役人転生〜文部科学省学園艦教育局長に転生した私はどうしたらいいのだろうか〜   作:トマホーク

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乙女達の秘密のお茶会 パート4

「うん?私の番か」

 

ノンナという存在によって順番を飛ばされたカチューシャはさておき。

 

ダージリンの指名を受けてまほは少し悩んだように首を傾げた。

 

「私の場合というか……みほもだとは思うが、私達は生まれた頃から廉太さんと接していたからな。いつ好きになったかなんて覚えていない。なぁ、みほ」

 

「ふぇ!?う、うん、まぁ……」

 

突然まほに話を振られたみほは少し困惑しつつ赤く染まった顔を縦に振る。

 

「ではアンチョビと同じく、いつの間にか好きになっていたという事ですのね?」

 

「あぁ」

 

ダージリンの確認にまほは頷きつつそう言った。

 

「ふむ。答えがアンチョビと同じと言うのも少し味気ないですわね。では質問を変えましょうか。まほさんとみほさんは廉太さんのどこを好きになったんですの?」

 

「どこを……か。強いて言えばあの人の戦車道に対するひた向きな姿勢に惚れたのかも知れないな」

 

「わ、私は優しくて気さくな所……だと思います」

 

ダージリンの問い掛けにまほは顎に手を当てて考え込むようにそう言い、みほは膝の上に揃えた拳を握りしめながら顔を赤くして答えた。

 

「そうですの。お二人とも素晴らしいお答えでしたわ。それでは――」

 

全員の回答を得て満足したダージリンがお茶会を締め括ろうとした時であった。

 

「まぁ、廉太さんはもう私のモノだがな」

 

何気なく漏らしたまほの一言がお茶会に火種をもたらす事となった。

「「「「……」」」」

 

ピキリと空気が凍った音がした。

 

「……まほさん?それはどういう意味ですの?」

 

勝ち誇った顔で紅茶を口にしているまほに対し、額に青筋を浮かばせたダージリンが問い掛けた。

 

「なに、言葉通りの意味だ」

 

あまり人に見せた事の無いニヤニヤとした笑みを見せ、勝者然としているまほに皆がカチンとする。

 

「お言葉ですけれど、それはどうかしら?」

 

「ダージリンの言う通りよ、まほ」

 

ゆらりと席から立ち上がり、まほの元に集ったダージリンとケイがまほの顔を威圧するように覗き込む。

 

「先輩がお前のモノだという証拠でもあるのか?」

 

「フフフッ」

 

訝かしむ視線を投げ掛けて来るアンチョビの問い掛けにまほは答える事なく微笑むだけであった。

 

だが、すぐに胸元をゴソゴソと漁ったまほは皆の前へ、この紋所が目に入らぬかとばかりにあるモノを差し出した。

 

「なっ!?」

 

「ホワイ!?」

 

「なに!?」

 

「ねぇ、ノンナ。あの茶色の紙ってなに?」

 

「カチューシャはまだ知らなくていいんですよ」

 

「そう?ならいいわ」

 

「お姉ちゃん、いつのまに……ズルイ!!」

 

まほが差し出したモノ――それは印鑑が捺されてこそいないものの廉太直筆のサインがなされた婚姻届けであった。

 

「な、なんて事ですの……」

 

「ヘイ、まほ!!どうやってそれを手に入れたの!?」

 

「偽造だ、偽造!!」

 

衝撃のブツを前にダージリンは崩れ落ち、ケイはまほをブンブンを揺すり、アンチョビは偽造だと声を張る。

 

「フフフッ」

 

しかし、そこにある婚姻届けには皆の見慣れた文字があるのが事実。

 

故にまほは勝ち誇っていた。

 

ただ、妹から衝撃の発言があるまでは。

 

「わ、私だって!!おじさんの戦車の車長席に座らせてもらったことあるもん!!」

 

「「「「……」」」」

 

新たな火種が生まれた瞬間であった。

 




お知らせ。

前回の後書きで役人転生の再販の如何をお聞きした所、思った以上に欲しいと言って下さる方々が多かったので、初版でご指摘を受けた問題を出来る限り直したモノを17冊限定で販売する事に致しました。

なお初版と違うのは文字の大きさの変更や、それに伴うページ数の増加、ページの表記形式、表紙の厚さ、等々です(収録内容は本編の「悪夢のような現実」から「狂宴」までです。あとは書き下ろし作品の「二人だけの夜」と「朝チュン」が増えているだけです)

また見やすさを出来る限り追求しましたが、印刷の仕方によって相変わらず見辛い所もございますのでご了承を。

詳しい事が知りたい方は活動報告の方でお願い致します。


ちなみにメルカリで、値段は1300円で販売致します。

また一冊一冊自分で梱包をしてコンビニ発送をしているため販売速度はゆっくりですのでご了承を。

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