役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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昔話

さて。何から話せばよいのやら。

 

とりあえず簡単に話を纏めますと……まほちゃんの16歳の誕生日をお祝いしに西住家に行った時にまほちゃんから結婚を前提にしたお付き合いを申し込まれたんですよね。

 

何故か。

 

私には思い当たる節が無いので、まほちゃんが何故そんな事をいきなり言い出したのかは未だに分かりませんが……。

 

唯一関係がありそうな事も……時間がある時はいつも戦車道の練習に付き合ったり、しほさんに叱られて落ち込んでいた所を慰めたり、家の事で相談に乗ったり、西住流という看板を背負わねばならない重圧を少しでも軽く出来るように色々な場所に連れて行ったり……ぐらいしかないですし。

 

まぁ、とにかく。あの時は本当に大変でしたよ(遠い目)

 

西住家のドン――かほさんは賛成に回りますし。

 

てっきり反対すると思っていたしほさんも条件付き賛成に回りますし。

 

反対に回ったのが賛否権を持たない常夫だけという状況でしたから。

 

ちなみにみほちゃんはこの事を知りません。

 

みほちゃんが寝た後、夜中にあった話ですから。

 

そして結果は当然――丁重にお断りしました。

 

いや、もちろん。まほちゃんから婚約の話を持ち掛けられた時は死ぬほど嬉しかったんですが。

 

思わず大声で、はい!!って言いそうになるぐらい。

 

でもですね、原作の事がありますし。原作の事を抜きにしても年齢差がありすぎますし。

 

お受けする事は出来ませんでした。

 

まほちゃんもきっと身近にいた私(異性)に抱いた親愛を恋心と勘違いしただけでしょうから。

 

それにですね。あの時のまほちゃんはちょっと怖かったんですよね。

 

……何故か手元にMG34機関銃を置いていたので(震え声)

 

しかも、ベルトリンクで繋がれた実弾が給弾口から垂れている奴を。

 

実弾装填済みのMG34機関銃なんて、何に使うつもりだったんですかねぇ?

 

というか、MG34機関銃は明らかにティーガーIから持ち出してきた奴ですよね。

 

かほさーん。

 

しほさーん。

 

貴女達の娘(お孫)さんが、凄く恐ろしい事を実行しようとしていますよ!?

 

有無を言わさず首を縦に振らそうとしてますよ!?

 

え?これが西住流交渉術だって?

 

当時そんな事を言われた私は震えながら黙るしかありませんでした。

 

「廉太さん」

 

げに恐ろしき西住一族。

 

いや、流石西住流の本家というべきでしょうか。

 

あんな交渉術があるなんて……交渉じゃなくて脅迫ですけどね、アレは。

 

「廉太さん」

 

「え、あ、何でしょう。まほちゃん」

 

「この写真はなんですか?」

 

私が過去の回想に浸っている間にまほちゃんが私の携帯の画像フォルダを検閲してました。

 

いつの間に取られたんです!?

 

というか、まほちゃん。人の携帯は勝手に覗いちゃいけませんよ?

 

そして、暗い瞳で私を見詰めながらプラウダ高校のカチューシャ君を肩車している写真を突き付けないでください。

 

お願いです。


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