役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
[from.常夫]
君は知ってるかい?
いや、知らないだろうね。
なんと!!みほが大洗に転校してからも戦車道を続けていたんだよ!!
しかも、戦車道大会に出場してあのサンダースに勝ったんだ!!
どうだ凄いだろ!!
イラッとする文面で……なんという周回遅れな情報を。
まぁ、常夫はしほさんに軟禁生活を強いられていますからね。
こんな古い情報をドヤ顔で送ってくるのもしょうがないですけど。
……でも、軟禁生活なのにどうやってこの事を知ったんでしょうか?
「……メールですか?」
私が携帯の画面に気を取られていたら、不満気な表情を浮かべたまほちゃんが更に擦り寄って来ました。
というか最早ベッタリと抱き付かれているんですけど!?
クソッ!!常夫のメールのせいで状況が悪化しました!!
余計な事しやがって!!
「えぇ、君のお父さんからです」
「お父様から?あぁ、でしたら内容はみほの事ではないですか?」
「そうですよ。よく分かりましたね?」
「船に乗る前に私がお父様にメールを送りましたから」
あぁ、それで。あ、また常夫からメールです。
[from.常夫]
それに僕がこの事をどうやって知ったと思う?
クククッ、聞いて驚くな?
なんとまほにメールで教えてもらったんだ!!
1年ぶりのメールだよ!!
……哀れな。どれだけ家庭内のヒエラルキーが低いんですか。
ん?またメールです。
[from.常夫]
グスン。
小さい頃は……お父様、お父様って僕に構ってくれたのに(泣)
最近はメールもくれなかったんだ。まほ。
……みほはもう1年半も送ってくれないけど。
んー。ヒエラルキーが低いというより、ただ単に居ない人扱いされているんでしょうか?
……よし。哀れな常夫に良いものを送ってあげましょう(ゲス顔)
「まほちゃん。ちょっといいですか?」
「なんでしょう?」
「君と一緒に写真を撮りたいんです。お願いしてもいいですか」
「……」
なんか、まほちゃんが無言でブンブンと首を縦に振ってます。
さて、まほちゃんの了解も得られましたし。
常夫に最高のプレゼントを送ってあげましょうか。
「じゃあ、撮りますよ」
「はい。あ、廉太さん」
「何ですか?」
「左手は、私の腰に回して下さい。あともっとくっついたほうが……」
「……」
不味い……常夫を元気付ける(笑)ためとは言え、よくよく考えたら私とんでもない事を言ってますし、思いっきり自分から地雷を踏んでます。
え、えぇい、ままよ!!ここで引いたら全てが無駄になってしまいます!!
前進あるのみ!!パシャリとな。
……ふむ。なんか予想以上に親しげな写真が撮れてしまいましたが、まぁいいでしょう。
この画像を常夫に送って……っと。
[from.廉太]
まほちゃんなら私の横にいるよ(笑)
なんて返してきますかね――って、もう来た。
[from.常夫]
貴様ァアアアアアアッ!!
みほだけでは飽きたらず、まほにまで手を出すつもりかァアアアアアッ!!
許さん、許さんぞォオオオッ!!
ハハハッ、役立たずが悔しがっていますね。
愉快、愉快。
まぁ何気に自分にもダメージがあった気がしないでもないですが、いいでしょう。
ん?また常夫からメールが来ましたね。
……何々?
[from.常夫]
ていうか廉太って2年前にまほの求婚断ってたよね?
あれ?断ったのに付き合ってるの?
実は付き合ってるの?
……常夫を凹まそうとしたら、超強力なカウンターパンチが私に飛んできた件について。
今後の展開をどうするか、思案中
(・ω・;)