とある侍の一方通行・改   作:ドレアム

21 / 26
後でタイトル変えるかも笑


それぞれの想い

船の一室からベン、と三味線の音色が流れる。

 

それを聴き入れながら、外の景色を眺める。

 

「……晋助様……」

 

ボソッと吐いた呟きは自分にしか聞こえず、返ってくる事はない。

 

自分達のリーダーでもある高杉晋助の消息が未だに掴められない現実に、ヘソ出しミニスカと言う露出のある着物を着た女性は不安に駆られていた。名前は来島また子。鬼兵隊の幹部の一人で、2丁拳銃を得意とする女性。

 

その彼女が目に浮かぶのは、満月を見上げて佇む高杉の姿が頭を離れなかった。

 

彼が大切に想っていたものは、自分達にとっても大切な存在であったのだから。

 

「……こんな所にいたのか」

 

後ろから聞こえた声の主は良く知っている。

 

「万斉先輩……」

 

河上万斉。こちらも鬼兵隊の幹部の一人で人斬りの異名を持つ男が立っていた。

 

「……あの男を心配しているのか?」

 

とても低い声で、冷めたような口調で彼女に近づく。

 

また子は何も言わない。

 

万斉は、ため息を吐く。

 

「大将は晋助などではない。拙者達の大将はあの人だけの筈でござろう?」

 

「そうっスよね。晋助様が躊躇していたから悪いんスよ……」

 

彼から自分達の本当の大将が誰なのかを、今一度、示しだされた彼女は正気に戻った。そしてその存在が頭に浮かぶ。

 

「それにしても、まさか……紅桜を渡したというのに。その奴らも行方不明とは」

 

困ったものだ。

 

サングラス越しで本当に困っているのかはわからないが、内心では穏やかではないだろうと、また子は思った。

 

すると、カシャンと何処からか物が落ちた音が近くで聞こえた。

 

2人はその音があった場所へと行く。

 

「リモコン……?」

 

落ちているのはボタン一つしかない、そのリモコンみたいな物がこんな所にあるのが不思議だった。

 

「……なんのリモコンッスか?」

 

「……明らかに怪しすぎるでござるな」

 

不審そうにリモコンを暫く見つめていたが、ポチっと万斉が押してしまった。

ギョッとまた子は万斉を見て驚愕した。

 

「万斉先輩っ!?」

 

キーン、と小高い声で叫ぶまた子に耳を塞ぎながら答える。

 

「好奇心に押されてつい、な?」

 

「な?じゃないっすよぉおおおお!!!!」

 

 

キャン、キャンと犬のように叫ぶまた子に万斉は顔を顰めていたが

 

ピカッ!!

 

「「!?」」

 

辺り全体が眩しい光に包み込まれてシュン、と音がしたとともに光は消えていつもと同じ景色に戻った。

 

唯一つ、違うとすれば

 

この場から、来島また子と河上万斉が消えたという事態になったという事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ?」

 

麦野は素っ頓狂な声を出してパソコンの画面から聴こえる女の声に怪訝そうな表情をする。

 

因みに女の顔は表示されてはいない。

 

『だーからさぁ、第7学区で今、お騒がせの犯人が暴動起こしたんだとさ。んで、完全に手に負えなくなってしまう前に始末してほしいって事よ。分かったか?このやろー』

 

現在、アイテムが使っているアジトでメンバーと寛いでいたというのに、この女はかなりの難題を押し付けてくれたのだ。眉間に皺が寄るのも無理はない。

 

メンバーである、絹旗最愛とフレンダ=セイヴェルンは少し冷や汗をかいているが、滝壺理后だけは座ったまま寝ていた。

 

『あ、因みにこの前、第2位がそれで重傷負ったんだとさ。

それに、今回の暴動は第1位と殺り合ったらしいんだけどねー。第1位でも止められなかったみたいだな』

 

