役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
これでよし。
ほぼ無人となった大洗の学園艦が出港したのを遠くから見届けた後、文科省に戻り様々な書類処理や各部署への連絡に追われていましたがようやく一息つけます。
遅い夕飯でも食べてきますかね。
あ、ケイ君からメールが来てます。えーと?何々……ミッションコンプリートですか。
ふむ。無事にみほちゃん達の元へ戦車を送り届けてくれたみたいですね。
なら残すは事の後始末のみですか。
と言っても必要な書類は作成してありますし、なおかつ手も回してありますから後始末自体はほぼ終わっていますけどね。
しかし、万が一にもケイ君達が不利益を被る事がないように念には念を入れておきましょうか。
「局長!!大変です!!機体の異常により運搬中の戦車が海上で放棄されたとの連絡が!!」
……とりあえず今は偽の報告を受けて慌てている高島君を宥める事にしましょう。
「ふぅ、良かった。待ち合わせの時間には十分間に合いますね」
あ〜本当にもう。千代さんは無茶を言ってくれます。
大洗の件が一先ずの決着を見てから数日しか経っていないのに愛里寿君をボコミュージアムに連れていけだなんて。
いや、まぁ……愛里寿君とボコミュージアムに行くのは嫌じゃないんですがね。
あんな可愛い姪っ子分と一緒に居るのは心が安らぎますし。
それに唯一の懸念事項だった“あの話”の真相も分かりましたし。
……やっぱりね、おかしいと思ったら千代さんが裏で糸を引いてました。
あの話が持ち上がる以前に2回程、私が愛里寿君との約束をすっぽかした(急な仕事で)事が原因だったらしいのですが……。
結婚したらいつでもボコミュージアムに連れて行ってもらえると千代さんが愛里寿君に吹き込んだそうです。
それを受け純真無垢な愛里寿君は、結婚=いつでも遊べる仲という誤解をし、あの話に繋がったという顛末だったそうで。
その事について千代さんに詰め寄ったら「恋愛に年齢は関係ないのよ」とか「数年後を楽しみにね」とか、よく分からない話で煙に巻かれてしまいました。
全く、千代さんには困ったモノです。
っと、そうこうしている間に待ち合わせ場所に到着しましたが……愛里寿君は何処に?
あ、居ました。
「おじさま!!」
うーん、花が咲いたような笑みを浮かべて駆け寄って来る姿が本当に愛らしい。
「お待たせしてしまいましたね。申し訳ない」
予定より早く来たのですが、愛里寿君の方が早かったみたいですね。
「いえ、私も今着いた所です」
「そうでしたか」
……そうは言っても。愛里寿君、額に若干汗が滲んでいますよ?
うーん。愛里寿君に気を使わせてしまうとはやはり私はまだまだですね。
「あ、そうそう。くろがね工業との試合お疲れさまでした。素晴らしい戦いぶりでしたよ」
「ありがとうございます。でも、まだおじさまのようには……だから、また一緒に練習してくれますか?」
「えぇ、もちろん」
「良かった」
あぁ〜可愛いですねぇえ〜。
不安げな表情+上目遣いからの笑顔は反則です。
これを食らって首を横に振れる人なんて居るのでしょうかね?
「さ、それじゃあそろそろ行きましょうか」
「はい!!」
さて、ボコミュージアムに向け出発。
昨日届いた『皆さんお疲れ様でした本』の内容を読んで、プロットの変更と修正を行っているので、またちょっと空くかもです。
(;´д`)
……上手くいけば来週中に投稿する予定です。