役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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お待たせ致しました。

遂に(元)役人の最期の時が始まります。
(´∀`)

※ご注意※

最期という事で色々と設定を詰め込み、加えてご都合主義全開となっております。

なので温かい目で見ていただけると助かります。


狂宴

仕事をクビになったと自虐的な話題で話の転換を図ったのはいいんですが、場の空気が凍り付いてしまいました。

 

愛里寿君は今にも泣きそうになってますし、アズミ君達はムンクの叫び状態になってますし。

 

みほちゃん達も驚いていたり顔面蒼白になっていたりしていますし。

 

うーん……これは完全に話題の選択を間違えてしまいましたね。

 

「えっと……クビっていうのは、もしかしなくても今回の件のせいで?」

 

「えぇ、まぁ多少の語弊はありますが概ねその通りです」

 

「……っ」

 

あれ?いやいや、杏ちゃん?

 

君がそんな風に思い詰める必要は無いんですよ?

 

そしてダージリン君?君の顔色が真っ青を通り越して土色になってますけど大丈夫ですか?

 

「えーと、杏君?君が私のクビを気にしてくれているのだとしたらその必要は一切ありませんよ」

 

「そうは言ってもね〜。鼻を明かしてやりたいとか見返してやりたいとかは思っていたけど、いざクビになったって聞いちゃうとね〜(実際は大恩人だった訳なんだし)」

 

「……全く。君は色々と背負い過ぎです。今回の一件は君達が努力した結果として母校の存続を勝ち取ったのですから堂々と胸を張ればいいんです。私がクビになったのはただ単に大人として教育者として上に立つ者として、それらの立場が果たすべき役割を――当然の責任を負ったに過ぎないのですからお気になさらず」

 

「……そっか。ありがとね」

 

そうそう。杏ちゃんはそうやってニカッと笑っているのが一番ですよ。

 

ダージリン君も顔色が良くなった様で安心しました。

 

……しかし、顔色が良くなったかと思えばダージリン君はどこに電話を掛けているんです?報復をとか物騒な言葉を口にしていましたけど。

 

「あの、それじゃあ……おじさんはこれからどうするんですか?」

 

「えぇっとですね……とりあえずは何も決まっていません」

 

かほさんのお呼びだし以外は。

 

「あーそれならさ、ウチの学園で働かない?」

 

「っ!!そうですよ、おじさん!!是非大洗に来て下さい!!」

 

「それはいいな」

 

「私も大賛成です!!」

 

えーと。杏ちゃんの実にありがたい提案にみほちゃんや麻子ちゃん、優花里ちゃんが諸手を振って賛同していますが……。

 

「残念ながら、それはいろいろと問題が」

 

何せ表向きには私が大洗の廃校を推進していた事になっていますからね。

 

そんな私が大洗で暮らすのは無理でしょう。

 

「そんな……でも、本当の事を言えばみんなきっと分かってくれるはずです!!それに今回の件でおじさんがクビになったというのなら私が……私がその責任を取ります!!」

 

「え?」

 

その責任って……どんな責任ですか?というか、みほちゃんは何故そんなに真っ赤になっているんです?

 

「みほ、あまり廉太さんを困らせるんじゃない。それにそもそも廉太さんは西住流の師範代なんだから熊本に戻って来てもらうか黒森峰に来てもらうんだ。……いや、それよりもこの紙にサインを――」

 

「えっと……ちょっと訳ありで言えなかったのですが、私はもう西住流の師範代では無いので熊本の西住流本家で指導をしたり黒森峰で戦車道のコーチをしたりする事は無いかと」

 

何しろ第62回戦車道大会でみほちゃんが人命救助を優先した件や第63回戦車道大会でまほちゃんが2年連続で優勝を逃した件で愚かにも2人を糾弾しようとしていた人達を黙らせるのに、そしてしほさんの家元就任の件を上手く収めるために師範代の立場を使い潰してしまいましたから。

 

「……」

 

「た、隊長!?大丈夫ですか!?」

 

って、あれ?

 

何かの用紙を握り締めたまほちゃんがこの世の終わりのような顔をしています。

 

「じゃあ、私がおじさまの責任を取りますから島田流に来て下さい」

 

あのー……愛里寿君?目を輝かせながらそんなにグイグイと詰め寄って来られると困るのですが。

 

それに私の責任を取るって何ですか?後、さっきまでは泣きそうだったのにみほちゃんの発言の直後にハッとした顔をしてからニヤリと笑って、そして今は何故に赤面してるんです?

