役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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一週間後ぐらいに投稿する予定だったのですが、知らぬ間にお気に入り登録が5000以上(皆々様、本当にありがとうございますm(__)m)というトンでもない事になっていたので、急遽投稿。

その嬉しさからか……数行でさっと終わらせる予定のモノが……膨らみに膨らんで、こんな事に
(;´д`)


策士、現わる

はぁ……ようやく家に帰れます。

 

大会の結末が原作と少し違っていたり大臣からの電話があったりと、いろいろあったせいで今日は疲れました。

 

明日からは高島君を巻き添えにしないために書類の修正と根回しに奔走しないといけないですし。

 

エキシビションマッチが行われるまでそれほど時間があるわけでもありませんから。

 

それにしても……マナーモードにしてあるプライベート用の携帯のバイブが止まらないんですが。

 

さっき恐る恐るチラッと見たら……みほちゃん、麻子ちゃん、優花里ちゃんからの電話・メールの着信が山のように入ってました。

 

出たい(返信したい)のは山々なんですが、今のタイミング的に電話に出る訳にはいかないんですよね。

 

3人には申し訳ないですけど、エキシビションマッチが終わるまで待ってもらうしかありません。

 

まぁ……エキシビションマッチが終わったら終わったで、また出れないんですけれども。

 

しかし、みほちゃんからの電話の回数がやけに多いですね。

 

何かあったんでしょうか?

 

って……あれ?私の家の前に誰か居ますね。誰でしょう?

 

こう言っては何ですが、私は郊外の更に奥の方に住んでいますから訪ねて来る人なんか滅多にいないはずなんですけど。

 

何か大荷物を持って――って、まさか……あれはまほちゃん!?何故私の家の前に!?

 

「あっ……廉太さん。こんばんは」

 

こんばんは。じゃないよまほちゃん!?

 

「ど、どうしたんですか?まほちゃん。こんな所へ……それにその大荷物は……?」

 

「その……実は廉太さんにお願いがあるんです」

 

「お願い?」

 

「はい。しばらくの間、廉太さんの家に泊めてくれませんか?」

 

「……」

 

は?今、何と?

 

「廉太さんも知っているとは思いますが、今日の決勝戦で私達の黒森峰はみほ達の大洗に負け優勝を逃しました。ですから……私は熊本に帰れないんです。お母様に会わせる顔が……」

 

あ、あぁ……そういう事でしたか。

 

「だ、大丈夫ですよ!!試合の様子はテレビで見ていましたが、まほちゃんの戦い振りに落ち度など全くなかったのですから。しほさんも今日の試合で怒る事はありませんよ」

 

「しかし……西住流は勝つ事が全て。負けた私に居場所は……ですからほとぼりが冷めるまで泊めてくれませんか?」

 

「そ、そう言われましても」

 

「ダメ……ですか?」

 

うぅ……そんな捨てられた子犬のような目で見つめられると……はぁ。

 

断れないじゃないですか。全く、しょうがありませんね。

 

可愛い姪っ子分の頼みとあらば致し方ありません。

 

私は家の横にあるガレージで寝ればいいですし、少しの間――……あれ?ちょっと待った。

 

まほちゃんは黒森峰の学園艦で生活していますから、今すぐ実家に帰る必要は無いですよね?

 

「まほちゃん?」

 

「……何でしょう?」

 

「君は学園艦の寮で暮らしていますから帰る場所はありますよね?」

 

それにいざとなれば東京に住んでいる私の所では無く、熊本に実家があるエリカ君の所に行けばいいんですから。

 

あの子ならまほちゃんが泊めて欲しいと言えば、大喜びしてまほちゃんを部屋に招き入れるでしょうし。

 

「……チッ」

 

舌打ち!?やっぱり計画的な行動でしたね!!危ない危ない。

 

情にほだされて家に上げていたら、きっとそのまま居付くつもりでしたよこの子。

 

やはりしほさんの子供ですね。恐ろしい。

 

「まほちゃん。送りますから学園艦の寮に帰りなさい」

 

「廉太さん。それは無理です」

 

「へ?」

 

「学園艦行きの終船はもう出ています」

 

「うっ!?じゃ、じゃあ、空から――」

 

「今日の天気予報によると1時間後には天候が急激に悪化し、台風並の暴風雨になるそうです。ですから今からではもうヘリや航空機は使えません」

 

「……」

 

その満面の笑み……謀りましたね!?この子、全部計算してから来てますよ!!

 

常夫をモノにしようとしていた時のしほさん並みですよ!!

 

「だから廉太さん。泊めてくれますよね?」

 

「ホ、ホテルを用意してそこに送りま――」

 

「今廉太さん以外の人に会うと悲鳴を上げてしまうかもしれません」

 

鬼ですか、君は!!そんな事されたら捕まりますよ、私!!

 

……全く。こうなってしまったらまほちゃんは引くことをしないですからね。

 

私が妥協するしかありません。

 

「……しほさんに連絡してOKが出たのなら一晩だけ泊まってもらって構いません」

 

えっと、しほさんの電話番号は……。

 

「あぁ、お母様に電話をしても無駄だと思いますよ」

 

無駄?何で――……って繋がらない……?

 

あ!!あの人、あの賭けの事を言われたく無くて居留守使ってますね!?

 

子供ですか、あの人は!!

 

……しょうがない。常夫にメールでこの事を知らせておきますか。

 

「……1日だけですよ?」

 

「分かりました」

 

はぁ……完敗です。というかアグレッシブに攻めて来るのはいいんですけど。

 

これでもし私が捕まったら元も子も無いと思うんですが。

 

……恋する乙女は盲目で強しという事ですかね。




カットするつもりのお泊まりの様子は……どうしよう……。

番外編で完結後にでもやりましょうかね。
(´∀`)

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