もうちょっとペースを上げていきます。
そして引き続きお気に入り数が増えて、コメントまで頂けて相当喜んでいます!
頑張ります!
女子という生き物は総じて買い物が長いものである。
いや、噂に聞いた話だから定かではないが、少なくとも俺が買い物について行ったことのある女子は総じて買い物が長かった。
イロハしかり、コマチしかり、ハルノさんしかり、先生しかり…。
サイカは早かったな。
いや、サイカは男だった。
とにかく、旅に出る前の旅支度という事で、ハルノさんが王様から預かっていたお金で旅支度である。
というより、あの予算じゃ薬草が10も買えなかったがな。
王様はあんな子どもの小遣いのようなお金で命懸けの旅に出ろという事だったのだろうか?
マジ、あの時ばかりは先生やハルノさんがいてくれて助かった。
買い物は計画的に、という事で、予算を確認した上で買い物を行うつもりで中身を確認した支度金という名の小遣いは先ほど述べた通り、薬草を10個も買えない酷い状態だった。
王様、この国の経済状況は大丈夫ですか?いや、マジで心配しちゃうよ。
ハルノさんやユキノが言うには、ここに至るまで国で生活を見てもらっていたからまあ多少は仕方ない。とか言っていたな。
少なくともあんな報酬じゃ俺は動かない。
結局、足りない分の補填という事で先生やハルノさん達がいくらかくれたからマシにはなったか?
俺は道具屋できゃっきゃうふふと、黄色い声で買い物を楽しんでいる横で、(正確にはテンションの高いユイに、ユキノが付き合わされている。とも言えなくはないが)旅に入り用な物を買い漁っている。
馬車はコマチ達が使うので、今まで使っていた物はそのまま馬車に乗せたままらしい。
マジでコマチの性格は抜け目がない。
松明、薬草、テント……あれ?キメラの翼置いてないのかよここ…。
コマチから1つ分けて貰えば良かった。
あとは……。
「すみません、そこにあるブロンズナイフを5本ほど…。」
「ハチマンくん、お金は限られているのだから無駄遣いは控えてくれるかしら?」
「あぁ、わかっている。だが、いつも10本くらい持ち歩いているからな。
ここに来るまでに使ったせいで、予備が無いんだよ。
俺の持ち合わせで買うんだから文句は言うな。」
何に使うのかは魔物が出た時にでも教えてやろう。
それから、もう1つ必要なものがある。
「あと、そこの銅の剣を1つ…。」
「ハチマンくん?あなた盗賊よね?」
「そうだけど?」
「自分のお金だからといって無駄遣いは感心できないわ。
盗賊のあなたがそんなものを装備したら、唯一の取り柄である速さが落ちるんじゃ無いかしら?
それとも、そんな事も分からない程あなたの脳は目と同じで腐っているのかしら?」
「さらっとディスるなよ…。これは俺の金じゃない。今回の旅で使うから冒険資金から出してもらう。」
「待ちなさい。ハチマンくん。誰が装備するから使うのかははっきり言ってもらうわ。
そんなにあなたは戦士に転職したいのかしら?」
こいつまじで冷徹だな。マヒャドとか使ったら魔王も凍りつくんじゃないか?
とは言え、誰が装備するかなど分かりきっていることだと思うんだが…。
「お前が装備するんだよ、ユキノ。」
「え?ハッチ、ゆきのんはお姉さんから破邪の剣貰っているんだからいらないんじゃない?