 

君に一体何が……。

 

「お誘いはありがたいのですが……現状で私が島田流を含めた他の流派に行くのは少々問題がありまして」

 

「そんな……」

 

千代さんとの交渉の一手段として致し方なく使った移籍云々はともかく、ここで愛里寿君の言葉に頷いてしまった場合……まず間違いなくかほさんとしほさんに殺されてしまいます(ガクブル)

 

「でしたら是非、我が聖グロリアーナ女学院に来て下さいませ!!我が学院は特定の流派を持っていませんわ!!」

 

「ちょっとちょっと、そういう事ならウチのサンダースでいいんじゃない?」

 

「残念だったなお前達、先輩は古巣であるアンツィオに戻って来てもらうんだ!!」

 

「何を勝手な事を言ってるのよ、アンチョビ。同志辻はプラウダに来る事が決まっているんだから!!ね、ノンナ、クラーラ」

 

「……はい」

 

「またおじさまとご一緒に戦車道が出来るなんて光栄です。あ……『ロシアの母校に私と共に戻って頂くという手も』」

 

「何でノンナは不服そうなの?というか、クラーラ!!最後まで日本語で喋りなさいよ!!」

 

うん?何か……ダージリン君の勧誘を皮切りにみんなが揉め始めたんですけど。

 

「あの宜しいでしょうか。ここは間をとって我が知波単学園に来て頂くというのはどうでしょう?」

 

「コーチ!!私達のコーチに是非とも復帰を!!」

 

「そうですよ!!皆でまた一緒に戦車道をやりましょうよ!!」

 

「それがきっと一番ですよ!!」

 

西君やアズミ君達まで勧誘合戦に参加を……。

 

「このままだとおじさんが他所に取られちゃいますから、取り急ぎおじさんが大洗に住めるようにして下さい、会長。イイデスヨネ?」

 

「そ、そう言われてもね。西住ちゃん……ちょ、顔近いよ!?」

 

「潔白が証明出来るまでは――出来てからもですけど、おじさんには私の家で過ごしてもらいます。そうすれば何も問題はありません」

 

「……そういう事なら私の家の方がいいんじゃないか?ウチはお母さんと2人だけだから部屋が空いているし」

 

「あのー私の家も部屋が空いてますよ?」

 

後ろの方ではみほちゃんと麻子ちゃんと優花里ちゃんが何やら杏ちゃんに詰め寄ってますし。

 

「廉太さんが……帰って来ない……」

 

「だ、大丈夫ですよ、隊長!!あのバカは私が引き摺ってでも黒森峰に連行しますから!!」

 

「そもそも今回の件は私が主導したのですから、責任を取る意味でも辻局長――いえ……れ、廉太さんは我が聖グロリアーナが貰いますわ」

 

「だーかーらー!!それじゃあアンフェアでしょ!!ここはきちんとフェアに決めるの!!」

 

「フェアと言うなら、お前達の所は資金や人材が豊富だろ!?先輩は私にくれたっていいじゃないか!!」

 

「……あーあ。アンチョビ姐さんの本音が駄々漏れっす」

 

「確かに……アンツィオにじゃなくて私にって言ってますね、ドゥーチェ」

 

「だから貴女達!!同志辻はウチに来るんだって言ってるでしょ!!」

 

「『出来ればおじさまと一緒にカチューシャ様も私の母校に来て――』」

 

「『消されたいですか?クラーラ』」

 

「我が知波単学園の伝統である突撃を更に強化するため、辻さんには是非とも我が学園に来て頂きたいのです!!」

 

「流派の問題があるなら……おじさまには一先ずコーチに復帰してもらって……それから問題を片付けて島田流の師範になってもらった後、私と一緒に島田流を守ってもらおう」

 

「……このままだとコーチが隊長に持って行かれるような」

 

「た、隊長!!ここは一先ず私達のコーチに復帰してもらう事だけを考えましょう!!」

 

「後の事は後で考えましょう、ね?ね?」

 

うーん、実にカオスな状況ですね。

 

しかし、みんなが三々五々に……しかも一斉に喋るものですから声が被っていて何を言っているのかよく分かりません。

 

……って、あれ?何故ここに君が?

 

原作同様既に帰ったはずでは?

 

え?いいから黙ってこっちに来い?

 

何を――え、いや、ちょっと!?何で私の体を縛るんですか!?

 

イタタッ!?そんな手荒に引き摺らないで下さい!!というか、どこに連れて行くつもりですか!?

