役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
(;´д`)
ルミside
……驚いた。
「このまま何事も無く試合が始まるとは思っていなかったけど」
「まさか強豪校が揃いも揃って助っ人にやって来るなんて」
「さしずめ高校選抜チームと言った所かしら。フフッ、昔を思い出すわね」
にしても……コーチの教え子が多い。
それにコーチの愛弟子と噂されているあの西住姉妹が揃っちゃったし。
この試合……ちょっとばかり苦戦するかも知れないな。
「けど、この展開は私達に取っても好都合。少なくとも車輌の数は互角になったんだし」
「えぇ、そうね。これで私達も」
「何の気兼ね無く本気が出せるわ」
という事で全力で相手をしてあげよう。
しっかし、流石はコーチ。こんな熱い展開を用意されたら誰も断れないって。
「……蝶野審判長。宜しいでしょうか?」
あれ?愛里寿隊長どうしたんだろ。審判長に声掛けてるけど。
「はい、何でしょう?」
「大洗チームの試合開始直前の選手増員に異議を申し立てます」
え゛?
役人side
何故です?何故、愛里寿君がまほちゃん達の試合参加に異議を申し立てるんです?
原作では『我々は構いません。受けて立ちます。試合を始めて下さい』と軽く流していたはずなのに……。
どうしてこうなったんです?一体何が原因なんです!?
一体……一体何でこんなイレギュラーが起きたんですかー!!
「――長」
「……」
「局長!!」
「はっ!?」
いけません。予想外過ぎる事態についついポルナレフ状態に陥ってしまっていました。
しっかりせねば。
「どうかされたのですか?電話に出られてから呆然とされていましたが……」
「いやいや、何でもないですよ。何でも。ハハッ」
「はぁ……ならいいのですが」
ふぅ。とりあえずは誤魔化せましたが……とにもかくにもこの状況を高島君に気取られないようにしなければなりません。
気取られたが最後。高島君は鬼の首を取ったように嬉々としてまほちゃん達を追い出しに掛かるでしょうから。
……となると。この場にて電話口越しに愛里寿君を説得して今の流れを原作通りの流れに修正しないといけませんね。
本当なら直接顔を会わせて説得を行いたい所ですが……このタイミングで私がこの場を離れようものなら何かと目敏い高島君が状況を察知してしまうでしょうし。
難儀なものです。まぁ、とにかく愛里寿君と話をしなければ。
……愛里寿君との会話を高島君に聞かれないよう少し離れておきましょう。
「蝶野一尉。申し訳ないのですが愛里寿君に電話を代わってもらえますか?」
『分かりました』
さぁて、ここからが正念場です。
「……もしもし、愛里寿君?」
『はい。何でしょう、おじさま』
「大洗の選手増員に異議を申し立てたと聞きましたが……」
しかし……よくよく考えてみると愛里寿君が異議を申し立てた理由とは何なんでしょう?
『はい、その通りです。……ダメでしたか?この試合を速攻で片付ければボコミュージアムの閉館時間にギリギリ間に合うので、おじさまと一緒に行きたかったのですが』
理由ってそれですか!?今日のボコミュージアム行きを諦めてなかったんですか!?
……いや、逆にボコミュージアムに行きたいという理由だけで選手増員に異議を申し立てているのであれば説得は容易いはず!!
これは好都合かもしれません!!
「あ、愛里寿君?例え試合がすぐに終わったとしても30輌もの戦車の撤収には時間が掛かりますから、今日のボコミュージアム行きはちょっと厳しいと思うのですが……」
『はい。ですからアズミ達にはこの後すぐに撤収準備に入ってもらおうと』
「……?」
この後すぐにとは……どういう事です?
『たった8輌しかいない現状の大洗のチーム程度であれば私のセンチュリオンだけで蹴散らせますから。それにそうした方が島田流の凄さを世間にアピール出来きますし、数の差の事でおじさまが誤解を受けずに済むかと思って』
え?チームじゃなくて単騎で挑むつもりだったんですか?え?何それ、怖い。
そして、それは無理ですよ。と言えない所が一番怖い!!
というか千代さんの期待に応えつつ私の事まで考えてくれているのは嬉しいのですが、それをされたら完全に原作が崩壊してしまうぅッ!!
せ、説得……絶対に説得せねば!!
「あ、愛里寿君。勝手な事を言って申し訳ないのですが大洗の選手増員を認めてあげてくれませんか?」
『どうしてですか?』
「その……このような事態は完全に予想外(大嘘)なのですが、よくよく考えてみると願ってもないチャンスなのです」
『チャンス……ですか?』
「えぇ、愛里寿君の大学選抜チーム。そして図らずも高校選抜チームのような形になった大洗チームとの試合。これを行う事で本日来ている外国の報道機関を通し日本戦車道の技量の高さを世界に見せ付けると同時に優秀な人材がいるという事を盛大にアピールする事が出来ますから、上手く行けば世界大会誘致に大きな弾みがつきます」
咄嗟に思い付いたそれらしい理由ですけど……これでどうにか納得してくれないでしょうか。
『分かりました。そういう事でしたら異議を取り下げます』
「ありがとうございます。こちらの勝手で何度も振り回してしまい申し訳ない」
良かった。愛里寿君から是の答えが出ました。
しかし、怖いぐらいにすんなりと話が――
『いえ、構いません。ところで話は変わるのですが……おじさまはこの試合どちらを応援するつもりなのですか?』
――終わって無かった(絶望)
今一番聞かれたくない質問が、よりにもよって愛里寿君の口から出て来てしまいましたよ!!
「そ、それは……もちろん」
『もちろん?』
こ、ここはどちらも応援しているという本心を言いたい所ですが……立場上それは言えません!!
というか、愛里寿君は何故こんな質問を?
「愛里寿君……ですよ?」
『ありがとうございます。おじさま。……フフッ、だそうです』
ちょっと待ったぁああ!!だそうですって、誰に言ったんですか!?
まさか……みほちゃんに!?違いますよね、愛里寿君!?
通話モードをスピーカーにして今の会話をみほちゃんに聞かせていたとかじゃないですよね!?
って、電話切られてる!?
あわわ……何だか大変な事になってしまった気が……。
やってやる〜やってやる〜やーってやるぞ〜邪魔なアイツ(恋敵)をボコボコに〜♪
これが執筆中に頭を過ったんですが……割りとシャレになってない(汗)