銅の剣より破邪の剣のほうが強いよ?」
「ユイさんでも分かる事があなたには分からないのかしら?」
「えぇ、そんな褒めないでよゆきのんー。」
「おい、俺より頭が良いみたいに受け取っているが、俺の頭がお前並みに悪いみたいにバカにされたんだが…。」
「えっ!?ゆきのん酷いし!」
この子本当にバカの子らしいな。
「まあ、その辺はあとで説明するわ。
とりあえず、俺の方で必要なものは買ったから、あとは自分たちの分を終わらせてくれ。
俺は街の入り口で待ってるわ。」
2人にそう告げると、小さく溜息を漏らしつつ街の入り口へと向かう。
なんで俺が魔王退治などという目的の旅に同行しなければいけないのか。
あの2人に恩義があるのはわかっているつもりだし、多少面倒な依頼を嫌々ながらも受けるのはいつもの事だ。
そう、結局嫌々ながらも受け入れてきたのが原因なのだろう。
そのうち解放される事を祈って、今は旅を続けるしかない。
そして、仕事として受けてしまった以上、ある程度の責任も同様に発生するのは仕方がない。
「責任とか…はぁ、やっぱり俺は財宝見つけて後は寝て過ごす一生を手に入れたい。
一生遊んで暮らせるだけのお宝がいつか見つかると信じていたが…。」
「ダメ人間の発言だ!」
「やはりこの男が同行者だと不安しか感じないわ。」
「いきなり戻ってきて酷い悪口のオンパレードかよ。」
「そうね、言い直しておくわね、ダメマンくん。」
「おい、全然言い直していないぞ。」
どうやら買い物はある程度終わったらしい。
旅人の服を彼女達ようにあしらった服、ユイは武道家なので、武器の代わりに川の手袋を身につけている。
ユキノは皮の盾と破邪の剣…とんでもなくアンバランスだな。
「まあいい、準備が出来たなら早速出発するぞ。
俺はさっさと終わらせて家に帰りたい。」
「私達の旅はそんなさっさと終わらせるような目的では無いのだけど?」
ほっとけ、もう帰ってサイカの顔見ながらコマチのご飯食べたい。
やっぱりオアシスを失った俺にこの旅は辛すぎる。
街を出て、しばらく歩いているとどこぞで見かけたモンスター達が現れた。
スライム、ドラキー、大きづち。どれも俺にとっては大した敵ではないが…。
「ちょうどいいな。2人であのモンスター倒してみてくれ。
俺は休んでるから。」
「ちょっとハッチも手伝ってよ!」
「自分1人だけ楽をしようなんて、随分と余裕があるのね。慢心マンくん。」
「違う。適当な敵でお前らの実力を実際見ておかないと強敵相手にそんな余裕はないだろうが。」
「それならむしろ、あなたの実力が本物だという事を教えて欲しいわね。
私達に師事するだけの実力が本当にあるのかしら?」
まあ言いたいことは分かる。人にいうより、まずは自分で見本を見せろという事だ。
とは言え、この程度の敵でそれが分かるかと言われれば話は別だ。
「もっと本格的に強いモンスターが出てきたら見せてやる。まずはお前達が先だ。」
「…そう、自信がないのね?分かったわ。ユイさん、始めるわよ。」
「う、うん!」
どさくさに紛れて人を小馬鹿にする辺り、戦闘においての余裕は多少ありそうだ。
まずは見物、という事でその辺りの岩に腰掛けた。
まずはユキノの一撃がスライムを狙う。破邪の剣がある以上、攻撃力はそれなりにあるのだから、まず倒すべきは大きづちだろうに…。
あいつの一撃はかなり効くぞ…。
ユイはというと空を飛んでいるドラキーに攻撃を繰り出している。
しかし攻撃は避けられた。
リーチの短いお前が飛行モンスターを攻撃してどうするんだよ。
幸いスライムはユキノの一撃で倒れたものの、その背後から大きづちがユキノを狙っている。
ユイもユキノも気付けていない。
案の定、ユキノは背後からの一撃で膝をついてしまう。
その攻撃にユイも慌ててドラキーから大きづちへとターゲットを変えた。
「ゆきのん!大丈夫!?」
「え、えぇ。大した事はないわ。それよりあの敵の攻撃に気を付けて。
攻撃力は結構ありそうよ。」
「う、うん。わかった。」
私は思わずホイミを自分にかける。
魔法はあまり使ってはいけないと、先生が言っていたけれど、そんな事を言っている余裕はあまりない。
これは訓練とは違う…それを理解したつもりになっていた。
人との訓練はあんな背後から攻撃される事はない。
あの男はこちらに視線を移しているが、まだ立つつもりはない。
もっとも、この程度と思われて助けられる方が癪に障る。
ドラキー、空を飛んでいる相手に接近戦が得意なユイさんが挑んでも勝ち目はない。
「ユイさん、そっちの大きづちをお願い!私はドラキーを…!」
「任せて!」
ユイさんは迷う事なく大きづちへと突進する。
大きづちは攻撃力はあっても速さはなさそうね。
ユイさんの相性が良さそうね。
私はドラキーに視線を移す。
悠々と空を飛んでいる姿は随分余裕がありそうね。
「それなら…破邪の剣!」
私が破邪の剣を掲げると、剣はその鋒から閃熱を放つ。
炎はドラキーを捉えると、轟々とした音を立てながらドラキーを焦がした。
ちょうどユイさんの方も大きづちの攻撃を回避してトドメを刺したところだった。
「ふう、やったね、ゆきのん!」
「ええ、最初こそ戸惑ったけれど、結構あっさり片付いたわね。
どうかしら?ハチマンくん?文句はある?」
あっという間にモンスターを倒したのだから多少なりとも見直したかしら?
