とある侍の一方通行・改   作:ドレアム

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展開を少し早めました!


動き出した闇

ファミレスで4人の女性が1つのテーブルに集まって話をしていたが、その1人である麦野沈利は3人が楽しく話してるにも関わらずに、難しい顔で窓を見つめていた。

 

「むぎの?どうかした?」

 

それを見ていたのか、ジャージ姿の少女が心配そうに見つめてくる。それに麦野はハッと意識をそちらに向けてみると、他の2人もこちらを同じように見ていた。

 

「いや、まぁ……ちょっとね」

 

いつもの彼女らしくなく言葉を詰まらせたのを余計に心配させたのか、小柄の少女が不安そうに問う。

 

「私達には超言えない事ですか?」

 

特にアンタには言えないわ。なんて言葉が出てきそうになったが、何とか押し留める。

 

金髪の少女も状況を把握しているのか、珍しく黙っている。

 

そんな状況に耐えかねた彼女は一息ついて、話す事を決めた。

 

「あんたら、坂田銀時って名前は聞いた事ある?」

 

3人は首を横に振る。どうやら名前は知られてはいないらしい。

 

「ソイツは何者な訳?」

 

黙っていた金髪の少女が問う。

 

麦野は少し考え込んでから、小柄な少女を見てこう言った。

 

「特に……絹旗。アンタが一番に関係している人物よ」

 

「っ!!」

 

絹旗と呼ばれた小柄な少女はビクッと体全体に衝撃が走るように飛び上がる。

 

「麦野……第1位に会ったんですかっ!?」

 

ダン!!とテーブルに両手を叩きつけて立ち上がる。同席している2人は驚き、周りにいる店員や客は何事か、と騒つき始めた。

 

麦野は頷いて、至って冷静に答えた。

 

「アイツは……あんたらの思っているような、冷徹で残酷じゃない人間よ。ましてや、あの男は……助けを求める奴を自分の命を懸けてまで護ろうとする。そしてアイツ自身も私達が想像できない、次元の違う所で戦っている。最期に私が感じたのは、優しくて、悲しい……そんな奴だった。そんな奴が、アンタの事を知っていたら黙って見過ごすとでも思っているの?」

 

あの映像の事は話しても信じて貰えないだろう。けども、麦野は坂田銀時と言う男を見て感じた事を述べた。

 

結果、その男を肩入れしたような言い方になってしまったが。

 

絹旗はストン、とその場に力無く座り込んだ。その表情は俯いていてどんな風になっているかは分からない。

 

「じゃあ……あの人は、私が超憎む必要がないと言う事なんですか……?あの人が知らない内に私達が実験に使われたと……そう言う事なんですか?」

 

彼女は俯いたままに対して麦野は

 

「まぁ、私の勝手な想像だけどね。アイツは暗部……もしくは学園都市に縛られない自由翻弄に生きる奴って感じだな」

 

笑って答えていた。

 

「すいません……今日は仕事ないですよね。超先に帰らせてもらいます」

 

絹旗はそう言って顔を上げた。その表情はとても複雑そうなものだった。

 

「あとは絹旗自身で答えを出して、アンタがどうしたいか決めなさい」

 

その麦野の言葉を聞いた後、早々とファミレスから出て行った。

 

「良かったの?あんな事言っちゃってさ」

 

金髪の少女が心配そうに見ているが、ジャージを着た少女はボーっと絹旗が出て行った場所を見つめていた。

 

「いいのよ。てかさー、坂田銀時を見てると何つーかねぇ。人を惹きつける魅力っつーの?なんか人を根本的なものを変えさせる力があるって言えばいいのかしらね。本当に不思議な男ね」

 

自分が掲げたものだけが為にどんな危険な事だろうと信念を曲げずに首を突っ込む人間なのだろうと、麦野は想像する。自分とは全く違うタイプであるからこそに興味が少しだけ沸いた。

 

「なんか麦野にそこまで言わせる人間がいるなんてねぇ。もしかして惚れちゃった?」

 

ニヤニヤしながら顔を近づける少女にこめかみに青筋を立てながら頭を叩いた。

 

いったー!!なんて声を無視して睨みつける。

 

「馬鹿言え。私はそんな軽い女じゃないわよ。でも」

 

「アイツは学園都市だけじゃなく世界までも引っ掻き回す、トンデモない奴かもね」

 

此れからの物語に少しワクワクしながら呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

高杉の話に全員が静寂に包まれていた。

 

「ヅラはヅラなりの攘夷思想を掲げて、俺は世界を憎み、精鋭を集めて鬼兵隊を復活させて幕府をぶっ潰す為に行動した。だが、俺ぁ……なんの為に生きてんのか、なんでこんな事になってんだってのと、死んでいった仲間達の憎しみが俺ん中で蠢いて頭から離れやしねぇ」

 

無念に散った仲間達の憎悪での自分の中にいる獣が疼いているのと、銀時と先生がいない世界で何を、どうしていればいいのか分からない自分がいる。

 

「だがなぁ、テメェを見ていたら……何にも変わってねぇのを見ていたら、少し気が楽になったぜ。ありがとよ銀時。世界が違ってもテメェだけは存在しているだけでも俺は気持ちが救われた」

 

高杉は全部を吐き出したのを銀時は受け止める。

 

「オマエが素直にそんな事言うなんてねぇ。昔ならあり得ねぇぞ。天変地異でも起きるレベルだぞ」

 

少し意外そうな顔をして冗談っぽく言うと、高杉はそっぽを向いて「うるせぇ」と小さく呟いた。

 

「あー。ぶり返すとこ悪りぃんだけどよぉ。先生を殺した奴の面、分かる?」

 

