心理定規side
私の名前ってなんだっけ?
どうして私は1人で泣いてるの?
みんなはそんな私を見向きもしない。
能力なんて出来ちゃったから気味悪いんでしょ?きっと
それがなかったら皆と遊べたのかな?
「よぉ。どうした?こんなとこで」
ーーーーえ?
「あぁ。そっかーーー。オマエも俺と同じなんだな」
同じ?あなたは誰?
「俺は坂田銀時。オマエは?」
心理定規。名前なんて忘れちゃった。
「んー?んじゃあさ、心理って書いて【ここり】なんてどう?」
え?
「名前だよ。あんたの。メジャーハートなんて呼ばれたくないでしょ?俺的にはカッコイイけど」
ここり?私の名前?
「そーそー。俺も一方通行なんてずっと言われてっからさー。嫌なんだよね。銀時でいーよ」
あ、ありがとう。でも、あくせられーたって名前もカッコイイよ
「そー言ってくれんのオマエだけだよ。ここちゃーん」
あはは。じゃあ私は銀にぃって呼ぶね
「なーんか照れくせーな」
ねぇねぇ。同じって、どーゆーこと?
「俺ってこんな容姿じゃん?しかも、もう第1位なんて認定されてるからさー。人外呼ばわりだよ。だから1人なんだ」
そんな。髪とか目とかキレイなのに
「オマエのその金色の髪とかのほーが綺麗だろうよ」
でも、私達、もう1人なんかじゃないね!銀にぃとお話し、いっばいしたい!
「……そーだな」
「ってな感じで私達は出逢ったのよ」
「……」
懐かしそうに、嬉しそうに話す心理に垣根は無言で耳を傾けていた。
「まだいろいろとあるんだけどね。聞きたい?」
「お前がなんで剣を教わったのかも聞きてぇしな」
どうやら興味を持った垣根はそう答える。
そう、と短く返して話を続けようとするが、またタイミングが悪い時に電話がかかってきた。
「あ、銀兄さんからだ」
相手が誰かわかると笑顔になって対応する。垣根は重症だな、とその様子に呆れてきた。
「もしもし?」
『俺、どうしよう……とんでもねぇもん家に入れちまったよ。冷蔵庫の中なんにもないんだけど、吸い込まれるようになくなったんだけどって、やめてぇェエエエエエエ!!!それ、俺のプリンだから!!テメェの胃袋ん中ブラックホールで出来てんの!?』
「え、ちょっと銀兄さん!?」
ギャーギャーと誰かと騒いだ挙げ句にブチッと一方的に通話が途切れた。
近くで座っていた垣根も聞こえていたらしい。
「まぁ、なんかあったみたいだな。お前帰ったら?」
「わかったわ」
若干、声が低いのはわかったが敢えて、何も言わない。彼女がこの場から離れていくのを見て自分も立ち上がった。
「俺も……そんな出逢いがあったってんなら、すこしは変われたのかねぇ……」
学園都市の夜空を見上げた後、暗闇の方向へと消えていた。
銀時が心理に電話する前にこんな事が起きていた。
銀時はベランダから音が聞こえて駆け付けると、そこには白い何かがぶら下がっている。
その何かは動いた。
白いベールから見える銀髪ときれいな翠の瞳の、修道服を来たシスターだった。
そして
「お、おなかへった……」
第一声がそれだった。銀時はとりあえず中に入れた。
「オマエ、どちらさん?何であんな事なってたの?」
「私はインデックスって言うんだよ!あと、追われていたからなんだよ」
冷蔵庫にあった直ぐに食えるものを出して、それをガツガツと食べまくっているシスターの名前はインデックス、と言うらしい。
(インデックス……ねェ)
偽名だとしか考えられない。目次が名前なんて誰もつけないだろう。
「ちなみに何に追われてんの?」
面倒くさそうな事間違いない。そう思っても突き離さないのは性格なのだろう。
「イギリス聖教の魔術師から」
このシスターはなんて言った?この科学が進展している街では考えられないものをこの少女は言った。
