Xenoroid-ゼノロイド-   作:緑帽

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覚醒

 

ーーーーーーーーーー

 

『シュルク、何か見える?』

 

そう言ってこっちを振り向いたフィオルンの腹部に何かが突き刺さった、傷口から止めどなく血が溢れ出る

 

『みんな......』

 

そのまま地面に崩れ落ちる、分からない、どうしてこんな!

 

フィオルン『ごめんシュルク......やっぱり私......』

 

『嘘だ!こんなところで!』

 

叫ぶ僕の首には、今にも振り下ろされようとしている刃が――

 

ーーーーーーーーーー

 

何だ、今の光景は。まるで次に起こることみたいじゃないか。まさか、と思い隣を向く

 

「どうしたの?シュルク、なにか気づいた事でもあった?」

 

やっぱり無事だ。ならやはり、今僕が見たものはこれから起こるであろう未来の光景、僕が変えるべき未来の分岐点。何故今になって再び未来が見えるようになったのだろうか、僕はもうそんな力なんて無いはずなのに......

 

でも、今はそれを考えるよりまずやらなくちゃならないことが有る。フィオルンをここで失う訳にはいかない!絶対に未来を変えるんだ!

 

「シュルク?何か見える?」

 

この後にフィオルンは腹部を刺されていた、なら敵はフィオルンの目の前にいるだろう

 

「フィオルン!シールドフラップを目の前に!」

 

「えっ?わ、分かったわ!シールドフラップ展開!」

 

フィオルンの周囲を翼が囲い、シールドを形成する。その次の瞬間にシールドが何かを弾いた音をたてた。上手くいったらしい

 

「えっ?どうなってるの?」

 

ごめんフィオルン、説明してる暇はない。意識を集中させて次の行動を未来視する

 

「見えた!そこだぁぁぁ!スリットエッジ!」

 

フィオルンの右前方の空間にモナドレプリカのエネルギー刃を突き刺す。するとその空間から人の影が現れた。これは!さっき採掘場にいた人達と同じだ、力尽きた敵はその場で倒れる

 

「コイツはさっきと同じヤツじゃねえか!でも一体どっから――」

 

ラインが話している最中に再び未来が見える

 

「ライン!もう一人いる!前方斜め上にソードパイルだ!」

 

「マジかよ!分かったぜ!ソードパイル!」

 

ラインが攻撃すると、やはり手応えが有った場所に採掘場を襲撃したパイレーツがいたようだ。反撃を全く警戒していなかった為彼は4ー5メートル程吹っ飛ばされ倒れてしまう

 

「もう来ないかしら?」

 

「うん、大丈夫だと思う」

 

もう未来は見えない、ひとまず危機は去ったようだ

 

「助かったわ、ありがとうシュルク」

 

本当によかった、あの時未来が見えなかったら今頃フィオルンは未来視した時のように血だらけで倒れていたに違いない

 

「ねえシュルク、そういえばあなたもう未来は見えないって言ってなかった?」

 

カルナが質問する。それについては僕も疑問に思っていることだ。もう見えないはずなんだけど......どうしてまた未来視が使えるようになったんだろう?

 

「まあいいんじゃねえか!こうやって俺たちが助かった事だし」

 

謎は残るけど、今は考えてもしょうがないか、僕たちは、丁度敵部隊を片付けたらしいサムスさんの所に駆け寄る

 

「大丈夫だったか!」

 

はい、なんとか。こうして全員無事に帰ってくることが出来ました

 

「あなたが私たちのコロニーを守ってくれていたのね。本当にありがとう」

 

「俺からも礼を言うぜ、ありがとうなサムスさん」

 

カルナとラインは前に進み出てサムスさんに頭を下げる

 

「気にしないでくれ。依頼だから遂行したまでだ。無事で良かったな二人共」

「それはそうと、シュルク。どうして君は先ほどのパイレーツの姿が見えたんだ?私といた時は戦闘機のステルス状態は見破れていなかったはずだが」

 

