とある侍の一方通行・改   作:ドレアム

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銀時の名前は最初からある設定になっています


チャランポランな奴ほど、重い過去を背負う

銀時は現実に帰り、目を覚ますと困惑した妹とシスターがいた。

 

「良かったぁ!やっと目を覚ましたのね。死んだように眠っていたから、ビックリしたわよ?」

 

ホッと撫で下ろした心理にインデックスも漸く安心した。

 

気付けば電気が入らないほどに明るく、外が騒がしくなっている。銀時は「今、何時?」と告げると

 

「昼の12時よ」

 

その返ってきた言葉に唖然とした。ちょっとしか経っていないと思っていたのに次の日にまでなっていたとは。

 

「……まじか」

 

「マジよ」

 

独り言のつもりが、まさか返ってくるとは考えてなかった。銀時はひと息つくと、上体を起こす。

 

「心理、インデックス。今日はゆっくり3人で過ごすか」

 

「……どうしたの?」

 

「なんかぎんときが変なんだよ」

 

2人は怪訝そうに見るが、銀時は気にせずに

 

「ここでのんびりしてぇ気分なんだよ。家族揃って……今日はな」

 

そう言って微笑んだ。

 

(あの、逆さ野郎……余計な事してんじゃねぇだろうな……?)

 

心の中で此れから起きる、もしくは今現在も起きているかもしれないという予感を感じながらも、銀時はそう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

まだ現在に帰ってきていない3人の目の前に現れたモニターの中に1人の銀髪の少年が屍の中心に佇み、そこに歩みよる長髪に腰に刀を差している男が映っていた。

 

「アレイスター……こりゃあ一体、何だ?」

 

垣根は声を振り絞って目の前のトップに問いかける。

 

「言っただろう?垣根帝督。君達が此れから見るものは。本物の坂田銀時だと。君達には想像できないほどの悲劇、がね」

 

本物の坂田銀時。という事はあの銀髪の少年を言っているのだろう。超能力者である3人は理解したが、信じられないと言った表情を見せている。

 

その間にも、モニターに動きが見えた。

 

『屍を喰らう鬼と聞いて来てみましたが……また、随分とかわいい鬼がいたもんですね』

 

『生きる為に屍の着ぐるみを剥がして来られたのですか?』

 

『……だ、れ……?』

 

『怯えなくても良いんですよ。私は貴方に危害を加えに来た訳ではない。ただ、鬼がいる聞いて興味を持って見に来たのです』

 

『……へんなやつ』

 

『ふふっ。そうかもしれませんね。そして私は、君が鬼のように見えないのも、君にとっては変な話かもしれない』

 

男は不思議そうにしている銀髪の少年に笑いかけた後、刀を鞘ごと少年に向けて放り投げた。

 

少年はヨロヨロとしながらも受け止める。

 

『君はもうそんな事しなくていいんですよ。それに私がソレを託したのには意味があるんです』

 

『……?』

 

刀は人を斬って殺める。又は自分の身を守る為のもの以外に何かあるのか。少年にはわからない。

 

『敵を斬る為ではない、弱き己を斬る為に。己を護るものではない、己の強き魂を護る為に。此れからは使って貰いたいのです』

 

『それがどんな意味なのか知りたいのなら、私に着いてくるといい』

 

男はそう言って少年に背を向けて歩き始めた。

 

少年はその遠ざかる背中を見つめながら、何かを決心してそこに向かって走っていく。

 

それに気付いたのか、男は振り向いて手を差し出す。

 

『名前は何と言うんですか?』

 

『さかたぎんとき……』

 

『銀時、ですか。いい名前ですね』

 

そんな温かい表情を向けられたのは久しぶりだった。もう向けられることはないと思っていたのに。

 

自然と涙が出てきた。男は何も言わずに頭を撫でてくれていた。

 

『あ、私は吉田松陽(よしだしょうよう)です。宜しくお願いしますね』

 

『よろしく……』

 

こうやって銀時と吉田松陽は出逢った。

 

「「「…………」」」

 

3人はそれを見て完全に声を出す事が出来ない状況に陥った。

 

美琴は大粒の涙を零し、麦野と垣根は固まったかのように画面に見つめていた。

 

それを追い詰めていくように画面が次々と変わっていく。

 

その銀時と松陽の他に2人の子供が追加されて仲良く遊んだり、喧嘩したり、笑ったり、悲しんだりと普通に幸せな生活を送っていた。

 

だが、そんな幸せな日は長くは続かなかった。

 

黒い着物を来た集団が銀時を抑えつけ、松陽を何処か連れて行こうとしていた。

 