「オイオイ。只でさえ俺ぁ、ファンタジックな世界にいるのにさぁ。今度は魔術?メチャクチャすぎんだろ」
「む、信じてくれないのかな!?」
なんとも言えない顔をした銀時にインデックスはプクッと頰を膨らました。
「んで?何したの?」
「え?」
さほど気にせず、鼻を穿り出す。
「だぁから、オマエはなーんで追われてんのって聞いてんの。ユーアンダースタン?」
笑いもせずに馬鹿にもしない銀時にインデックスは少し、戸惑いを隠せない。
「え、えーっとねっ!私には魔術は使えないんだけど、頭の中に10万3000冊の魔導書が入ってるの。それにこの服はね、歩く教会って言ってね!攻撃されてもへっちゃらなんだよ!」
最強の盾とも言える修道服は何とも自分が使える反射と同じようなものだと銀時は理解した。
「ふーん……嘘くせぇけど、テメーの目を見てっと嘘じゃねーのはわかったわ。俺も人に言えたような存在じゃねーし」
フッと笑みをこぼして少女の頭を撫でる。それが恥ずかしいのか、もじもじしながら言葉を返す。
「ご、ご飯ありがとうなんだよっ!それじゃ「帰る宛てあんのか」っ!」
次の言葉がわかってるように遮った銀時は更に続ける。
「面倒くせぇ事になんのはわかんだよ。だからってなぁ、そんな顔したテメェを外に出すと思ってんのか」
そう、何となくインデックスの顔が悲しそうにしていたから放って置けなかった。
「なら、私と一緒に地獄に着いてきてくれる……?」
これは目を潤ませた彼女にとって、彼を巻き込ませない最後のチャンス。
「あん?天国だろう地獄だろうと関係あるめぇよ。俺ぁただ助けるもんが近くにあるんならそれを掬い取ってあげてーのさ。もう何かを失うは嫌なんだよ」
「それに女の泪ほど、つれーもんはねぇ」
それは叶わなかった。ご飯を与えてくれた挙げ句に護ると言われたのだ。この男は、自分から離れるチャンスを潰したのだ。
涙は止まらない。こんなにも温かい気持ちになったのは初めてだ。
「この際だから我慢しなくていんでねーの」
その言葉と共に彼女は
「う、うぇ。うわぁぁぁあああああんんんんん!!!!!」
銀時の胸に飛び込んで泣き付いた。それを優しく受け止めて、よしよしと宥めた。
「それで、こんな状況なのね……」
電話が来て帰ってきた時には冷蔵庫は空っぽで、銀時はどこか朧げな目で虚空を見つめており、白いシスターが銀時の膝で気持ちよく寝ていた。
ブチ切れそうになったが、取り敢えずに彼を正常に戻して説明させた。シスターも起こしたが。
「私はちょっと信じ難いけど、銀兄さんがそう言うなら信じるわよ」
「いやぁやっぱり物分かりがいい子だと思ってたよ。銀さんは」
ふぅ、とひと息ついて心理を納得させた事に安堵した。
「あ、そういえば名前聞いてないかも」
インデックスは肝心な事を思い出して二人を見つめた。
「坂田銀時だ」
「妹の心理よ。銀兄さん、私疲れちゃったから先に休むわね」
「ぎんときに、ここりだねっ!」
そう言って心理は部屋に向かっていった。
リビングにいるのは銀時とインデックスの2人だけ。銀時は、ふああっと欠伸をして眠そうにしている。
「俺達も寝るか。オマエもその辺、使っていいからな」
「う、うん。あのねっ!ぎんとき……」
「ん?」
銀時はインデックスのほうを見る。
「あなたは一体、何者なのかな?」
その言葉に一瞬、目を見開く。
「あれだ。俺はベクトル操作って言ってな」
「違うのっ!!そうじゃなくて!!」
最強の能力だとかって言っても無駄だなと感じて、簡単に説明しようとしたがインデックスが大声をだした。
「本当のぎんときって何者なの?」
インデックスは銀時の正体を疑問に思っていたのだ。
さて、どうしましょうか……笑