 

「と、とにかく。ウチへ来るのかどうかも含めて本人の……辻さんの意見を尊重しないとさ。ね?西住ちゃん」

 

「おじさんも私の家なら不満は無いと思います。いえ、絶対に無いです」

 

「そ、そうかもしれないけど一応ね?ね?(無表情で迫って来る西住ちゃん怖すぎ……)」

 

「……分かりました。あの、皆さん。ここはおじさんの意見を――あれ?おじさん?」

 

「廉太さんが居ないぞ?」

 

「廉太殿〜?おかしいですね。どこへ行ってしまったんでしょう?」

 

……私が居なくなった事にみんなが気が付き始めた様ですね。

 

「おい、先輩が消えたぞ!?」

 

「あ、ドゥーチェ!!あれ!!」

 

「なっ!?継続高校の奴等が先輩を拉致ってるぞ!!」

 

速攻でミカ君の蛮行がバレました。

 

しかし、問答無用で簀巻きにした私を引き摺った挙げ句、荷物みたいにBT-42の砲塔内に放り込むのは酷くないですか?ミカ君。

 

それに急発進したお陰で体のあちこちをぶつけたんですが。

 

……ところで原作よりも損傷が少なかったとは言え、いつの間にBT-42を修理した――しまった。常夫です。

 

撃破され回収された車輌は順次修理するように頼んでおいたんでした。

 

「追うぞ!!エリカ!!」

 

「はい!!あのバカは私達のモノです!!」

 

「ここで抜け駆けするなんて……中々やりますわね、ミカさん」

 

「感心してないでさっさと追うわよ、ダージリン」

 

「えぇ、もちろんですわ」

 

「KV-1だけじゃ飽き足らず、同志辻まで盗むつもり!?そんな事はこのカチューシャが許さないわよ!!」

 

「ちょうどいい機会です。彼女達に少し灸を据えて上げましょう。行きますよ、クラーラ」

 

「はい、おじさまは渡しません!!」

 

「辻さんを奪還せねば!!爆雷装備の待機車輌は直ちに突撃するんだ!!」

 

「例え相手がお従姉ちゃんでもおじさまは渡さない!!」

 

「早く予備の車輌で追わないと!!」

 

「このままじゃ逃げられちゃうわ!!」

 

「逃がすもんですか!!」

 

って、別の事を考えている間に鬼の形相を浮かべたみんなが追って来てるんですけど!?

 

「フフッ、もう遅いのさ」

 

何か……凄い余裕ですね、ミカ君。

 

「あ、あのーミカ君?そろそろ私の拘束を解いてはくれませんか?というか何故に私を誘拐したんです?」

 

あの混沌とした場所から連れ出してくれたのは正直言って助かりましたが、この後の事を考えると……恐怖しかないんですよね。

 

なのでミカ君には是非とも逃げ切ってほしいところなのですが……まぁ、無理でしょうね。

 

追っ手の面子が面子ですから。

 

「自分の心にいつまでも嘘をついている事に意味があるとは思えない。大切なのは自分に正直でいることさ」

 

「……?」

 

ミカ君はまたよく分からない事を。

 

うん?……あの、こう言っては失礼なのですが私を見るミカ君の瞳が何かドス黒く濁っているような気するんですけど。

 

「ミカ?辻さんに伝わってないよ。って!?ミ、ミカ!!大変だよ!!後ろ後ろ!!」

 

「何だいアキ。そんなに慌てて――ミッコ、早く逃げようか」

 

「了解ッ!!天下のクリスティー式舐めんなよー!!」

 

「ふごっ!?」

 

履帯をパージしてスピードアップしたのはいいんですが、頭をぶつけました。

 

……こんなギミックまで付けろとは常夫に言って無いのですが。

 

しかし、まぁ……これで逃げ切れる可能性が――いや、あー……みんなが万が一に備えて準備していた予備車輌まで出てきました。ワラワラと。

 

って、ケイ君は何輌持ち出して来たんです!?

 

まさかサンダースの全車輌を投入したんじゃ……。

 

しかし、黒森峰やプラウダ、聖グロ、知波単も負けていませんね。

 

お陰で辺り一面見渡す限りの戦車戦車戦車。

 

加えて予備車輌が無いみほちゃん達やアンチョビ君達が移動用の装甲車とかで追っかけて来ている始末ですし。

 

何か大変な事になって……っと、もう撃ってきました!!

 

「みんな、後は任せたよ」

 

『『『了解!!』』』

 

おっと!?ここで継続高校の戦車道チームの車輌が登場!!

