とある侍の一方通行・改   作:ドレアム

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ちょっといつもより長いです。ほんのちょっとですが。


真実を伝えるのはやっぱり辛いよね

シュン、と黒子が所属する支部の前に姿を見せた銀時達は黒子以外の反応は人それぞれだった。

 

「へぇ〜。テレポートなんてこんな感じなのね〜」

 

と呑気にしている心理。

 

「初めて体感したんだよ!」

 

少し興奮気味のインデックス。

 

「いきなりはやめて欲しいのよねー……」

 

少しゲッソリしているのは美琴。

 

「……面白いとこに来ちまったもんだなぁ俺も。なぁ?銀時よ」

 

ククッと不敵に笑い、銀時に顔を向ける高杉。

 

「テメーらは何でそんなに平然としてられんの?銀さん、身体中シェイクされて今にも口から産まれてきそうなんだけど」

 

顔を真っ青にして冷や汗をかいていた銀時。黒子は苦笑して話しかける。

 

「あの、大丈夫ですの……?」

 

銀時は話せないのか適当に頷いた。だが、直ぐに限界が来たのか近くにいる高杉を見る。

 

高杉は嫌な予感がして後退り始める。

 

「高杉。俺ぁもう駄目だ。だから俺から産まれてくるもん全部……受けとオボロシャアアアアアア!!!!」

 

「ギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」

 

だが、それは間に合わずに高杉の全身目掛けて嘔吐物が放出された。それにより珍しく、悲鳴を挙げながらビチャビチャと全身にかかってモザイク状態になってしまった。

 

「あー……スッキリしたわ。ありがとよゲロ杉君」

 

「ゲロはテメェのだろうがぁああああ!!!2度と転生できねぇように斬り刻んでやらぁああああああっ!!!!!」

 

モザイク状態のまま、刀を振り回して暴れようとする高杉に銀時はゲラゲラと笑いながら相手をする。

 

『え、何あれ?』と思いながらも2人の喧嘩を見守った。

 

暫くしてからボロボロになった銀時と、銀時の能力によって綺麗になったが、身体中ボロボロになった高杉が漸く落ち着いた所を見て黒子は切り出した。

 

「では、参りましょうか」

 

と、支部へと全員招き入れた。その時だった。

 

「銀ちゃん!」

 

と声が聞こえたのを銀時達は反応した。そこには

 

「おぉ。風斬じゃねぇか」

 

風斬氷華が姿を現した。

 

「銀ちゃんの気配がここの辺りにあったので来てみました」

 

ニコッと笑って答える姿に銀時は少し和む。

 

「……銀兄ぃ?」

 

それと同時に心理からの殺気が身震いするほどに凄まじい。流石、暗部と言ったところか。

 

「それと貴方、銀ちゃんって言ったわね。どういう関係かしら」

 

「ひぃっ!?あ、あの銀ちゃんとは友達ですけどっ」

 

心理の威圧に怯みながらも答える風斬は少し涙目になる。

銀時は心理を宥めるように肩に手を置く。

 

「オイオイ……何も暗部の仕事してる訳じゃねぇんだからよ。落ち着けよ……それにダチ以外に何があんだよ?」

 

それを聞いていた風斬は少し寂しそうにしていたが、銀時はまるで気付いていないようだ。

 

鈍感。ここにいる全員がそう思った。

 

「フン……白夜叉なんて大層なもんつけられてたお前が。女誑かす奴に落ちてるとはな……今のお前は俺に勝てねぇだろうよ」

 

「何?喧嘩売ってんなら買うよ?銀さん本気出しちゃうよ?ってかいつ、俺が女誑かしたの!?!?」

 

地味に喧嘩を売ってくる高杉に銀時はブチっと何かが切れた。

 

「てかさぁ、お前はカルシウム取ってんの?昔も今もチビって……何のために『高』ってついたんだよ。『低』の間違いだろうが」

 

これには高杉もこめかみに青筋を立てる。

 

