役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜 作:トマホーク
ヒヤッホォォォウ!!待ちかねたぜぇぇぇぇ!!
さてさて、最終章はどのような内容になっているのでしょうか!!
そして役人はどうなっているんでしょうか、色々と気になる所です!!
と、まぁハイテンションな文面を書きましたが、作者はちょっと色々あって鬱病になりまして、しばらくガルパン関係の執筆は難しいと思われます。
そのため更新がかなり遅れます。何卒ご了承下さいm(__)m
はぁ……まほちゃんに結婚を申し込まれるという大事件が起きてから早3ヶ月。
あの日以降、会うたび会うたび以前にも増してグイグイ迫って来るので、あれやこれやと理由を作って可能な限りまほちゃんと距離を置いるのですが。
今日はどうしても西住家に行かなければいけない用件があるため、覚悟を決めて今現在向かっている所です。
ちなみにどうしても西住家に行かなければいけない用件とは、みほちゃんの誕生日のお祝いだったりします。
「8時……うーん。予定より少し遅れてしまいましたか」
しかし、覚悟を決めたとは言え出来る事ならばまほちゃんのホームグラウンドでまほちゃんと接触するのは避けたい所。
2ヶ月前に西住家でばったり会った際には……大変恐ろしい目に合いましたし(遠い目)
とりあえずプレゼントをみほちゃんに渡してお祝いしたらサッと帰り(逃げ)ますか。
個人的な問題(まほちゃん)は抜きにしても明日の朝一に文科省で会議があるので早めに帰らないといけませんしね。
さて、それでは行きますか。
「……?」
「どうかされましたか?」
「いえ、何でもないです」
菊代さんに案内されて西住家の廊下を歩いていますが、やけに家の中が静かですね。
危惧していたまほちゃんとの遭遇も起きていませんし。
「ところで辻様」
「はい」
「本日はお時間の方はありますでしょうか」
「え?あ……いえ、明日の朝一で会議があるので帰りの事を考えるとそれほどお邪魔するつもりはありませんが……」
「そうですか。……お嬢様、辻様がお越し下さいました」
はて?会議があるから早く帰らないといけないと言ったら菊代さんが残念そうな顔をしていました。
菊代さんの立場からしたら余計な客はさっさと帰って欲しいはずなんですが。
「――おじさん!!来てくれたんだ!!」
「うぐっ……え、えぇ、もちろんです。何しろみほちゃんの誕生日なのですから」
「えへへ……嬉しい」
菊代さんに案内された部屋の中から飛び出して来たみほちゃんのタックルが鳩尾にダイレクトに入りました……痛い。
「そして、はい。これが誕生日プレゼントです」
「あ、達磨ボコだ!!しかも限定版!!これ凄くレアなんだよ!?おじさんありがとう!!」
我ながら両手両足が根元からもげている猟奇的なボコのぬいぐるみを贈るのはどうかと思ったのですが……みほちゃんが喜んでいるので結果オーライですね。
「喜んでもらえたようで良かったです」
「大事にするね!!あ、そうだ。おじさんもうご飯は食べた?食べて無いなら一緒に――」
「あぁ、すみません。明日の朝一で会議がありまして、すぐに東京へ戻らないといけないんです」
「……そう……なんだ」
あ、あれ?すぐに帰ると言ったらみほちゃんの落ち込み具合が半端無いんですけど。
……何かおかしいですね。
いや、まさかとは思いますが。
「ところで、みほちゃん。他の皆さんは?」
「えっと、その……お母さんとお姉ちゃんは戦車道連盟の会合に呼ばれたとかで東京に行ってて。お父さんは黒森峰で故障車が大量に出たから急遽その修理に出掛けちゃってて……お祖母ちゃんとお祖父ちゃんは3日前から老人会の旅行に行ってるの。誕生日会に来てくれてた友達のみんなは少し前に帰っちゃった」
「……」
こ、言葉が出ません。あろうことかみほちゃんが誕生日に1人ぼっちになってしまっているなんて!!
「で、でもね!!お祖母ちゃんとお祖父ちゃんはもう少ししたら帰って来る予定だし、お母さんもお姉ちゃんもお父さんも今日中には帰ってくるって言ってたから大丈夫。それに菊代さんも居てくれてるから……」
そんな風に無理やり作った寂しさ溢れる笑顔で大丈夫と言われましても……はぁ。これは放っておけません。
「……ちょっと失礼します」
「あ……うん」
「――もしもし、私です。どうしても外せない用件が出来たので明日の会議には少し遅れると上に伝えておいて下さい。えぇ、えぇ、そうです。……構いませんよ、どうせ開く事が目的の会議のための会議ですから少しぐらい遅れても大丈夫です。……心象が悪くなる?その程度の事なら問題ありませんよ。それよりもこっちの用件の方が重要なんです。えぇ、そうです。……どんな用件?それはその……大事な用件ですよ、高島君。え、いや、そのね、あ、電池が!!電池が切れます!!あ、不味い!!あ〜!!……ふぅ」
用事が出来たからと会議に遅刻する旨を高島君に伝えてもらおうとしたら、私的な理由で遅刻する事を見抜かれてしまいました。
最後は無理矢理切ってしまいましたが……東京に帰るのが怖いですね。ハハハッ。
「お、おじさん?会議は……」
あらら……今の会話をみほちゃんに聞かれてしまっていましたか。
もうこうなったらごり押しです。
「……いや、実はですね。明日の会議の時間が変更になったので今日は時間が空いてしまいまして。お邪魔でなければみほちゃんの誕生日を祝うために暫くここに居させて頂きたいのですが、構いませんか?
「……うん、うん」
西住家への滞在の許可を求めたら目尻を僅かに濡らしたみほちゃんが飛び付いて来て私のお腹に顔をグリグリ押し付けています。
「ありがとうね、おじさん」
抱き付いた状態のまま顔を上げたみほちゃんにお礼を言われました。
ふむ。やっぱりみほちゃんは笑っているのが一番です。
あの……菊代さんが襖の影でニッコリ笑ってるんですけど。
いつからそこに居たんですか?
怖い。