ピシっと体が動かない感覚に陥ったのかと、一瞬だけ感じてしまった。

 

 

垣根帝督と坂田銀時が負けたというのに、自分達に始末しろという無茶振りは、どうも腑に落ちない。

 

「……私達に死ねってか?」

 

『さぁね?私も上の考えている事がわかんないんだって。そういやぁ、第1位の周りに第3位のガキとかいるみたいだし、それに妙な格好した刀持っている男もいるみたいだし?そいつらに協力すれば?そいつらだって目的は同じだろうし』

 

 

妙な格好した刀持っている男に麦野はあの映像を思い出した。

 

特に印象に残ったのは、銀時と最後までいた男の姿が頭から離れないでいる。

 

「……超どうするんですか?」

 

絹旗が麦野に神妙な面持ちで話しかける。

 

「……分かったわよ。死ぬ気はないけど、やってやるわよ」

 

『んじゃあ、頑張ってねー』

 

彼女が渋々、了承すると女はやる気なさそうにエールを送って通信を遮断した。

 

イラっとするような声に顔を引き攣らせたが、諦めだしたかのようにメンバーに顔を向ける。

 

「おーい。滝壺ぉ、起きな。仕事だ」

 

寝ている滝壺を軽く叩いて起こすとパチリと目を開く。

 

「ん……むぎの?」

 

「おー。これから仕事だからね……飛びっきりの厄介な……ね?」

 

気の抜けた声だが、どこか危機迫るようなものを感じた3人は無言で頷いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

路地裏ではスキルアウトが大量に倒れていて、立っているのは1人の少年しかいない。

 

「ったくよぉ。俺を見る度、1位、1位ってうるせーんだよ。こんな事してる場合じゃないの。どうせだったらキャラ投票で1位なってるほうがマシだっての……」

 

銀時だ。前に自分にやられたスキルアウトが性懲りもなく絡んできたお陰で、こんな事になってしまった。

 

「刀の情報が分かっても……場所を特定できなきゃ、どうしようもないんだよなぁ」

 

分かったのは、高杉が幕府転覆を試みようとして改造した、紅桜の正体のみ。

 

「……一方通行か」

 

「んあ?」

 

どうしたもんか、と考えていると奥から随分と図体の大きい男が現れた。

 

「病院送りにされたと聞いていたが……こうも早く出てくるとはな」

 

少し珍しいようなものを見る目をしてくる男に銀時をイラついた。

 

男はそれには動じず、銀時を見て話し始める。

 

「浜面は、元は俺達の仲間だった」

 

「……オメェは誰なんだよ?」

 

浜面仕上を仲間だと言っている男に銀時は鋭い眼光で射抜く。

 

「駒場利徳」

 

男、駒場利徳(こまばりとく)は銀時をじっと見ながら静かに答え、頭を下げた。

 

「頼む。アイツを……浜面を助けてやってほしい」

 

駒場のその姿勢に目を大きく開いた。

 

浜面仕上という男はもう、紅桜のせいで一線を踏み越えて、イカれてしまっている。なのに助けてほしいと自分に頼んできたのだ。

 

「無理を言っているのは分かっている。俺達の仲間も浜面によって殺された。だが、それでも……アイツを仲間だと、今でも思っている」

 

尚も頭を下げ続けている彼にとっては浜面は必ず戻ってくると信じているのだろう。銀時はそう感じてこう口に出した。

 

「本当のアイツはどんな奴だ?」

 

面倒くさそうな、そんな声。

 

それで漸く、駒場は頭を上げた。

 

「馬鹿で、仲間思いで、優しい奴だ」

 

「俺が独断で奴らの場所を特定した」

 

嘘をついていないという表情に銀時は近づく。

 

「……ったく、俺ぁ何でも屋でもなんでもないんだぞ。どいつもこいつも……」

 

彼が持っている紙を受け取り

 

「癪だが……テメーの魂はキチンと届いたからな。だから俺が仕方ねぇから引き受けてやらぁ」

 