満足そうな2人には悪いが、及第点すら与える事はできない戦いだった。
相手はたかがドラキーと大きづちとスライムだけだ。
終わってみればあっという間に決着がついたように見えるが…。
「いやいや、文句がないと思えるのがすごいよ。」
ユキノの言葉に長い溜息をつかざるをえない。
「ユキノ、破邪の剣をよこせ。」
そう言って手を差し出す。
初めのうちは抵抗感を示しつつあったが、もう一度『早く』と急かす。
嫌々ながらもその剣を渡してきたところで剣を見る。
「……大丈夫そうだな。さすがは破邪の剣だ。
ユキノ、しばらく破邪の剣はお預けだ。それまではこの銅の剣を使え。」
「どういうつもりかしら?その剣より銅の剣の方が強いと思ってるなら、勘違いも甚だしいのだけれど?」
「ユキノ、お前にこの剣はまだ早い。今のお前じゃこの剣を使うんじゃなくて使われているにすぎない。
その言葉にさすがに腹立たしく感じたのか、ムッとした表情をこちらに向けている。
思わずその冷たい視線に謝ってしまいそうになった。
「スライムは一撃、ドラキーも破邪の剣で確実に倒したはずよ。
どんな文句があるのかしら?」
「お前、最初の一撃をなかった事にするなよ。
あの程度の敵………。」
そう言いかけたところで再びモンスターの群れが現れた。
おい、今話し中なんだけど?空気読めよモンスター。
いや、俺も空気の読み方なんか知らないけどさ。
まあ、逆に説明するよりは簡単か。
「まあいいや、2人ともそこで見てろ。」
ゆきのんは随分と気分が悪そうだ。
確かに最初に攻撃は受けたものの、すぐに回復して戦闘態勢を変えた。
そこからは私もゆきのんも攻撃を受けていない。
それは完璧だったとは思わないけど、あの言い方ではゆきのんも気分を害してしまうだろう。
ハッチと比べられても困るけど、やっぱりあの言い方は酷いと思う。
見てろって言っていたけど、今出てきたのは一角ウサギに大ガラスが2匹、それに先ほど攻撃を受けてしまった大きづちだ。
レベルの差を比べれば私たちが見てて学ぶ事なんか多分ないと思う。
というより、ハッチくらいレベルが上がれば私達だって…そう思いながらハッチの背を見ていた。
ハッチは一瞬だけ身を屈めると、大きづちに突進する。
あ、大ガラスが上からハッチに狙いを定めて…危ないっ!そう発する直前にバックステップで大ガラスの攻撃を避ける。
そのまま大ガラスを蹴り飛ばし、木槌を振り上げていた大きづちにぶつけた。
ぶつかった2匹はふらふらっと倒れそうになっている。
その隙をハッチは狙わない。むしろ別の方向に向きを変えた。
その先には力を貯めている一角ウサギ…すごい、ハッチはちゃんと全部の敵を見ているんだ。
だから攻撃を一時的に凌いだ大きづちを後にして…。
そのままハッチは一角ウサギの額にナイフを刺した。
一角ウサギは一瞬、叫び声をあげて倒れる。
ハッチはそのまま、懐から出したナイフで空を飛んでいた大ガラスに向けて投げつけた。
ビッとナイフが翼に刺さり、大ガラスは悲鳴をあげながら地面に落ちてバタバタと足掻く。
そしてそれを無視したまま、再び大きづちの元へ。
流石に立ち直していた大きづちだけど、ハッチの速さで一瞬で大きづちの背後を取り、そのまま一撃。
そして、もう1匹飛び回っていた大ガラスを睨みつけると、大ガラスは逃げて行った。
そのままばたついている大ガラスにトドメをさして…。
「悔しいけど…彼の実力は本物みたいね。」
ゆきのんの呟きに、私も思わず小さな頷きを返した。
「ハッチ!すごいね!大ガラスが1匹怖がって逃げていったもん。」
「それなりに実力はあるみたいね…。」
そう言ってユキノは片手を差し出す。
なんだ、握手でもしたいのか?
