役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

66 / 79
お待たせ致しました。
m(__)m

リアルの方で色々あったり、話の構成に迷っていたりしたせいで予定よりかなり遅れましたが、とにもかくにも更新です(´∀`)

……暗躍回のつもりですが、言うほど暗躍させれなかったのが心残りです。




布石

愛理寿side

 

あ……試合開始の合図。

 

『始まりましたね。それで……どうします、隊長?』

 

『高校生とは言え相手はかなりの戦力を有しています。それに技量の面でも中々侮れないかと』

 

この試合……おじさまの期待と応援を無駄にするわけには行かないけど、あまりに一方的な試合展開だとおじさまの目論見を邪魔してしまうから……正攻法で少し様子を見てみよう。

 

「分かっている。だからまずはプラウダと黒森峰の重戦車を潰す。アズミとルミの中隊は私と共に広く長い一列横隊を形成してゆっくり前進。側面からの強襲に注意しろ。偵察車は敵と遭遇しても攻撃をするな。各車前進」

 

とりあえずプラウダと黒森峰の重戦車さえ潰してしまえば後はこちらの思い通りに出来るはず。

 

それに……おじさまが私を応援すると言ってくれた時に黒森峰の隊長が冷静さを欠いていたから、攻めるなら今。

 

『こちらルミ、了解』

 

『アズミ、了解しました。前進開始』

 

『メグミ、中隊を変進させます』

 

「……接触は早くて20分後」

 

この試合に勝っておじさまは私が、島田流がもらう。

 

役人side

 

さて。何はともあれ遂に運命の試合が始まった訳ですが……両チームが接触するまで20分ぐらいありますし、今のうちに色々と確認しておきましょうか。

 

えーと。まずはテレビの方から。……ふむふむ、こちらは予定通りですね。

 

タイムリーな問題なだけあって、どのニュース番組も大洗の話題で持ちきりです。

 

あ、それに私がリークした牟田大臣の愛人問題が今まさに速報で報道され始めました。

 

うーん。とても愉快な状況になっていますね(ゲス顔)

 

まぁ、牟田大臣の事はどうでもいいとして。

 

お次はネットの掲示板の方を見てみましょうか。

 

……うーむ。こちらも予定通りと言えば予定通りですね。

 

事前に色々と煽っておいたお陰で私と牟田大臣の誹謗中傷で溢れ返っています。

 

これだけ善悪の構図をハッキリさせておく事が出来れば上々でしょう。

 

……しかし気になる事が1つ。

 

キジカクシとクラレットというハンドルネームのお二人が恐ろしいほど私の事を賛美・擁護しているんですけど。

 

これはどういう事なんでしょうか?

 

それによくよく見てみると他にも私の事を擁護している勢力が居るような感じが……この方達は一体?

 

「――流石は大学選抜チーム。序盤から圧倒的ですね。3つに分けた隊の内、左翼の隊では足止めを行い右翼の隊では戦線の突破を敢行。そしてあの車輌での奇襲攻撃で大洗チームが混乱している間に後方へと回り込んでいた右翼の隊と本隊で高地に陣取った大洗の中央集団を挟撃した後、追撃戦を開始。これら一連の展開でチハ2輌とパンター2輌、そしてプラウダ勢4輌の内T-34-85、IS-2、KV-2の3輌を撃破しながら被害はパーシング3輌のみ。フフッ、大洗チームも必死に抵抗しているようですが最早大勢は決しましたね」

 

「いや、まだまだ始まったばかりですよ。試合は、戦車道はここからが本番です」

 

えー試合が始まり少し経ちましたが……現時点では高島君が言ったように原作通りの流れで進んでいます。

 

ですが……両チームの砲撃(攻防)が激しくなっているのは元より、大学選抜チームの右翼を担当していたアズミ君が原作通りに知波単勢を蹴散らして戦線を突破しようとした際、ケイ君のガードに阻まれて1度は突破を失敗していたり。

 

メグミ君の追撃からカチューシャ君を守るために反転したクラーラ君があの車輌の砲撃で撃破される寸前にパーシングを1輌撃破していたりと。

 

大筋は変わっていないのですが途中途中原作と違う展開があったりしているため、表面上は余裕ぶっていますが内心冷や汗が止まりません。

 

……どうしてこうなったんです?

 

「しかし局長。いくら奇策を得意とする大洗チームでもここから今の流れを変えるのは困難なのでは?」

 

戦力比で考えるならば高島君の言い分が正しいのですが……――あっと、今まさにこの流れを変えてしまうどんぐり小隊が編成されました。

 

「普通ならそうですね。しかし彼女達は今まで幾つもの困難を乗り越えて来たという実績がありますから……それこそ試合が終わってみないと分かりません」

 

「そうは仰いますが……今回ばかりはもう大洗チームも打つ手が無い様ですよ?何せヘッツァーや八九式、CV33、BT-42の4輌であの様に破れかぶれの突撃を行った挙げ句、あっさり撃退されていますし」

 

……まぁ、確かに端から見ればあの突撃は破れかぶれの様に見えますけど、しかし侮る事なかれです。

 

あの4輌が、BT-42が、ミカ君がこの試合の流れを変えてしまうのですから。

 

おっと、アンチョビ君達がカール自走臼砲を見つけたようです。

 

「あれを直前になって認可させたのは、この試合のためだったんですな!?」

 

「言い――」

 

「児玉理事長。言い掛かりは止めて頂けませんか?」

 

……高島君にセリフを取られてしまいました。

 

「しかし、オープントップなのに戦車と認めていいんですか?」

 

「それは考え方次第かと」

 

考え方次第というより……元々認可待ちの車輌でしたからね。

 

それに……っと、ミカ君達が動き出しました。

 

一先ずミカ君達の大活躍を見させて頂きますか。




次回、試合終了。

修羅場へのカウントダウンが始まります(笑)


ちなみに作中に登場したキジカクシとクラレットはアスパラガスとボルドーの事です(;´д`)


キジカクシ(アスパラガスの和名)

クラレット(ボルドー地方で生産されている赤ワイン)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。