界で生きてきた俺が、命のやり取りの状況に置かれるとは思ってもいなかった 」

 

そりゃそうだろう。

俺のいた世界で、そんな覚悟をしている人間は軍人ぐらいだ。

 

「一つだけ聞き忘れていた事がある 」

 

「なんじゃ?」

 

「全部が解決したら、俺は自分の世界に帰るのか?」

 

ヨルムンガンドが少し、考え答えを口にする。

 

「難しいの。この世界からお主を飛ばす事は出来る。

しかし、お主がいた世界に帰せるかと言われれば絶対では無い 」

 

なんとなく予想していた事が当たった。

 

「お主は平行世界から、能力を持つ人間を無作為に選出する方法で召喚した人間じゃ。

お主の世界の座標が分からない事には、帰しようがない。

それに、帰ったところで普通の生活は出来ない 」

 

分かってた。

能力の説明を聞いた時点で分かっていた。

俺はこの世界で生きるか、死ぬしかないという事はなんとなく理解していた。

 

「うん。滅茶苦茶怖いけど、魔族に協力する 」

 

場が沈黙に包まれる。

パチンっと扇子を閉じる音が響く。

 

「そうか。お主には感謝する。

協力してくれてありがとう 」

 

ヨルムンガンドが頭を下げる。

 

「こう聞くのは可笑しいのだろうが、聞いても良いかの?」

 

頭を上げたヨルムンガンドに質問される。

雰囲気も元の親しみやすいものに戻っていた。

 

「何故、我々に協力してくれる気になったのじゃ?」

 

ヨルムンガンドが心底不思議そうな顔で質問してくる。

 

「俺はさ、困った奴は見逃せないんだ。

それに…… 」

 

「それに?」

 

「異世界は俺がずっと憧れていたんだ。

ヨルムンガンドにはこの世界に召喚して貰った恩がある。

そのお礼に、協力するじゃあ駄目か?」

 

ヨルムンガンドがキョトンとした顔をする。

あ、ちょっと可愛い。

 

「フフフッ、ハハハッ、憧れていた世界にこさせて貰ったから協力するか!

こちらが、勝手に呼んで勝手に協力を持ちかけたのに!

フハハハハハハッ、ああ、忘れておったわ。人間とはこういう変わった奴もいたという事を 」

 

固まったかと思ったら、腹を抱えて大笑いするヨルムンガンド。

何だろう少し、イラっとするぞ。

 

「あーあ、それでは改めて頼む。神月 蓮殿 」

 

そう言って手を差し出すヨルムンガンド。

 

「よろしく。ヨルムンガンド 」

 

ヨルムンガンドの手を握る。

こうして俺は、この世界で生きることが決まった。

 




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