今更俺の実力を見て和解する気になったのだろうか?
こう見えてかわいいところもあるもんだ…と普通の男なら握手を返すのだろう。
だが、訓練されたボッチはこんな罠には掛からない。
「何、その手?」
「銅の剣を渡しなさい。癪だけれど貴方の言葉の意味も分かったの。
だから貴方の言う通り、銅の剣で暫く腕を磨くわ。」
ほら、さすがは訓練されたボッチである俺だ。
ここで握手をしていたら、『何をやっているのかしら?このセクハラマンくん。汚らわしい。』って叩かれて貶されていたまである。
何、セクハラマンって、どこぞのヒーローみたいだけどすごいダサいよ。
「まあわかったならいいけど。ほら、暫くは慣れるんだな。」
「え?何?どうしてそうなるの?」
ユイの言葉に思わず俺は溜息を漏らした。
横でユキノも頭に手を当てている。
「え?なに、こいつ本気で言っているの?」
「これがユイさんですもの。ちゃんと説明なさい。」
「…ユイ、俺の攻撃、ちゃんと見えてたか?」
「酷っ!私、頭はあんまり良くないけど、目は悪くないよ!」
あぁ、見えていたのか、よかった。見えていないって言われたらどうしようかと思った。
「ユイさん、この男の動きを見て感じ取ったことはあるかしら?
気持ち悪い、以外に。」
「おい、さりげなくディスるな。普通の男だったら泣き出すぞ。」
「えっと…早くてすごかった!」
やばい、こいつバカだ。
「俺の速さを見て、自分には出来ないって思ったか?」
「え…?あぁ、そういう事ね、速さだったら私も負けてないよ。」
「ユイさん、盗賊の彼の速さを武道家である貴方が、それも大きくレベルが離れているのにすばやさが同じに感じるのは不思議に感じないかしら?」
「え?それ…私のすばやさが盗賊並みに凄いってこと!?」
こいつの賢さは戦士並みかもしれないがな。
あ、こんなこと言ったら他の戦士に申し訳が立たないか。
「いいえ、この男は本気で戦ったわけじゃなかったの。
私達にできる動きという前提で戦っていたのよ。」
「え!?なにそれ!?まだ本気じゃなかったの!?」
「…驚く方面が誤っている気もするが、まあそういう事だ。」
こいつを訓練するのは結構な労力を使いそうだ。
働くのが嫌いな俺に相応の労力を使わせるなんて只者じゃないな。
「ユキノのさっきの戦い方、荒削りながら悪いものじゃなかった。
だが、あれは剣を使っているのではなく、使われているという方が近い。
武器の強さに頼るんじゃなくて、自分の実力の底上げを優先させるべきだって事だ。
本当に強くなれば武器は選ばないもんだよ。」
そう、弘法筆を選ばずってところだ。
理解したのかしてないのか分からないが、へぇーっと言っているユイに思わず頭を抱えた。
「まだまだ私達は強くなれるという事よ。レベルという意味ではなく、戦略、という意味でもね。」
ユキノが続ける言葉に、なるほど!とか言っていたが、多分理解できたのは、まだ強くなれる。という一文だけだろう。
間違っていないから別にそれでもいいけど。
「適当にモンスターを狩りながら次の村に行くぞ。
さっきも言った通り、俺は手を出さないから自分達でなんとかしてくれ。」
結局、アルスタームを出て1日、となり村に着いたときには既に日が暮れていた。
「今日はしっかり休め。疲れているだろうからな。ほら、こっちはお前達の部屋の鍵。」
宿屋で部屋を取り、疲労感満載の2人の元へ戻る。
宿屋の下は酒場になっていて、食事も出来る。
食事を終えるのも一苦労なあたり、今日は本当に疲れたんだろう。
だが、このパーティーのリーダーはユキノのはずだ。
なぜ俺が部屋を取りに行かなければならない…。
俺は見知らぬ人間と話すのは嫌いなんですが…。喋れないわけじゃないよ!