そりゃあ疑問に思うよなあ。でも、今はまだ避難者の救助が終わっていない、説明はその後だ

 

「それについては少し長くなってしまうので......まずは採掘場の中に残してきた人達を助けてからでいいでしょうか」

 

「ああ、そうしよう」

 

僕たちは採掘基地に戻り、怪我人の救護と搬送の手伝いをする

 

 

数時間後、全員の救助が終わった。僕たちは報告をするためにコロニー6復興本部に戻ってくる

 

「ありがとうお前さん達、よくやってくれた」

 

オダマさんが僕たちを再び暖かく出迎えてくれた

 

「何とかね。サムスさんがいなければ危なかったかも」

 

「流石の腕前と言ったところか。ありがとう、客人よ」

 

「彼らもよく頑張ってくれた。私一人では成し得なかった事だ」

 

「ああ!俺たちも頑張ったから......ってアレ?そういやダンバンはまだ帰って来てねえのか?」

 

そうだ、ダンバンさんはコロニー9に行ってからどうなったのか。大丈夫だとは思うけど

 

「まだ来ておらんようじゃな。コロニー9の方は何とかなったらしいが――」

 

その時、空から聞き覚えのある鋭い音が聞こえてきた

 

「敵襲か?」

 

サムスさんが右手のキャノンを構える

 

「いや、この音はワシらの飛行用ポッドじゃな」

 

「じゃあダンバンが帰ってきたのかしら」

 

コロニー9の方角から来るってことはカルナの見通し通りでありそうだ。でもあのポッド......減速しないでこっちに突っ込んでくるけど......

 

「オイオイオイ、ヤベーぞアレ。あのままだと不時着しちまうぞ」

 

ラインを含め、僕たちはその様子を遠くから固唾を飲んで!見守る事しかできない、巨人ならまだしも、僕の何倍もある大きさの鉄の塊を受け止めるなんて生身の僕たちには自殺行為だ

 

「これなら何とかなるかしら?」

 

そこでフィオルンが前に出る。そして三度シールドフラップを取りだし、ポッドの墜落予測地点に立ってバリアを展開する

 

墜落寸前、バリアによって衝撃を軽減した機体は軽く地面を揺らす程度で被害を抑えることに成功したようだ。コクピットに駆け寄る

 

「うーん......」

 

その中からは、やはりダンバンさんが出てきた。中には何故か分からないけどコロニー6の住民のミュキシリアさんとノポリックさんもいる

 

「この様子だと、フィオルンが助けてくれたのか」

 

「シールドフラップが使えなかったら大変なところだったわ!」

 

「心配かけて悪かったよ。でも大丈夫だ、ありがとうな。コロニー9も無事に収まったし、一応応援もこっちに来るらしい、倒れてる敵の拘束なんかは彼らに任せよう。それでこっちの状況は?」

 

ダンバンさんはうまく乗り切ったみたいだ、僕たちの事も説明しよう

 

「なんとかなりました。僕たちが採掘場に行っている間、コロニー6にも奴らが来たんですけどサムスさんが守っていてくれたんです」

 

状況を説明すると、ダンバンさんは深く頷く

 

「そうだったか。よくやったよ。それにサムス。あんたを信頼して間違いはなかったな」

 

「依頼だからな。最後までやるのが仕事だ」

 

「ああ、そうだ、依頼の報酬なんだがーー」

 

「まだいい、その前にこちらから話しておきたい事がある」

 

「それってさっきのバケモンの事か?」

 

ラインがサムスさんに聞く

 

「ああ、先程はあまり詳細を話すことが出来なかったから......私の事も含めて此方の持っている情報を伝えたい」

 

サムスさんが説明してくれるのか、だったら今ドライブユニットを作ってくれている人達にも聞かせるべきだ

 

「それなら、一旦ジャンクスへ戻りましょう。僕たちも話したいことが有りますし、ミゴールさん達とも情報を共通しておきたいので」

 

「分かった。では向かおうか」

 

僕たちは事情を説明し、されるためにジャンクスへ向かう




覚醒 終了。

ビジョン、戻りました。
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