すれ違いざまに駒場に聞こえるように呟いた。

 

彼もまた銀時を見ずに

 

「ありがとう」

 

聞こえるように呟き返した。

 

そしてそのまま別れるかと思いきや

 

「アアアアアアアアっ!!!そのガキィ!?退いてェエエエエエエ!!!!」

 

「「ん?」」

 

声がした方向へ2人同時に目を向けた。

 

あり得ない事に、上から女性が落ちてくるように向かってきたのだ。

 

銀時の方向へと。

 

「……は?いや、もう無理なんだけどぉおおおお!?!?」

 

「「ギャアアアアアアアっ!!!」」

 

 

ドカァアアン、と叫ぶも虚しく女性と銀時は衝突した。

 

辺り一帯砂煙りが舞って駒場は腕で目に入らないように防ぐ。

 

少ししてから視界は晴れ始めて腕を降ろすと

 

女性が銀時の上に跨っている状態になっていた。

 

「痛っ……。ガキぃ早く退けっス!!」

 

「お前が上になってっから無理なんだよ!!テメーが退けやぁっ!!!」

 

ギャアギャアと騒いだ後、漸く離れた。

 

 

「あー。妹から3階から投げ飛ばされ、今度は馬乗りされるって。俺ってそんな女運悪いの?銀さん、何にも如何わしい事してねぇぞ。どっちかっていうとそこのオッサン面した奴のが怪しいだろうが」

 

「俺はまだオッサンではない。まだお前とそんな変わらん。それに未だ未経験だ」

 

駒場の真面目な発言に銀時は驚いた。

 

「え?マジで?今度一緒に引っ掛けようや。よし、まずはケー番教えろ」

 

「アンタらっ!!!アタシを無視して何、話してんスかぁっ!!!」

 

フレンドリーに会話をしようとした所で、ヘソ出しミニスカという奇妙な格好をした女性が2丁拳銃を向けて叫んでいた。

 

銀時は女性に近づいて呟く。

 

「ねーちゃん。そんな弾ぶっ放すより、俺としっぽり別の玉でどうよ?」

 

その瞬間、下腹部に激痛が走った。無言で女性が銀時のアソコを蹴り上げたからだ。

 

「ぐおおおおっ!?オマッ、俺の息子がぁああああっ!!!銀さんのタマタマがぁああああっっ!!!!」

 

ゴロゴロと悶えている銀時に痛みがわかるのか駒場は顔を顰めている。

 

「アンタが如何わしい事言ってるからだろうがっ!!って銀さん……?」

 

女性は何かが引っ掛かっていた。銀、と言う言葉にだ。

 

敏感になっているのかどうかわからないが、何故か気になっていた。

 

「あー良かった。まだ健在だったぜ。まだ使って無いっつーのによ」

 

パンパン、とズボンの汚れを手て払いながら起き上がると

 

「アンタ、名前なんて言うんスか?」

 

睨まれながら聞かれたので

 

「あぁ?坂田銀時だよ」

 

何か余計な事を言うと碌な事になりかねないので、素直に答えると

 

 

「お前みたいなのが、あの人の名を名乗るなぁぁああああ!!!」

 

「っ!?」

 

パァン、と一発撃たれたので咄嗟に避けた。

 

これには駒場も何事かと思ったが、銀時が目線で失せろと訴えたのでその場から消えた。

 

「そいつぁどう言う意味だ?俺はお前の事を見た覚えはない。だが、名前に偽りはねぇよ。俺は正真正銘の……坂田銀時だ」

 

「やめろぉっ!!アタシにとって……銀時様はあの人だけだぁっ!!」

 

銀時の話を聞かずに女性……来島また子は両方の拳銃で銀時に向けて弾を放った。




銀魂キャラ、予定より出し過ぎてますね笑

多分、もしかしたらまだもう少しだすかもしれないです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。