採掘場排水口前で私はシュルクと別れた。彼らは自身の力で未来へ進もうとしている、ならば私はその手助けをしよう。任務だからではなく、自分の意思で
バイザーの機能を再び変更し、熱源を感知するサーモカメラに切り替えて見ると、今、戦闘機が上を通り過ぎようとしている。アレに追いつくためにはもう猶予は残されていない。
背部のブースターを展開し、走る、走る、走る――エネルギーを身体の表面に纏わせ、空気抵抗を極限まで抑えることで一時的に爆発的な速度を出すことを可能にする
排水口へ降りてくる為に使用したエレベーターが見えた、だが今悠長にアレを使っている余裕はない。更に加速して鉄骨を垂直に駆け上がる。更に速度を上げる
もうすぐ終点付近だ。鉄骨の終り際、地面と平行になった状態で一瞬だけ静止する。それまでに蓄えた運動エネルギーと位置エネルギーのベクトルをパイレーツの戦闘機に向け、身体に纏わせたエネルギーを全て前面に集中させ、私は弾丸のように空を飛んだ。
先頭を飛ぶ戦闘機を貫き壊し墜落させる。空中で体勢を立て直し、次の攻撃に移る
「......」
右腕に装備したアームキャノンからグラップリングビームをもう一機生き残っている戦闘機へ撃ち込み、ワイヤーを引き寄せる要領で乗り移る。その上に後ろを飛ぶ輸送船と相対する形で立ち、輸送船へミサイルを連射することで即座にコクピットを破壊、異変に気づき輸送船から飛び降りるパイレーツ達――輸送船の規模からいって十数人だろうか、を尻目にして、乗っていた戦闘機に振り落とされる前に装甲に覆われたコクピットを殴り倒し、中のパイロットの頭を吹き飛ばす。そのまま地面に着地し地上に降り立ったパイレーツの殲滅を開始した
そこはコロニー6の正門前であったが、先に警報を出していたおかげで出歩いている者はおらず、門も固く閉ざされている。これならば周りを気にせず戦闘出来る
「......」
地上に降りているパイレーツもステルスを使っているらしい相手は11人、この程度ならば装備の一部機能が制限されていようと問題は無い
こちらを漸く発見したらしいパイレーツの内まず二人がこちらへ向かってくるので、アームキャノンの機能を変更、アイスミサイルを構え、発射する。ディフュージョン効果を備えたミサイルは向かってくるパイレーツの中心で爆風を拡散させ、周囲を瞬時に凍らせる。それはパイレーツも例外ではなく、氷像になったまま微動だにせず時間が止まったような状態になる
その哀れな氷像を壊すためのミサイルを発射した隙を狙って側面から一人斬りかかってくる
「......」
それをバックステッブで避けつつ頭部めがけプラズマビーム――は使えないのだった、パイレーツの頭を殴りながら内部に力を蓄え、怯んだ隙にチャージビームを発射する。まともにチャージビームの直撃を食らい相手はその場から消えた
残り全員が一斉に襲いかかって来た。面倒だが脅威ではない、グラップリングビームを射出し後方で援護射撃しようとする一人から銃器を奪い取り左手に持ちかえ、ブレードを振り下ろす相手の身体を利用し背面に回りつつ左右にいる敵へ両腕の火力を叩きつける。そのまま背面にいる敵の首を絞め落としつつアームキャノンで後方の敵を狙い撃つ。これで半分減らした
仲間をやられ残されたパイレーツ四人が私に突撃しようとした時だった
「あの全身機械みたいなやつがサムスって人なのか......何処にも敵が見当たらねえんだけどまさかあの人が全部やっちまったのか?」
「いえ、何かおかしいわ。まるで見えないものと闘ってるみたい」
誰だ?敵を牽制しつつ声のする方を見ると、シュルク達がいるのが分かる。よりによってこんな時に来るとは、しかし何も見えないとはどういうことだ?まさか――バイザーを元の状態に戻すと、その謎の正体が分かった。サーモバイザーであったので気づかなかったが、パイレーツ達もまたステルスを使用していたのか。不味い事態だ、今彼らに矛先が向かってしまっては、彼ら自身では対処できないだろう
「下がれ!敵は君たちの目では――」
警告した後すぐ敵の二人がシュルク達の方へ向かう、私がそれを迎撃しようと銃口を向けると、残っていた者が私のアームキャノンにしがみついて来る!どういうことだ?何故自分の命を犠牲にしてまで彼らを殺そうとするのか......だがその解答を用意する時間は与えられていないようだ、銃口を塞がれては、敵を貫通出来る装備が無い為に迎撃が間に合わない、引き剥がそうとビームを連射するも、また別の敵が張り付いて離れず私にビームを撃たせまいとしてくる
何も気づかないシュルク達を切り刻もうと刃が迫る
サムス:採掘コロニーを防衛せよ 終了
コクピットを殴り倒すモーションはHALOシリーズのマスターチーフを想像していただければ分かりやすいと思います。