僕たちは公園を出て、ジャンクスに着いた
「あ、ヴァネアさーん!」
ジャンクスの甲板には、壊れた箇所の修理をしているヴァネアさんがいた
「あら、どうしたの、フィオルン?」
「ちょっと見てもらいたい物があって」
「それなら中に入って話をしましょう。フィオルン、ダンバン、シュルク、それと......」
「この方はコロニー9に落ちてきた墜落船のパイロット、サムスさんです」
「そう、あなたが......私の父がとても興味を持っていました、どうぞ中へ。私の父――船長のミゴールにまずは会って下さい」
ヴァネアさんに連れられ、ミゴールさんが待つコクピットへ入る
「父様、シュルク達と墜落船のパイロットを連れて参りました」
最初に口を開いたのはサムスさんだ
「...貴方がミゴールか」
「ひょひょひょ......って何じゃ、驚かないのか。楽しみにしておったのに」
僕が初めてミゴールさんに会った時は驚いたものだ、何せ僕たちの何倍もある大きさだ。でもサムスさんは驚いていない、やっぱりこの星の外ではこれくらいは普通にあることなのだろうか
「まあいいじゃろ。で、おぬしが先程の――こちらからも聞きたい事は山ほど有るが、先ずはそちらの用件を聞こうか」
「...墜落した時にやむを得ず推進機関を廃棄してしまった、貴方達にはそれを新しく作成して貰いたい」
ここで無理だと言われてしまったら、どうしようもなくなってしまう。僕からも念押ししておこうか
「こちらからもお願いします、このままだと、何日かかるか」
そう言った後すぐに、にっこりと笑いながらミゴールさんは話しかける
「ワシ達は困っている人を見捨てる程鬼じゃないさ。そのエンジンのデータ、今持っているか?だったらヴァネアに見せてくれ、解析してみよう」
よかった、とりあえず見てはもらえるみたいだ
「ありがとうございます。......サムスさん、データをお願いします」
サムスさんは持ち物袋に入れていた船のエンジンのデータをヴァネアさんに渡した
「これが貴方の船の......少し時間を下さい。修復案の作成に入ります。その間、コロニー6の案内などされてはいかがですか」
そこで、何か思い付いたらしい。フィオルンが話す
「そうだ、サムスさんに紹介しておきたい人がいるんです、とりあえず一旦出ましょうか」
ああ、そうだ、コロニー6ならあの二人がいるはずだ
「しばらくしたら戻ってきます」
僕たちはコクピットから出ていった
__________
ミゴール「......のうヴァネア、見たところそのエンジンはノポン、ホムス、マシーナ、ハイエンターのどの技術系統でも無いようだが」
ヴァネア「はい、確実に我々の技術レベルを凌駕している物だと思われます」
ミゴール「そうか......やはり、か」
「『宇宙』は、わしらの想像を優に越えていくな......」
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「フィオルン、ちょっといい?」
船内から出ようとすると、不意に二階から声が聞こえた
「あ、リナーダさん!」
リナーダさん、以前の戦闘で失われたフィオルンの身体を取り戻す手助けをしてくれた、医療のエキスパートだ
「少し二階に来てくれるかしら、気になることがあってね」
「はい、シュルクたちは先に甲板に出ていて貰える?」
分かった、と返事をして僕たち三人は船内を出る。数分後にフィオルンも出てきた。
準備が整ったのでフィオルンが話し始める
「それで、さっきの話なんですけど、紹介したい人がコロニー6に二人いるんです」
ダンバンさんも大体予想はついていたらしい、それに続く
「ラインと、カルナっていうんだ。どちらもいい奴だよ」
「...そうか」
だが一つ気になることがある、僕たちは街の中を通ってきたのに彼らを見かけなかった
「でも、ここに来るまであの二人を見なかったよね。何処かに出掛けているのかも」
どうなんだろうか、前は二人でジュジュとリキを連れて釣りにいっていたから......
「うーん、ジュジュなら何か知ってるかな?聞いてみましょ」
フィオルンもそれを思い出したようだ。その提案に乗ってみよう、ジュジュはいつもコロニー6復興本部の前にいるはずだ。
コロニー6復興本部が目の前に見える、そしてやはり、彼はその前にいた。声を掛けよう
「おーい、ジュジュー!」
「あ、シュルクさん!」
彼の名前ははジュジュ、今探しているカルナの弟。前は向こう見ずな所があったけど、今では立派にコロニー6復興の先頭に立って皆を指揮している
「今日はどうしたんですか?」
「ラインとカルナを見なかった?さっきから見当たらないんだけど」
そこにまた一人、僕の知っている人が訪れる
「あの二人ならここにはおらんよ」
彼はオダマさん、少し気難しいけど、多分誰よりもコロニー6に住んでいる人を愛しているんじゃないかな
「ここの若いやつらと一緒に中央採掘場へ行ったんじゃよ。世界が変わった影響かは知らんが、あそこへの新しい道が出来ていてな、その調査じゃ」
「僕も一緒についていきたかったんですけどね、こちらも復興作業が忙しいのでそういうわけには」
だったら仕方ない、紹介は次の機会に回して街の施設を説明してあごようか
「そうだったんですか......すいませんサムスさん、彼らのことはまた今度に――」
僕が言い終わるかどうかといった時、突然警報が鳴り始めた
「敵襲だ!皆、避難を!」
「敵襲?どういうことだ、もうこっちに攻めてくるような機神兵はいないはずだが......」
不思議に思ったダンバンさんはそう呟く、そうだ、確かにもう戦争は終わったんだし、平和な筈だ
「一体、何が起こっておる?」
オダマさんも状況を飲み込めていないようだ。そこに突然、転がり込んでくる人影が
「私が......お話しします」
そこには、体の所々に傷を負ったコロニー6の住人、ヌークさんがいた。
「大丈夫ですか!?どうしてこんな......」
「かすり傷です。心配しないで下さい。それよりも、伝えなければならないことが」
「私達が採掘場の調査をしていた時、急に私達の通ってきた道からクライブ――ザリガニに似たハサミを持った、見たこともないヒトが現れました」
「彼らは私達を見つけるやいなや発砲してきました。応戦しましたが、次第に負傷者が増え――そこでラインさんとカルナさんが二人で敵を引き付け、他の人を逃がしたんです」
「逃げた中で唯一大きな怪我をしていなかった私がここに......負傷者はまだ採掘場内の避難所に取り残されたままで、二人もまだ戦っている最中だと思います。お願いです、彼らを助けてくれませんか」
皆が襲われている?何故なのかはさっぱり分からないけど、今は助けに行くしかない!
「オダマさん!」
「分かった。今すぐ救援隊を向かわせる。それとジュジュ、コロニー9の軍に無線を繋いでくれ、彼らにも助けを頼もう」
「分かりました!――こちらコロニー6です!応答願います.......えっ!?」
「どうしたんだ!?」
「......繰り返す!こちらコロニー9!所属不明の敵から攻撃を受けている!攻撃が激しくそちらに応援を送ることが出来ない!繰り返す......」
異変 終了。少し短いですが区切ります。
要所要所でお好みのBGMをかけながら読むというのもまた一興かな、と思います。