きらいなだけ!ハチマン、嘘つかない。
「部屋は…2つとったのかしら?」
「当たり前だ。長旅になるのに、今から無駄に金を使うわけにいかないだろ。
お前達は2人で一部屋だ。」
「だったらハッチも同じ部屋にすればいいのに…。」
「……このリア充ビッチが…。」
「酷っ!ビッチじゃないもん!し…」
何かを言いかけて口を塞ぐ。
いや、聞いてないから、言わないでいいからそんな事。
「何をしているのかしら?私の友人に変なセクハラをしないでちょうだい。」
「今の俺が悪いのか?完全にこいつが墓穴掘っただけだろう。」
「ユイさん、ここにいるのはモンスターではなく一応人間?のオス?よ。
自ら危険に身を晒すことはないわ。」
「おい、後半、なんで疑問系なんだよ。」
「ごめんなさい。やっぱり腐った死体だったのかしら?」
「腐ってるのは目だけだ。目を除けば、外見スペックは高い方だ。」
疲れているはずの勇者様は毒舌だけは変わらないようだ。
余力があるのはマシではあるが。
「バカ言ってないでそんだけ毒舌吐けるなら、その舌が回っているうちにさっさと風呂に入って寝てくれ。
明日もまた歩くんだからな。」
そう言って俺は酒場のカウンター席に座る。
「えぇ、そうさせてもらうわ。貴方も無駄に起きていないで休みなさい。」
「へいへい。」
そう言ってユキノとユイが宿屋の階段を登っていくのを背中で見送る。
酒場のマスターがグラスに注いでくれたエールを口に付けながらしみじみと思う。
こんな風に余裕があるのはきっと今のうちだけだ。
旅というのはそんな楽しい事ばかりではなく、キツイことも多いのだ。
「そう言えば、あいつら野宿とか出来るんだろうな…。」
余計な事を思い出したせいで、再び頭が痛くなるような気がした。
とにかく、港町に行くにはもう1つの街を通る事になるが、野宿ができないのであれば、明け方から深夜まで歩いても難しい。
「まあ、長旅に野宿は必須だ。この辺りで慣れておいてもらわないと俺が困るな。」
火の番とか、見張りとか、諸々。
そんな事をぼんやり考えつつ、周りの人の話に聞き耳を立てて、情報収集を行いながら最初の夜はふけていった。
3話掛けて冒険自体は1日しか経過していないという事実…。
さ、最初だから、最初だけだから…!
4話以降はこう時間がピョンピョン跳ねます!
で、前回登場した人達はしばらく出ないので、先にその人達のプロフィールを!
