役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
「さて、何か仰りたい事はありますか?秋山さん」
「……」
「フフッ、ある訳が無いですよね。貴女は“招かれた”サンダース大学付属高校に行くためにサ◯クルKサ◯クスの輸送船に不法侵入を行った。これは紛れもない事実なのですから」
「ぁ……ぅ」
“招かれた”の部分で意地悪くケイ君をちらりと見た高島君が視線を戻すとカタカタと震えている優花里ちゃんに対し追及の手を強めています。
「証拠は有るのか!!と喚いてみますか?残念。船に設置されていた監視カメラの映像に貴女の顔がハッキリと映っていましたよ。それとも今度もまた……招かれたのですか?」
「あぁ……ぁ……」
まるで探偵のように証拠を並べ、時には挑発のような言葉を交えながら高島君がジワジワと優花里ちゃんを追い詰めていっています。
この絶体絶命の状況に杏ちゃんは腰に手を当てながら天を仰ぎ、ケイ君は悔しげに瞑目し、アリサ君は居心地が悪そうに俯いています。
「さて、言いたい事も無いようですし……これで私の話は(貴女達は)終わりです」
「あぁッ!!」
死刑宣告を満面の笑みで告げた高島君の傍ら。
みほちゃんの助けになればと思い、行った自分の行為で仲間(チーム)の未来を潰してしまったという罪悪感に苛まれ、瞳に溢れんばかりの涙を浮かべる優花里ちゃん。
そして、このお通夜のような空気の中、大洗女子学園は廃校が決定……――しません。
はい、私がさせません。
それに以前言ったように私は女の子の涙が見たくないんです。
「高島君」
「はい、何でしょう。局長」
こちらに振り返るなり褒めて褒めてと言わんばかりの満面の笑みを見せる高島君。
本来であれば私の事を考えて行動してくれた彼女を褒め労って上げたいのですが……。
今回はそういう訳にはいかないんですよね。
それに本当に申し訳無いですけど、ここからは私のターンです。ずっとね。
「学生の中には気弱な子もいるのです。その様に一方的な話の進め方では萎縮してしまって本当の事を言い出せなくなってしまいますよ」
「それは……どういう……」
「先程大洗女子学園とサ◯クルKサ◯クスに問い合わせてみました。そうしたら……彼女、秋山さんは不法侵入をした訳ではないそうです」
「「「「!?」」」」
「そ、それはどういう事ですか!?局長!?」
私の言葉に皆一様に驚いていますが、やはり高島君のリアクションが一番大きいですね。
ま、当然でしょう。自分が自信をもって集めた確固たる証拠が今まさに覆されようとしているのですから。
「実際はサ◯クルKサ◯クスへの短期職場体験だったそうです。つまり秋山さんは職場体験の休憩時間にサンダースを訪れていたのです」
「そ、そんなバカな!?私が確認した時にはそんな事……」
あぁ、我ながら苦しい設定ですね。
でも、もう根回ししちゃったからこれが事実になってるんですよね〜。ハッハッハッ。
……あー大変でした。親交のあるサ◯クルKサ◯クスの上の方に電話口で頭を下げまくって優花里ちゃんの行為を許してもらって、大洗の学園長に短期職場体験の書類をでっち上げてもらって。
本当に……顔が広くて助かりました。
ま、サ◯クルKサ◯クスの上の方――サンダースのOGの方には今度酒の席に付き合う事を確約させられてしまいましたけど……これで優花里ちゃん、引いては大洗の子達が助かるなら安いもんです。
「この話は事務方の手違いで関係各所に連絡が回っていなかったそうです。なので高島君が確認した時に出てこなかったようですね」
あ、不味い……不謹慎ですけど高島君を出し抜けた達成感でクールフェイスが崩れてニヤって笑っちゃっいました。
「局長……貴方はどうしてそこまで……ッ」
あー……今の笑いで高島君に大体の事がバレてしまったようです。
不味いですね、後でフォロー入れとかないと。
「ま、とにかくそういう事です」
「ッ、分かりました……秋山さん……この度は私の勘違いで失礼な事を申し上げてしまい、誠に申し訳ありませんでした。お詫び申し上げます」
「い、いえ……私は大丈夫ですから」
あらら、勝手に進む話に付いていけずに優花里ちゃんが一番混乱してますね。
そこはまがりなりにも堂々としていて欲しいのですが。
「それでは……お先に失礼します」
……何か、悔しさを滲ませて外に出ていった高島君の鬱憤の矛先が私では無く大洗の子達に向いているような気がしているのは私だけなのでしょうか?
ちょっと突っ込み所が多いお話になってしまいました。
後に大幅な修正をするかもしれません
m(__)m