「うるせぇ。お前は糖尿病にでもなって死んでしまえクソ天パ」

 

「天パじゃないもんね。今はサラサラストレートだもんね」

 

「テメェの中身が天パだろうが。悪党面」

 

「中身が天パってなんだコラァ!?!?悪党はてめーだろうが!!歩く厨二病テロリストが!!」

 

「……殺す。やっぱテメーはムカつくなぁ!銀時ィっ!!」

 

「上等だぁっ!!!!」

 

幼稚な口喧嘩から暴力沙汰になりだしそうになる2人に、他の物は呆れていた。風斬だけはオロオロしていたが。

 

そんな2人に近づく1人の少女がいた。

 

「銀兄に高杉さん?でしたっけ。いい加減、話が進まないから止めてくれないかしら……?」

 

先程より更にドス黒いオーラを出して今にも剣を抜こうとしている心理に高杉は少し興味を持ったが、銀時は彼女のこの状態は危険だと知っており。

 

「すんませんでした!!!」

 

全力で謝った。

 

「お前さん、そこにいる連中とは違うみたいだな。俺達と同じ血の匂いがするぜ?」

 

彼女の雰囲気にそう感じ取った高杉は愉快そうに笑った。

 

「まぁ学園都市の裏組織に潜んでいる者ですから。そこにいる街を平和を護るジャッジメントとは違うんですよ」

 

ピクっと反応した黒子を見てクスっと笑った。それに対して笑われた本人は対抗した。

 

「そのジャッジメントの目の前で公表してよろしいんですの?この殿方の前で拘束しても構いませんのよ?」

 

少し怒っているような黒子に対して、心理は動じずに続けた。

 

「ふふっ。出来るの?裏も知らない甘ちゃんが私を捕まえれるの?」

 

「オーイ……ここちゃんその辺にしとけよ」

 

「銀兄は黙ってて。私はこういうのが一番腹ただしいのよ。何も知らないくせに護るだの何のって言ってる奴が」

 

 

銀時は止めようとしたが、こうなっては無駄だと思ったのか、好きに言わせてやろうと黙って見る事にした。

 

「私は誰に何を言われようが、私は私のやり方で護りたいものを護る。例え、味方だった奴でも邪魔をするのなら……斬り殺してでも護りたいものがある。それが私が定めたルールよ」

 

「オマエ、もしかしてあの時の事……」

 

銀時はやっぱり……とそういった顔をしていた。彼女の顔が余りにも泣きそうな顔だったからだ。

彼女は頷いて銀時を見つめて話す。

 

「銀兄に剣を教わっててもあの時の私は弱かった。悔やんで悔やんで…そして、自分を恨んだわ。目の前で大切な人が自分から突き離された時は。その後よ、あの男……垣根帝督に雇われたのは」

 

心理が出した垣根の名前に美琴は覚えがあった。見た事がある為に良く知っている。

 

「学園都市第2位の超能力者……」

 

その声に周りは驚愕した。インデックスは知らないが、心理の話には驚きを隠せないでいた。

 

「そして私は暗部に堕ちたわ。あの男がいる組織に入って、もう何も失わないように……あんな思いはしないように、ね。間違ったやり方なんてのはわかってる。でも、もう私にはそういう風にしか出来ないのよ。全く、自分勝手で我儘な自分には参っちゃう」

 

下を向いていて表情は見えないが、なんとなく泣いているのはわかる気がした。

 

「だから、ジャッジメントさん?こんな自分勝手な私に殺させないでね……?」

 

更に深く、悲しい声に黒子やその他は何も言えなかった。

 

「もういい……後はもう思いださなくていい」

 

銀時が彼女を抱きしめて口を開いた。

 

「俺はお前のやり方を認めた訳じゃねぇ。けど、お前にその道を進めさせちまったのは紛れでもねぇ……この俺だ。

すまなかったな心理。それでも俺はお前が居なかったら、此処に立ってはいなかった。お前を拾って良かったって思う自分勝手な俺を許してくれ、なんて言わねぇ。だから心理。前言ったように、お前から絶対に離れていかねぇから」

