役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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私生活にようやく若干の余裕が出来てきた……気がする。
(;´д`)

後書きにオマケがあります。



戦いの最中

さてさて。

 

現在、大洗とプラウダによる試合が原作通りの展開を辿り、待ち伏せていたプラウダに包囲され集中砲火を浴びた大洗が何とか廃教会?に逃げ込んで籠城に成功した所なのですが。

 

「このまま……このままッ!!」

 

……横で試合を観戦している高島君が少し怖い。

 

まぁ、大洗の負けを望む高島君の立場的にはまたとない展開ですからね。

 

このままの勢いでプラウダに勝って欲しいと思うのは当然でしょう。

 

それにしても……やはりというか、天候が悪化してきましたね。

 

雪が本格的に吹雪いています。

 

『観客の皆様にお知らせ致します。ただいま、試合を続行するか協議しております。繰り返します――』

 

「なっ!?ここで中断などされてしまっては折角の好機が台無し――ゴホン。……すみません、局長。状況を聞きにちょっと行ってきますね!!」

 

あらら……アナウンスを聞いた高島君が天幕を飛び出して行ってしまいました。

 

大会本部にこのまま試合を続けるように言いに行ったんですかね?

 

しかし、昨年のみほちゃんの件以降、安全管理には神経を尖らせるように私が根回しをしていますから関係者とはいえ外部の人間である高島君が何かを言っても取り合ってもらえないはずなんですが。

 

……まぁ、少ししたら戻ってくるでしょう。

 

っと、なら今のうちに電話をしておきましょうか。

 

鬼の居ぬ間になんとやらです。

 

「――もしもし、私です。そちらの準備はどうなっていますか?……そうですか。それは重畳。では彼女達の元へ運んで下さい。……問題ありません。既に手を回して大会本部の許可は取ってありますから。あぁ、それとくれぐれも私の名前は出さないようにお願いしますよ。……え?あぁ、いいんです。プラウダ側にも届けて下さい。カチューシャ君達にはあまり必要とされないでしょうが、後からこの支援物資の差で試合が左右された等と外野からいちゃもんをつけられては厄介ですからね。……えぇ、では頼みましたよ」

 

ふぅ……これでよし。

 

原作通りならみほちゃん達は空腹と寒さで士気が落ちているはずですからね。

 

私が準備した食料と暖房器具で少しでも元気になってくれれば言うことはありません。

 

大洗side

 

「西住殿、こっちの鉄板ナポリタンも美味しいでありますよ!!一口いかがです?」

 

「ありがとう、優花里さん。……本当だ。美味しい」

 

「でしょう?アンツィオ高校に潜入した時に食べたのと同じぐらい美味しいであります」

 

「そうなんだ。――あれ?」

 

「……うーん」

 

「どうしたんですか、会長?」

 

「あぁ、西住ちゃん。いやね……誰がコレを差し入れてくれたのかって考えてたんだ」

 

「あぁ、そう言えば運んできてくれた人は送り主の事を言っていませんでしたね。一方的に私達に渡すだけ渡してすぐに帰ってしまいましたし」

 

「そうなんだよねぇ〜送り主にお礼を言いたかったから誰なのか聞き出そうとしたんだけど、頑なに教えてくれなかったし……本当に誰が差し入れてくれたのやら、この暖房器具とイタリア料理の山……」

 

「謎ですね……」

 

「――西住。空腹と寒さが無くなった今のうちに皆の士気をもっと高めておけ。隊長だろ」

 

「は、はい」




諸事情により、ボツにしたifルート。


――……えぇ、では頼みましたよ」

ふぅ……これでよし。

原作通りならみほちゃん達は空腹と寒さで士気が落ちているはずですからね。

私が準備した食料と暖房器具で少しでも元気になってくれれば、言うことはありません。

うん?電話が……非通知?誰でしょうか?

「はい、もしもし」

『……』

「もしもし?」

『……おじさん?』

………………ッ!?

み、み、み、み、み、み、み、み、みほちゃんッ!?

何故、私の電話番号を――って、自分から教えたんだった!!

不味いぞ!!

このタイミングでの電話は本当に不味い!!

だって、時系列的にみほちゃんが廃校の事実を杏ちゃんから知らされた後だから!!

『あの……私達の学校が無くなるって、本当なんですか?』

ほら、来た!!

「い、いや、その……」

ど、どうしよう!?

なんて答えたらいいんだ!?

『どうして無くなるんですか?』

「わ、私も廃校にはしたくないのですが、お、大人の事情というものがありまして……」

ぐぉおおおーーーーッ!!

みほちゃんの悲しそうな声が心に突き刺さるッ!!

『どうにかならないんですか?おじさんが大洗をオススメしてくれたお陰でようやく私の居場所と私の戦車道を見つける事が出来たんです!!だから!!グスッ、お願いです!!大洗を廃校にしないで下さい!!』

グスッ?

みほちゃんが泣いている?

“泣いている”だと?

「――分かりました。何とかしましょう」

『えっ?おじさ――』

ハハッ、ハハハハハ……。

私は何をしていたんだ……。

あの子に涙を流させるなんて……。

――うぁおおおおおッ!!

文部科学省がなんぼのもんじゃい!!

廃校なんてやらせはせんぞぉおおおお!!





もう1つオマケ。


うん?電話が……非通知?誰でしょうか?

「はい、もしもし」

『おじさん?』

「ッ!?」

『私達の学校が無くなるって、本当なんですか?』

「そ、それは……」

『嘘ですよね?』

「え?」

『廃校なんて嘘ですよね?』

「み、みほちゃん?」

『廃校にはならないですよね?』

「……」

『ならないですよね?』

「……ぁ」

『“ならない”ですよね?』

「ア、ハイ。ナラナイデス」

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