「あーまだイテェよ。なぁ心理ちゃん、禿げてない?これ?」
「大丈夫よ。すぐまた生えてくるから」
「禿げたって事じゃねーか!!ねぇ、どうすんのこれ!?」
「ちょっとうるさいわよ!私達、只でさえ外見で目立つんだから…それとも私が悪いって言いたいの?」
「滅相もありません。僕が悪かったです。なので、また髪の毛に手ェ伸ばすのやめてっ!?」
街中でコントでもしているかの様な二人は歩く人々に注目を浴びている。銀時は白髪に紅い瞳、そして長身に細身。外見もイケメンの部類に入る。対する心理も金髪に赤いドレスを着ている美少女。男女とわずに見られている。銀時はそれに耐えられずに
「なーにガン見してんだ。見せもんじゃねぇぞコノヤロー」
不機嫌な顔をして発すると人々はワラワラと散らばっていった。
隣にいる彼女からはため息が吐かれる。
「銀兄さん、その面で顰めないでよ。だから貴方に接することできるのは私とリーダーぐらいしか出来ないのよ」
「その面ってお兄ちゃんに対して失礼じゃねっ!?つーか、と、友達なんて余裕で100人いるわっ!!」
「その面で小学生みたいな事言わないでよ。恥ずかしいから」
「いや、だからって離れていくなよ!!」
さり気なく離れていく妹に必死に縋り付く光景はみっともない。
それでも心理は銀時といると安らげる。彼と会わなければこんな風に笑える自分ではなかったと心からそう思っているだろう。
そんな事を考えているなんて知らない張本人は仕返しとばかりに話題を振った。
「そう言うオマエはあれじゃん?あのリーダーのなんだっけ?大串くん?ぐらいとしか一緒にいたとこしか見ないけど?」
ニヤニヤと笑っている銀時にイラっとしたが、フンと鼻を鳴らす。
「あんなチャラ男のような奴、友達でもなんでもないわ。ただのリーダーってだけよ。あと垣根よ」
表情も変えずに真面目に返した彼女に銀時はつまらなそうにしていた。
「まぁ、友達だろうと彼氏だろうとあんなチャラチャラした奴、銀さん認めないからね」
「だからチャラ男なんて興味ないって。どーでもいい」
それに、と銀時の方を見て少し恥ずかしそうにしながら下を向いた。その様子に彼は気付いていない。
「どーでもいいって。それでも生きてんだよ?チャラ男でバカでアホみたいで、死んでもなんともないよう奴でもちゃんと生きてんだよ?俺もどーでもいいけど」
居ない事をいい事に貶す銀時に、相当リーダーが気に入らないのがわかる。
「それでも貴方の次に凄い奴なのよ」
「それが気に入らねってんだよ」
相変わらず垣根の話になるとこんな感じだ。仲がいいのか悪いのか分かったもんじゃないと笑った。
「垣根は置いといて。まずはセブンスミストね」
「はぁ。まぁオマエと出かけんのも久々だし?楽しむとしますかねぇ」
計画を立てている妹の存在に優しく微笑んだ。
それを見た心理は顔を真っ赤にした。
「わ、私は銀兄さんといるだけで……」
小さい声で言葉にしている最中に携帯が鳴った。メールがきたようだ。
その相手を見て、サーッと赤い顔が一瞬で消えた。
「ねぇ。銀兄さん」
ドスの効いた声に銀時は察してしまった。心理のマジギレはやばいの知ってる。
(あー。やっちまったなぁ垣根くぅん)
「暗部だから、リーダー殺しても罪にならないよね?」
邪悪な笑みで短刀を懐を出す姿はまさに、鬼そのものだった。
「殺したら組織が成り立たないから8割ぐらいで抑えろ」
それもどうかと思うが、何言っても無駄だと知っている。
殺気出しながら歩いて行ったために街の人はガクガク震えている。
「ご愁傷様です」
銀時は垣根に合掌した。
そして暇になり、腹減ったので取り敢えずはいつものファミレスへと
向かおうとしたが、隅っこで制服を着た少女が複数の男達に絡まれていた。その少女と目が合ってしまった。
「ちょっと遅いわよ!!」
その瞬間に此方へ向かってきた。
「………はぁ?」
銀時はこの少女が何を言っているのかわからない。誰かも知らないのに。ついでに男達も付いて来た。
「なんだお前?俺達が女の相手するからあっち行ってろ」
「背がでかいだけのモヤシちゃんは帰れよ」
ニヤニヤと笑ってる男達に銀時は呆れた顔していた。
「ギャーギャーギャーギャー喧しいんだよ。発情期かテメェらは」
ポケットから小さな木箱のようなものを取り出してカチっと鳴らすと、木刀に変型した。
「木刀!?テメェまさかっ!?」
驚いた男は次に木刀で吹き飛ばされた。
「こりゃあ、あれだろ?オマエらが一般市民である俺に、勝手に喧嘩しかけてきたんだから立派な正当防衛だろ?」
ニヤリと悪どい顔をしている銀時に男も、その少女も驚愕した。
そして男達は銀時の容姿に何者か気付いてしまった。
「白髪に紅い瞳……木刀…お前まさか第1位の一方通行(アクセラレータ)か!?」
1人の男が銀時の正体をバラした事によって少女の耳に入った。
銀時は少し顔を顰めて男達を睨むと怯え始めた。
「あんまりその名前で呼ばれたくねーんだけどなぁ…俺ってそんな有名人になっちゃったわけ?」
だとしてもあんまり嬉しいもんでもない。銀時は本物の一方通行の存在を知り過ぎてしまったからだ。
それに、最強とか絶対的な力とかには興味がない。普通は特に能力者ならば欲しいと思うだろう。だが、この男にはその概念はない。
いつか自分にもその時が来るのは確定済みなのは認識している。ただそれを自分が定めた武士道(ルール)に従うだけ。ただそれだけである。
「で、どーすんの?この場から消えるか、それともボコボコにされてーのか決まった?」
最強の放つ殺気に男達は言葉もなく逃げて行った。
「はぁ。疲れたなぁー。誰かさんが呼び止めなかったらなー?こんなことならなかったのになー?」
先程の雰囲気と違ってき怠そうな声に少女はうっと喉を詰まらせた。
「わ、悪かったわよ。あんたがまさか第1位だったなんて。第1位と2位なんて私達からして見れば謎の存在よ」
「だが、あんな不良どもには知られてるってか。あのメルヘンと一緒かよ」
ガックリと肩を落とすと、オマエは誰?と少女を促した。
「聞いたことない?超電磁砲(レールガン)って」
その呼び名に思い出して溜息をついた。
「え?こんなじゃじゃ馬姫みてーなのが第3位なの?学園都市も終わってんなーオイ」
「じゃっ!?馬鹿にしてんのかぁああああ!?!?」
余りの言いように、少女は叫んで電撃を放った。ビリビリっと青白い電撃は、銀時へと向かっていく。それを
「うらぁああああああああ!!!!!」
木刀でかき消した。それには目をパチクリさせてその場から動けなかった。
「能力使うのは勝手だ。只、使うとこだけは間違えんなよ?」
そう言って手をヒラヒラさせてその場から立ち去った。
メルヘンくんとは土方と似たような関係ですね