 

ポン、と頭の上に置かれた手は暖かく、気持ちが良かった。だから彼女も本当の気持ちを伝えた。

 

「私だってっ……貴方に拾われて良かったって思ってる!!絶対、離れてなんてやらないわよっ!!!」

 

ギュっと銀時の腰に手を回して答えた。他のメンバーはこの2人に何があったかなどは口を挟むような事はできなかったが、何処か暖かい目で見ているようだった。

 

「ククっ……お前はまた拾ったんだな。あのガキのように」

 

高杉は愉快そうに笑っていたが、他と変わらない目で見守っていた。銀時は心理から離れて高杉に問う。

 

「そういやぁ、アイツは元気か?」

 

少し、罰の悪そうな顔で言うと神妙な顔つきで答えた。

 

「俺とアイツはまだ繋がりあるからなぁ。警察とテロリストだけどな」

 

「ハァ!?」

 

銀時に心底驚いた。警察とテロリストに繋がりあるとは、俺の元の世界はどうなってんだ?と思った。

 

「だが俺がこっちに来る前に、行方不明になってな……もしかしたらだが、銀時に関わってるからこっちに来てるかもしれねぇな」

 

桂や坂本の他にもう1人来ている可能性が出てきた。

 

「でも、あの子さぁ何かと斬りかかってくるから大変なんだよなぁ」

 

それには高杉も実は身をもって実感している。

 

「あぁ。お前の亡骸見せて以来、顔を見せてはずっと、殺さんとばかりに襲うから参るぜ」

 

それはお前の自業自得だと、銀時は思ってしまった。

 

「なんかもう流れで喋っちゃっていい?お前がテロリストやってるっつー事はさ、戦争負けちまったか?」

 

中に入って話すのが面倒になって、この場で本題に入っていく銀時に、風斬を除いた全員はゴクリと喉を鳴らした。

 

「あぁ……あの後、幕府は白旗を上げて降参した」

 

そう言った高杉は怒りに満ちた顔で話し始めた。

 

ゾッとする程、顔を歪めて。

 

戦況はますます悪化するばかりで、天人の勢力と圧倒的な武器不足により、天人達との不平等条約を結んで戦争は終わった。

 

国の為に戦った攘夷志士達は反乱分子とされ、殆どが粛清された。

 

坂本辰馬はそれと同時に姿を消し、宇宙(そら)へと旅立った。桂と高杉は最後まで抗い続けたが、捕まってしまう。

 

向かわされた所は、崖の上で吉田松陽が縄で体を縛られ、天に仕える烏達に囲まれて今まさに殺されようとしていた場面だった。

 

高杉は縄を縛られたままそこに突っ込んでいくが、刀が左目に飛んできたのをそのまま受けてしまった。そしてうつ伏せにされ、抑えつけられた。

 

刀を投げた男は天に立つ者であろう人物に刀を渡され、松陽の後ろに立つ。

 

『松陽。何か言い残すことはあるか?』

 

男は最後の慈悲を問う。

 

松陽は高杉と桂に目を向けて

 

『晋助と小太郎を殺さないと誓いますか?』

 

男にそう言った。男は目を一瞬閉じてからまた開いて

 

『……あぁ』

 

と答えた。

 

『やめろ!!頼むから……やめてくれぇえええっ!!!!』

 

高杉は右目を大きく開けて叫んだ。泣き叫ぶように。

 

松陽はニコッと笑って視線を前へと戻す。

 

『晋助。小太郎……貴方達はどんな事があっても、強く生きてください。それが私の願いです。私は一足先に、銀時に会いに行きます。今まで楽しかった……ありがとう』

 

それが松陽の最期の言葉で、同時に首と胴体が離れたのを高杉の右目に繊細に映ってしまった。




やっと松陽の最期をかけました。

銀時を拾ったガキははたして誰でしょうね?
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