ギラリと紅い瞳とギラつかせて高杉を見る。他の者達はビクつき始めた。心理だけは少し慣れたのか、顔を引きつらせるだけだった。

 

高杉はチッと舌打ちをして首を横に振る。

 

「笠を深く被っていてあんまり見えなかった。ましてや、右目だけじゃあな」

 

こちらも右目をギラつかせ獣のように鋭くさせていた。

 

2人が戦場にいるかのような殺気に誰も口を開けない。

 

「もし、そんな奴がこの世界に来ていたとすれば、ちゃあんと御礼参りしねぇとなぁ」

 

「ククっ。そうだな。帰るのだってこの世界を救うまでは無理なんだしよ」

 

ハハハって笑う2人だが、顔は笑ってはいなかった。

 

先生を殺した奴を見つけ出し、この手で報復させる。

 

2人の気持ちは一緒だった。

 

「なぁ、ジャッチメントさん?もういいだろ?銀さん、全神経使っちゃったよ。伝えんならテメェがやれよ。帰って糖分摂取しねぇと死にそうなんだよ」

 

殺気を消して心底疲れたようにやつれていた。銀時はその場から立ち去るように歩き出す。

 

そして高杉も隣に歩いて行くと他の者達も慌てて追う。

 

「ちょっと待ってくださいな!」

 

黒子の声に立ち止まる。

 

「この世界の貴方を教えてくださいますか?」

 

その言葉に銀時は溜息を吐いた。

 

「こりゃあ、言わないと帰れないタチなんだろ?しゃあねぇ。本当は言いたくねぇがな」

 

「学園都市で最強の超能力者やらせてもらってる一方通行でーす。聞いた事あんだろ」

 

それだけ言うと手をヒラヒラさせて歩き出すとぞろぞろと着いて行った。

 

黒子は暫く硬直していたが、ハッと気付いた頃には誰も居なかった。

 

「第1位様……ですか。これまたトンデモない人がなられましたの」

 

居なくなっていった場所を見つめた後、黒子は自分の職場に戻って行った。

 

 

 

 

真っ暗になった学園都市のある鉄橋で垣根は1つの死体を見ていた。

 

またしても斬殺。背後からバッサリ斬られた跡があった。

 

殺害された被害者は今度は能力者である。しかも

 

「レベル4でさえ、こうもアッサリと殺せんのかよ」

 

大能力者。所々、焼け跡がある所見ると発火能力者(パイロキネシスト)かと推測した。

 

垣根も大能力者など一瞬で殺せるが、浜面と言う少年は無能力者だ。刀の力とは言え、こうもアッサリとは信じ難い。

 

それに殺されてからそんなに経ってないと感じてまだ近くに浜面仕上が居るかもしれないと感じて周りを見渡す。

 

すると

 

「おっ。こりゃあまた大物が来てくれたもんだ。まさか第2位の垣根帝督から来てくれるなんてな」

 

背後から浜面仕上が現れた。

 

「いやぁ。アンタと殺り合えば白夜叉に一気に近づけるねぇ。ラッキーラッキー」

 

ニタニタと金髪を靡かせ不気味に笑う彼に垣根は無言で背中に白い羽を展開させた。

 

「坂田銀時が狙いなのは知ってる。アイツがどうなろうと知ったこっちゃねぇ。だが、何かあったら黙っちゃいねぇ奴らがいる。だからここでテメェを殺してその刀をぶっ壊す」

 

垣根が戦闘態勢入ってそう言って睨みつける。浜面はさらに笑みを深くして近づいてくる。

 

「俺を殺してコイツぶっ壊したとしてもよ、第2、第3って出てくるぜ?奴らは大量にコイツ、紅桜を造っちゃってんだからな」

 

自分を殺しても何も変わらない。そう言う彼に対して

 

「そいつらも仲良く地獄行きにさせれば万事解決だろ」

 

ニヤリと笑う。すると浜面は鞘から刀を抜く。ドクンドクンと紅い刀身が鼓動する。

 

「ソイツ、ヌルゲーだったからなぁ。アンタとなら少し、本気を出せそうだ」

 

その瞬間にギュン、垣根に近づく。垣根は羽を槍のよう飛ばす。枝分かれして無数に飛んでくる羽を浜面は難なく切り落としていく。

 

「なっ!?」

 

垣根の羽はこの世に絶対に存在しない物質で演算に組み込み、形成しているのだが何も効果がない。ならばまた新たに演算をし直さないといけないと頭の中で成り立たそうとするがいつの間にか背後に浜面仕上はいた。

 

「あらまぁ、こんなもんなのか?」

 

そう言った後に垣根の方へ振り向く。

 

ブシャアアアアア!!!!

 

垣根からけたたましい血が吹き出してうつ伏せに倒れた。

 

浜面はそれを見てこう言った。

 

「楽勝だ、超能力者(レベル5)」

 

その後、闇夜に消えていく。

 

(く、そ……血が足りねぇ……頭が働かねぇ……こりゃあ、やべぇな)

 

辛うじて生きていた垣根は這いつくばりながら進むが、その間に血がどんどん流出されて顔が青白くなっていく。

 

(早く知らせねぇと……ありゃあ、どうにかなるもんじゃねぇ)

 

立つ気力も無く意識が朦朧とした中、誰かが目の前に立っているのが分かった。顔を上げると見た事がない白い隊服を着て刀を差している女性がいた。

 

「ーーーーーー」

 

何かを言っていたが、彼にはもう何も聞こえない。

 

彼の意識はもう無かった。

 

「見ていたけど、貴方はあの人の名前を言った。折角見つけた手掛かり。簡単には死なせない」

 

女性は携帯を取り出してどこかへ連絡した。

 




垣根君を狙わせました。そして予定より早くも銀時がひろった人物を出しました。
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