吉田松陽は反乱分子の罪を着せられていた。

 

『は、なせっ!!松陽が何したって言うんだよっ!?何で黙って連れて行かれようとしてんだよっ!!なぁっ!?!?何とか言えよっ!!松陽ぉおおおおおお!!!!』

 

理解が出来なかった。松陽が何をしたと言うのだ。普通な生活を送っていただけなのに。

 

そして、それに抵抗しない松陽に怒りを覚えた。

 

『銀時……すみません。後の事を頼みましたよ』

 

『皆の事、護ってあげて下さいね。私との約束、ですよ?』

 

それが銀時が聞いた最期の言葉だった。

 

『嫌だっ……嫌だよっ!!!松陽先生ェエエエエエエ!!!!!』

 

銀時は届かないと分かっていても叫び続けた。

 

その願いはやはり、届かなかった。

 

 

それから成長した銀時達は異形の者達との戦争に参加した。

斬りまくる銀時達の姿に美琴は再び、吐きそうになりながらも目を逸らさない。麦野は顔を顰めさせながらも見ていて、垣根は呆然と見ているのか見てないのか、分からない状態になっていた。

 

『よぉ。銀時ぃ。生きてっか?』

 

『あぁ?じゃあテメェと背中合わせて立ってんのは誰なんだよ?低杉くぅん?』

 

『高杉だ。やっぱりムカつくなテメェは。その口と天パは本物のようだな』

 

いつの間にか、映像には銀時と、高杉と呼ばれている青年が敵に囲まれていた。

 

『なぁ、銀時。俺達ぁヅラや辰馬のようにデキは悪りぃが、俺達にしか出来ねぇ事もある』

 

『……』

 

『俺がもし、死んじまったら……先生を頼む。同じろくでなしであるテメェにしか頼めねぇ』

 

『なら俺も同じろくでなしとして頼みてぇ事がある。……死ぬな』

 

2人は敵に向かって走り出した。敵が圧倒的に数が多いにも関わらずに斬り倒していく。

 

後もう少し、と言う所で高杉は油断したのか、スキを見せてしまった。

 

『高杉ぃイイイイイイイイイイイイイイ!!!!!』

 

それに気付いた銀時は走りだして高杉を庇って斬られた。

 

『ぐっ……うらぁっ!!』

 

それでも力を振り絞って敵を斬っていった。

 

敵が全滅したと理解した瞬間、銀時は倒れた。

 

「「「!!!」」」

 

『銀時ィっ!?』

 

見ていた3人は驚き、画面に映っている高杉は直ぐに銀時に走り寄った。

 

『ははっ……わ、りぃな。……もう一つ頼まぁ。先生と皆をた、の、ん、だ、ぜ……?』

 

銀時は目を開ける事は無かった。画面には高杉の悲痛な叫びが響いていた。

 

 

そこでモニターが消えた。

 

「これが、坂田銀時の実体であり、私もそこ以降は本当に分からないが、その魂は一方通行に引き継がれている」

 

アレイスターの声だけがヤケに響くこの空間に3人は何を言ったら良いか分からない。

 

「私からはもう何もない。後は君達次第だ」

 

その一瞬に3人を現実に戻していった。

 

 

 

「ふぅ。私も現実に戻ろうかと思ってたのだが……どうしてここに来れるのだ」

 

アレイスターはドス黒い雰囲気を纏っている場所を見た。

 

そこからは

 

「これはこれは統括理事長様。お会い出来て嬉しいですよ!私としてはね」

 

先程4人に見せた人物、仮面を付けた男が立っていた。

 

「実験内容を変えた君が何をしようとしているのかが理解出来かねるがね」

 

「そのうち分かりますよ。学園都市……嫌、世界がどう転がっていくのかもね」

 

「やはり、君には早々に消えて貰わないといけないか。両方の世界から」

 

「これはこれは。手厳しいですね。まぁ貴方なら殺せそうですが、私はまだ楽しみたいのでね。そう簡単にはさせませんよ」

 

両方とも、怒っているのか喜んでいるのか、表情が見えない。

 

「挨拶は済ませました。今度は現実で会える事を楽しみにしてますよ」

 

そう言って仮面の男は消えた。

 

「くくっ面白い。不死身なあの男を殺すのは私か……それともあの3人か。どちらにせよ面白いよ」

 

「虚(うつろ)。……それとも」

 

「吉田松陽、と言えばいいのかね?」

 

アレイスターは不気味にククっと喉を鳴らし、此れからの展開を楽しんでいた。




アレイスターと虚さんが少しだけ対面させました!
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