役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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※愛里寿視点です。

劇場版をご覧になって頂いてない方だと、どんな場面なのかが分かりにくいです。
(;´д`)

またBC自由学園の事が中心のお話になっていますが……極論を言いますと、この話は愛里寿に最後のセリフを言わせたかっただけです(汗)


過去

愛里寿side

 

『徹底的に叩きのめしなさい。西住流よりも島田流の方が優れているという事を証明するために』

 

「……試合の件は承知しました。私もお願いしたい事が」

 

おじさまがこの前の(ボコミュージアムの)埋め合わせをしてくれる日と試合が被るなんて……。

 

おじさまが言っていたように日時をもう少し先にずらしておけばよかった。

 

『お願い?』

 

「私が勝ったらボコミュージアムのスポンサーになって欲しいんだけど。このままでは多分廃館になっちゃうの」

 

でも、お母様にスポンサーになってもらうようにお願いするには絶好のチャンス。

 

おじさまとの思い出がたくさん詰まっているボコミュージアムを失わないためにも、この機会を逃す手は無い。

 

それに……私が西住流に勝てばおじさまは私の事をもっと気にかけてくれるはず。

 

『しょうがないわね』

 

「お母様、ありがとう。……それと1つ聞きたい事が」

 

『何かしら?』

 

「万が一私達が負け大洗の廃校が撤回された場合、おじさまはどの様な不利益を被るのですか?」

 

『……藪から棒にどうしたの?』

 

「いえ、ただ……おじさまが過去に今回と似たケース――BC高校と自由学園の統廃合に携わった際に大変な目に合ったとアズミから聞いたので気になったんです」

 

負けるつもりは毛頭無いけれど、万が一の場合のリスクは把握しておかないと。

 

おじさまが関係する事だから尚更。

 

『…………そう。知ってしまっているのなら仕方ないわね。じゃあ貴女の質問に答える前に、まずはあの件の事から説明しましょうか』

 

「お願いします」

 

アズミはおじさまに口止めされているからって肝心な所を教えてくれなかったけど、あの様子からして一大事が起きていたはず。

 

『あの一件はね、辻さんが統廃合に反対するBC高校と自由学園の生徒達に味方して計画そのものを廃案にしようとしたの』

 

「生徒達に味方?……具体的には何をしたの?」

 

『今回のように戦車道の試合を設けてBC高校と自由学園の両校に統廃合を阻止するチャンスを作ったのよ。それも相当な無茶をして。だけれど……残念な事に結果は失敗。連合を組んで格上のチームに挑んだ生徒達はチャンスを生かせず敗北し統廃合は実行されたわ。……でも、怪我の功名とでも言うのかしらね。BC高校と自由学園の生徒達が同じ目的のためにお互いの力を合わせて戦った事で、双方が意気投合したの。そのお陰で統合計画が実行されても両校の間には軋轢が生まれる事なく順調に統合が進んだわ。……まぁ、それも辻さんの思惑通りの事だったのかもしれないけど』

 

「しかし、お母様。統廃合が行われBC自由学園となったBC高校と自由学園の生徒や住人は学園艦の右舷と左舷に別れて暮らしていると聞きましたが」

 

私の知っている事が正しければ、双方に溝があるという事では?

 

『それはお互いを尊重しての事よ。それまで両校で培われてきた伝統や校風を失わぬようにという配慮。それを一番表しているのが彼の高校の戦車道チームね。書類上はBC自由学園という1つの戦車道チームでも、実際はBC高校と自由学園の伝統を踏襲している2人の隊長とその仲間達で構成されている2つで1つの特殊なチームこれは貴女も知っているでしょう?』

 

「はい」

 

高校生との試合はしたことがないけれど、大学選抜チームの中にアズミを初めとしたBC自由学園のOGが何人かいるから特異なチームだという事は少しだけ聞いた事はある。

 

『話が少し逸れてしまったわね。ゴホン……そうして結果的には上手く統廃合は進んだのだけれど、上層部の意向であった統廃合に異議を唱えた辻さんの立場が悪くなってしまったの』

 

「それで……おじさまはどうなったのですか?」

 

『一時はクビがあり得たのだけど、当時の佐藤大臣が事を取り成してくれたお陰で何とかなったの。……でも今はもう佐藤大臣は居ないわ』

 

「では……」

 

『えぇ、貴女の質問の答え……貴女が試合に負けた場合、辻さんはクビになる可能性が高いわ』

 

「そんな」

 

『でも、それは貴女が負けた場合の話。相手の隊長より経験も実力も貴女の方が上なのだから心配する必要は無いわ』

 

「……はい」

 

この試合、何が何でも勝たないと。

 

『あぁ、それから貴女が試合に勝ったら島田流へ来てもらうという約束を辻さん本人に取り付けたわ』

 

「本当ッ!?」

 

今までいくらお願いしても聞いてくれなかったのにどうして!?

 

いや、今までの事はもういい。

 

重要なのは私が試合に勝ったらおじさまがウチに来るという事実だけ。

 

『えぇ、本当よ。だから頑張るのよ。試合に勝って辻さんを助けて上げて。それが貴女のためにもなるから』

 

「分かりました!!お母様、ありがとう!!」

 

おじさまが島田流に……フフッ。

 

「大丈夫、私が助けてあげるからね。おじさま」




愛里寿のやる気が天元突破。

さてはて、肝心の試合はどうなってしまうのか。
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