 

私が寄贈したティーガーⅡも居ますし、これは希望が持て――あ、あれ?

 

『こちら第1小隊、全車戦闘不能!!』

 

『第2小隊も同じく!!』

 

『第3小隊、やられた!!ミカ、この数は無理だって!!』

 

速攻で撃破されてるんですけど!?

 

これはもう――ほげっ!?

 

「イタタ……」

 

「残念……ここまでの様だね」

 

うぅ……エンジン部分と転輪部分に砲弾を食らったようです。

 

奇しくも原作同様の状態で白旗が上がってBT-42は行動不能になってしまいました。

 

『こちらパンター1号車、エンジン部分に命中弾!!やりました!!』

 

『パンター2号車、転輪部分を破壊!!仕留めました!!』

 

試合で見せ場が無かった小梅君と直下君がここで活躍するとは……予想外にも程があります。

 

しかし、この状況は好都合ですね。

 

撃破された際の衝撃で私を拘束していた縄が外れた上に、ミカ君達が操縦席付近で団子状態になって動けなくなっていますから、今のうちに逃げてしまいましょう。

 

「よいしょっと……あ」

 

「「「「……」」」」

 

ハッチを開けたらみほちゃん達が勢揃いしてるんですけど。

 

しかも、怖いくらいに無表情で……後、みんなの目がミカ君同様ドス黒く濁ってます。

 

「……おじさん?」

 

「な、何ですか?みほちゃん」

 

「私から逃げるなんて酷いじゃないですか」

 

「い、いえ、別に逃げた訳では……」

 

不味い……みほちゃんからかほさんやしほさん並みのオーラが吹き出しています。

 

それに何故か他のみんなからも……。

 

「そうですか。まぁ詳しい事は後でじっくりと聞かせてもらうとして。さぁ、私達の家に行きましょう」

 

「……私“達”?」

 

「はい。私達です。おじさんと私が2人で暮らす家です」

 

何か満面の笑みを浮かべながらみほちゃんが凄い事を言い出したんですけど!?

 

「え?いや……あのー……」

 

「帰りますよ、おじさん」

 

言葉を濁していたら、腕をガシッと掴まれ――アダダダッ!?

 

みほちゃんの握力強すぎません!?

 

「もうこうなったら実力行使だ。私しか見れないようになってもらう」

 

「べ、別に私はあんたの事が気になるとかじゃなくて……た、隊長のためなんだからね!!」

 

「もう離しませんわ」

 

「私も引き下がるつもりはないからねー。覚悟しなさいよ、レンタ」

 

「私だって負けないぞ!!」

 

「ちょっと貴女達!!手を離しなさいよ!!」

 

「全てはカチューシャ様のために!!」

 

「おじさま、お父様は私の背中を押してくれていますからご心配なく。ちなみに孫の顔が早く見たいそうです」

 

「みなさんには申し訳ないですが、辻さんは我が学園に!!」

 

「おじさまは誰にも渡さない!!」

 

「ここまで来てコーチを諦めるなんてあり得ないのよ!!」

 

「貴女達とは年季が違うのよ、年季が!!」

 

「コーチを後輩になんか譲ってたまるもんか!!」

 

「諦める、それは人生にとって不必要な事さ」

 

って、みほちゃん以外のみんなも掴み掛かって来たんですけど!?

 

ミカ君も何か車内から足を掴んで――だ、誰か!!

 

助けてぇええー!!

 

「うわー。すっごい争奪戦」

 

「フフッ、皆さんとっても愉しそうです」

 

「いや、華?あれは楽しいとかそんなレベルの話じゃないと思うんだけど。……って、麻子は行かなくていいの?」

 

「今行っても無駄な体力を使うだけだ。もう少し様子を見てから行く」

 

アダダッ!!不味い!!車外に引き摺り出されてしまいました!!

このままでは――ヒィ!!

 

ちょ、ちょっと待って下さ――イヤァー!?

 

「ふーん。それもそっか。麻子が今行ったら他の人達に気圧されて輪に入ろうにも入れずにおたおたしているゆかりんみたいになっちゃうもんね。あ、そうだ。ねぇねぇ、麻子。前からちょっと聞いてみたかったんだけどさ、あの人のどこを好きになったの?」

 

「何だ藪から棒に」

 

あ、頭が取れる〜!!腕が千切れる〜!!股が裂ける〜!!四方八方から引っ張るのは止めて下さいぃ!!

