僕たちは採掘場に残された人々を助ける為、排水口から採掘場内部へと向かう
「シュルク、ヌークさんの話だと怪我人は採掘基地にいるのよね」
フィオルンの話す通り、逃げ切った人たちは採掘基地に避難しているらしい。あそこはいりくんだ通路の先を脇道に逸れた所にあるから簡単には発見されないはずだ。しかし、さっき排水口の入り口には敵――スペースパイレーツの人がいた。もしかすると逃げている所を発見されているかもしれない
「フィオルン、急ごう。大丈夫だとは思うけど......」
フィオルンも頷く、万が一があることも十分に考えられる。これは僕たちが経験したことの無い事態だ、油断してはいけない
地下の坑道を抜け、採掘基地へ近づく。すると基地の方角から金属と金属がぶつかり合う音が聞こえてくる。まさか――
「シュルク、この音!」
フィオルンも気づいたようだ、救援隊の人々にも緊張が走る
採掘基地の目の前に着いた僕たちはその音の正体を知る。さっき僕を襲おうとし人と同じような格好をしたパイレーツが二人、閉めきられた採掘基地の扉を手に持ったブレードで叩き続けているのだ。きっと避難している時に見つかって、咄嗟に扉を閉めたのだろう。だがあのままでは扉の耐久力がなくなり突破されてしまう――そんなこと、させちゃいけない!
「待てっ!僕たちが相手だ!」
注意をこちらに向かせて扉への攻撃を止めさせる。あちらも近づいてくる僕たちに気づき、こちらを向いてブレードを構える
「皆さん!いきますよ!フィオルンも援護を!」
採掘基地の皆を守るために、僕たちは戦闘に移る
あっちが二人に対してこっちは十人だ。数では上だけど、油断してはいけない。まずは遠くから牽制するべきだ
銃を持ってきた住人が数発発砲すると、目の前の敵はそれを正面で受け止める......だが全く効いている様子はない。それどころか腰に下げていた銃を構えこちらに撃ち返してくるじゃないか!
「危ない!皆私の後ろに!」
盾を持った住人が構えをとる、そうして相手の弾を受け止めたものの、一発でその盾が壊れてしまい使い物にならなくなってしまう。その間にも次弾がこちらに向けられようとしている
「まずいね!フィオルン、お願い!」
「分かったわ!守って!シールドフラップッ!」
フィオルンが背負う装置から二つの翼が射出される。それらは空中でバリアを纏い僕たちの前で展開、敵弾を全て掻き消した
それに怒りを見せたのか、相手は銃撃戦を諦めブレードを振りかぶりこちらへ向かってくる。それに合わせて僕も剣を持っている住人と一緒に接近戦の準備を整える
相手が攻撃範囲に入ってくるまで後数歩......
入った!今だ、先ずは敵の出鼻を挫く!
「ストリーィムエーッジ!!」
二人を巻き込むように武器を大きく凪ぎ払う。これで体勢を崩した相手を見逃さず、後ろにいた住人たちも斬りかかる――
決着がつくまでは時間はかからなかった、先手を打ったお陰で終始優位に戦いを進めることが出来たからだ。見知らぬ敵だったけど何とか制圧出来たことに皆で喜ぶ。しかしこうしてもいられない、まだライン達が採掘場の中に取り残されている、だがまずはここの人たちを何とかしないと......
「面倒だわねぇ、早く行きなさい、もう来なくていいわよ」
「そうだシュルク、フィオルン、ここは俺達に任せてライン達を助けにいってやってくれ」
そういう僕の心境を察したのか、他の人たちがここを何とかしてくれるようだ。気を使わせて申し訳ない、ありがとう、皆。
「じゃあ僕たちは採掘場内に行ってきます。ここは頼みました」
僕とフィオルンは救援隊に別れを告げ、ラインたちを助けに行く
しばらく歩くと、声が聞こえてくる
「ライン!早く!」
これは......カルナの声だ!
「今のカルナよね、でも、早く!って、ラインに何か有ったんじゃ」
フィオルンも同じように感じていたようだ。カルナの言っている内容といい言い方といい、ラインに危機的状況が迫っている事は明らかだ。早く助けに行かないと!
声のする方に向かい、新しく出来たらしい脇道を抜けると、目の前には誰かの首を絞めているパイレーツがいる。察するに、この今捕まっている人がラインだろうか!早く解放しないと!
「シャドーアイ!」
気配を消し、首を絞めているパイレーツの背後へ向かい気づかれないよう一気に前進する、そして
「バックスラァーッシュッ!」
背後から思い切りモナドレプリカを振りかぶり、そして一直線に振り下ろす!
「シュルク!」
ラインが腕から離れて地面に転がる、その瞬間をカルナは見逃さなかった
「今よ!ヘッドスナイプ!」
カルナによる頭部への正確な一撃を食らい、敵はそのまま沈黙した。よかった、間に合ったみたいだ
「大丈夫だった!?ライン」
僕たちはラインに駆け寄る
「あー、なんとか......いやーお前が来てくれなかったらヤバかったぜ」
回復用のエーテルを詰め込んだヒールバレットを装填しつつカルナも駆け寄ってくる
「ホントよ、気を付けてよねライン」
「悪かったって、謝るからさ」
とりあえず命に別状はないらしい。息を整えてから、僕とフィオルンはラインたちに状況を説明する
「ほかの人達は一時的に採掘基地に避難して、治療を受けてる。それと」
「コロニー6も襲われてるの、この人たちと同じような人に」
「ここだけじゃないのか!?」
「コロニー9も襲撃されたみたい。あっちにはダンバンさんが行ったよ」
「じゃあ、コロニー6は?今シュルクとフィオルンがこっちにいるってことは、ジュジュとオダマさんしかいないってことじゃない?」
「今はサムスさんが戦ってるの、コロニー6を守るために」
「サムス?誰だっけ?」
ああ、ラインたちはサムスさんに会ってないのか。簡単に説明しないと
「初めて会う人だよ。詳しく説明すると長くなるんだけど、とにかく、僕たちが救助している間一人でコロニー6を守ってくれてる」
「一人で!?マジかよ、だったら早く助けに行かねえと。コイツらを一人で相手にするなんてキツすぎるぜ」
「こっちの用事は片付いたし、私たちもそのサムスさんを助けにコロニー6に急ぎましょう」
そうだ、流石に腕利きの賞金稼ぎだったとしても、一人で戦うのは分が悪いだろう。ここは加勢するのがいい。僕たちは元来た道を戻り、コロニー6へ向かう
コロニー6直前まで帰って来た、コロニー6正門前ではサムスさんらしき人が敵と交戦しているのが見え――え?いや、何も見えない。サムスさんが戦っているのは確かなんだけど、その戦っている相手が誰なのか、さっぱり分からない
「あの全身機械みたいなやつがサムスって人なのか......何処にも敵が見当たらねえんだけどまさかあの人が全部やっちまったのか?」
「いえ、何かおかしいわ。まるで見えないものと闘ってるみたい」
カルナの言う通り、明らかに何かがおかしい。まるで敵がさっきの戦闘機のような――そうか、ステルス、サムスさんは僕の目には見えないと言っていた、あれが今目の前で発揮されているのか。だとしたら、今僕たちはとんでもない危機的状況に陥っている!
「下がれ!敵は君たちの目では――」
サムスさんの言葉が聞こえるか聞こえないか、そのくらい急いで引き返そうとする。だが、気づくのが遅かった。僕の隣でフィオルンが悲鳴をあげるのが聞こえてくる......
救出 終了です