役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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ようやく劇場版にまで漕ぎ着けました。
(´∀`)

というか、劇場版前だけで43話も書いたのか……。


劇場版

とうとうこの日がやってきましたか。

 

ザ・エキシビションマッチ!!つまりは劇場版開始!!

 

胸が高鳴り――ません。残念な事に。

 

何故なら私はこれから大洗の廃校が決定した事を学園艦の住人の方々に説明しにいかなければいけないので。

 

あぁ……気が重い。かつて経験した学園艦の廃校における住人説明会の様相を思い出しただけで胃がキリキリします。

 

……ん?あれは。

 

「すいません、高島君。車を止めて下さい」

 

「え、あ、はい。……どうかされましたか?」

 

「いえ、ちょっと。すみませんがここで5分ほど待っていてくれませんか?」

 

「分かりました」

 

偶然にもちょっと話をしておかなければいけない人物を見つけたので少しだけ寄り道をしましょう。

 

「あ……局長さん。こんにちは」

 

「こんにちは、アキ君。……エキシビションマッチの参加を断ったそうですね?」

 

「参加すればいいってもんじゃないからね」

 

ミカ君は相変わらずの調子ですね。ま、それはさておき本題に入りましょうか。

 

「そうですか。君達の活躍を見たかったのですが。あ、そうそう。時にミカ君?」

 

「なんだい?」

 

「最近、何やらティーガーIIを手に入れたとか」

 

「あぁ、そうだね。チームのみんなが喜んで乗り回しているよ」

 

「ちなみに、そのティーガーIIはどうやって手に入れたんですか?」

 

「……風に乗ってやって来たのさ」

 

ポロロンじゃないですよ、ミカ君。

 

総重量が約70トンもある物体が風に乗る訳が無いじゃないですか。

 

「ほぅ……風に乗って。そうですか、そうですか。では……私の家のガレージからちょうどティーガーIIが消えている事について何か知っていることは?」

 

「……」

 

「ちょ、ちょっとミカ?あのティーガーIIは鹵獲したとか言ってたけど……まさか……」

 

ミカ君。君、表面上は飄々としてますが額から汗が大量に流れ落ちていますよ?

 

……多少の後ろめたさはあるようですね。

 

「アキ、局長。大事なのはどこにあるかじゃない。戦車が戦車として使われているかどうかだよ」

 

「はぁ……」

 

はい、有罪(ギルティ)開き直ればいいってもんじゃないんですがね。

 

「もう!!ミカー!!“また”局長さんの所から勝手に借りてきたのっ!?」

 

一言言ってくれれば貸すのに何故にこの子は勝手に持っていくのでしょうかね。ついでに燃料とかも。

 

ちなみに今までにもⅢ号突撃砲やT-34-76を持ってかれています。

 

なので現在私の家にあるⅢ号突撃砲とT-34-76は初代ではなく2代目の車両達です。

 

「アキ、違うよ。借りたんじゃない。あれは鹵獲したのさ」

 

遂に堂々と盗みました宣言が……。

 

「尚更ダメじゃないの!!」

 

「鹵獲――」

 

「それがダメだって言ってるの!!局長さんには色々と助けてもらっているのに何度もこんな事して!!」

 

「確かに。局長には色々と助けてもらっているね。でも、これからは私達が局長を助けるかもしれないだろう?」

 

「助け合いが大事だって言いたいの?」

 

「そうだね」

 

「助ける当てはあるの?」

 

「……時が来れば風が教えてくれるさ」

 

「当ても無いのに局長さんの家から戦車を持ってきちゃダメでしょ!!」

 

やれやれ。ミカ君もアキ君の説教で懲りてくれればいいのですが。

 

……前科がありすぎて期待はこれっぽっちも出来ませんけどね。

 

「全く……ミカ君?これから事前に話を通して下さいね」

 

「善処するよ」

 

「もう、ミカ!!すいません、局長さん」

 

何だかミカ君の行動に振り回されているアキ君が可哀想になってきましたね。

 

ふむ。そろそろ時間もきていますし、ここらへんで話を切り上げますか。

 

「まぁ、最早いつもの事ですからね。慣れましたよ。ハハッ」

 

「ほら、言っただろアキ。局長は許してくれるって」

 

「ミカ?」

 

こんなドスの効いた声がアキ君から出るんですか……怖い。

 

「……」

 

都合が悪くなるとミカ君はポロロンで逃げますね。

 

「さて、そろそろ行かなくては」

 

「あ、そうなんですか?本当にごめんなさい。ティーガーIIは今度返しに――」

 

「いや、あれはそのまま君達で使ってもらって構いません」

 

「え?でも……前もそう言ってⅢ号突撃砲やT-34-76を寄贈してもらったのに」

 

「私の家にあっても飾られているのが関の山ですからね。君達に使ってもらった方がティーガーIIも喜ぶでしょう」

 

それにあのティーガーIIは元々どこかの戦車道チームにあげるつもりでしたし。

 

「本当にいいんですか?」

 

「えぇ」

 

「じゃあ、お言葉に甘えて。本当にありがとうございます」

 

「いえいえ。あぁ、それとミカ君」

 

「なんだい?」

 

「戦車の事は良いとしても、冷蔵庫の中身を全部持っていった事については後で説教です」

 

「……」

 

だからポロロンじゃないですよ。

 

はぁ……さてと。説明会に行きますか。




やはり劇場版で初めて登場したキャラクターを書くのは難しい。

ちなみに、ニコニコ動画に上がっていた試聴版を聞いてクラーラがヤバイキャラだという事は理解しました。((((;゜Д゜)))

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