ハルノ(Lv:38、職業:元勇者、現酒場のマスター)
戦士★×8、勇者★×5
先代の勇者。
シズカから魔法と剣の技術を教わっていたが、その才能はあっという間に花開いた。
父である先々代勇者を遥かに上回る才能から、新たな魔王から世界を救うと言われていた。
強力な魔法や特技を使いこなし、ほぼ敵なしの状態だったにも関わらず、
ある日、再起不能になるほどの大怪我を負ってアルスタームの街に帰ってきた。
神父の治療によってなんとか一命は取り留めたものの、その怪我の反動で
まともに剣を握る事も出来なくなってしまい、長時間の戦闘や旅が困難になってしまう。
自他共に歴代最強と口にする勇者に何があったのかは本人も詳しく語らないが、自分の驕りが原因だと周囲には笑って話している。
現在はリハビリの甲斐あって5分から10分程度であれば、戦闘を行う事もできるが、
魔王退治の旅は不可能なため、ユキノのバックアップを行う事にして酒場を経営している。
使える魔法・特技
ギラ、ベギラマ、ルカニ、ルカナン、スカラ
ホイミ、ベホイミ、ベホマ、ライデイン
アストロン、マホステ、バギ、バギマ、いてつくはどう、めいそう
気合溜め、はやぶさ切り、メタル斬り、稲妻斬り
シズカ(Lv:48、職業:元魔法戦士、現ギルドマスター)
戦士★×8、魔法使い★×6、魔法戦士★×5
若い頃に先々代の勇者であるユキノとハルノの父と旅をしていた仲間。
ハチマン、ユキノ、ハルノの師匠でもある。
前魔王討伐の際、自分も含め、勇者パーティーは、激戦故に再起不能になっていた。
そのため新たな魔王出現の危機感を覚えた彼女は、後進育成に力を入れていた。
現在は冒険者ギルドの設立者であり、ギルドマスターと呼ばれている。
前魔王との戦いで負った怪我が原因で現在は戦々から離脱をしているものの、
その実力は折り紙付きで、有事の際は街の護衛にも積極的に参加する。
使える魔法・特技
ギラ、ベギラマ、ベギラゴン、メラ、メラミ
イオ、イオラ、ヒャド、ヒャダルコ、ルカニ、ルカナン
マヌーサ、ボミオス、バイキルト、ラリホー、ラリホーマ
火炎斬り、マヒャド斬り、真空斬り、正拳突き(ハチマン専用)
コマチ(Lv:14、職業:商人)
商人★×4
ハチマンの妹で、ハチマンの財宝探しの手伝いをしている。
魔法をふくめ戦闘はあまり得意ではないが、その商才と鑑識眼は相当の物。
ハチマン曰く、『アコギ系ハイブリッドぼっち』らしく、
商人として物を売る時は、とんでもなく話がうまくなるらしい。
曰く、『拾ってきた薬草を800Gで売るレベル』
使える魔法・特技
なし
イロハ(Lv:12、職業:踊り子)
踊り子★×5
ハチマンのパーティーメンバーでギルドの後輩。
ハチマン曰く『あざといミニモン』らしい。
元々はある街で踊り子をやっていたが、ある日、酔った酒場の客に絡まれていた所をある男性に救われて一目惚れ。
それからその男性を探すために旅に出る事を決意した、まさに恋に生きる乙女。
初めて雇った冒険者がハチマン達だったが、そのひねくれながらも素直でない優しさに心を開いている。
現在は報酬分冒険者として働く!という事でパーティーの一員になっている。
使える魔法・特技
誘う踊り、みかわしきゃく、メダパニダンス、不思議な踊り、マホトラ踊り
サイカ(Lv:19、職業:魔物使い)
魔物使い★×5、僧侶★×3
ハチマンの数少ない理解者であり友人。
常に女性と間違われるほどの美少女、もとい、美少年であり、温厚で素直な性格。
教会に所属しようとすると必ずシスター服を着せられそうになるため、僧侶の修行を断念した。
持ち前の優しさから魔物とも心を通わせる事ができ、その才覚から魔物使いとしての道を選んだ。
女の子だったら告白してふられるまで想像できるというハチマンに対して、意外と満更でもなさそうな辺りは本当に男の子なのか疑問視されてしまう。
使える魔法・特技
ホイミ、ベホイミ、スカラ、スクルト、バギ、二フラム、キアリー、キアリク
と、一旦こんな感じです。
ハチマンについてはもう暫くあとで。
ちょっと見て頂ければ分かるように実はザオラル、ザオリク、ルーラが使えるキャラは作っていません。
いずれも希少な魔法だったり、禁呪だったりするのがこの世界のルールです。
同様にキメラのつばさもとても希少な物になっています。
もう1つ特殊なルールとして、上級職になるためには必ずしも基本職を極める必要はないルールができています。
この辺りの詳細はダーマ神殿編の時に説明出来ればなぁと思っています。
次回はもう少し早めに書き上がると…思いたいです(希望