 

「だってさ〜みぽりんやみんながあんな風に血眼になって取り合うぐらいの人だけど正直冴えない顔だし」

 

「……普段から恋だのモテ術だの言っている割りには沙織は人を見る目がないな」

 

うごぉおお!!このままでは八つ裂きにされるぅ!!

 

「え〜そんな事無いよー。あの人の人が良いのは分かってるし」

 

「違う、そういう意味じゃない」

 

「へ?」

 

ッ!?ちょ!?誰ですか!?シャツの第2ボタンを引き千切ったのは!!

 

学生服じゃないんですから――あ”あ”あ”あ”あ”あ”ッ!!全部引き千切られたぁ!!

 

「少し待ってろ」

 

「ちょ、ちょっと麻子!?」

 

ま、麻子ちゃん!!助けに来てくれたんですか!?

 

「た、助け……」

 

「廉太さん、ちょっと失礼するぞ」

 

「え?」

 

麻子ちゃんにメガネを取られ――不味い!!

 

「っ!?……詐欺じゃん!!」

 

「あらあら。皆さんが奪い合いをするのも頷けますね」

 

「「「「あーッ!?」」」」

 

ぬぉー!?メガネが!!メガネがー!!一刻も早くメガネを掛けないと不味い事に!!

 

「どうだ沙織。廉太さんは性格もいいし顔もいいんだぞ」

 

「ま、麻子ちゃん!?メガネを早く返してくれませんか!?」

 

麻子ちゃんは何を自慢気に話してるんですか!?というか、早くメガネを!!全てが手遅れになる前――アダッ!?

 

……何でみんな一斉に手を離したんです?お陰でいきなり地面に落ちたんですが。

 

「ほら」

 

あ、どうも。

 

ふぅ、メガネが無事に戻ってきました。

 

「ねぇ、クラーラ?」

 

「はい。何でしょう?」

 

「どうしてノンナは突然しゃがみこんで両手で顔を隠しているのかしら。それに耳が真っ赤になってるわ」

 

「フフッ、さぁ?どうしてでしょう」

 

あれ?……もしかしてもう手遅れですか?

 

「うわ〜そんなのありか〜……辻さんが実はあの人って……確かに名前は聞いて無かったけどさ〜……学園長め……」

 

「ど、どうしたんですか、会長!?」

 

「大丈夫ですか!?顔が真っ赤ですよ!?」

 

手遅れのようです。

 

「あの人の事、何か知っているんですか?キャプテン」

 

「うん。まぁ、直接じゃないけど……私の先輩達がよく喋ってて、かなりお世話になったって言ってた人」

 

「へぇ〜」

 

「キャプテンの先輩達が」

 

はぁ……素顔だと私(役人)という事がバレないので学園艦で色々と動く際に彼女達と会う事があっても大丈夫な変装として重宝していたのですが。

 

「……なぁ、エルヴィン」

 

「あぁ。これは驚いた」

 

「大家さんぜよ」

 

「世界とは存外に狭いモノだな」

 

それが仇となりました。

 

「そんな……ただ単に同姓同名の人だと思っていたのに……」

 

「あー。憧れの人だったか?頑張れよ、そど子」

 

「ファイトだよ、そど子」

 

まぁ、まさかこんな所で私の素顔を見られてしまう事になろうとは思ってもいませんでしたから。

 

「ずっと黙ってたなんて学園長も人が悪いなー」

 

「ちょくちょくレースをやっていた人が……まさかの人物だったな」

 

「あちゃーこれは倍率凄いよ、ツチヤ」

 

「せ、先輩!?何言ってるんですか!?」

 

致し方ありませんね。

 

しかし……実はこの場にいる全員と間接的だったり直接的だったりの接点があるなんて言えません。

 

「ねぇ、おじさん?」

 

「は、はい!!」

 

「色々と聞きたい事が出来ましたし……ちょっとお話ししましょうか?」

 

「……はい」

 

目が……笑ってないです。

 




まずは本作品にお付き合い頂いた読者の皆様方にお礼申し上げます。

本当にありがとうございました。
m(__)m

本話にて本作品は一先ず完結とさせて頂きます。

と言いつつも……まだまだ続くんですけどね(笑)更新速度が落ちるだけで。

何しろ秘密のお茶会がまだ途中ですので(※なお秘密のお茶会は全て書き直させて頂き、時系列をアニメ終了後から劇場版終了後に変更させて頂きます。二度手間を省くため。つまり火種が増えます)
最後に……ガルパンはいいぞ。
(^ω^)b
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