GOD EATER ~The Broker~   作:魔狼の盾

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今回はかなり詰め込みました。これで進行が早くなるはず…


mission9 不穏

 ユウキが話せるようになって1週間が経った。その間主にコウタ、サクヤ、カノンにおもちゃにされた。だか、その甲斐あって表情はまだ硬いままではあるが、たどたどしい話し方だったユウキの口調が普通に話が出来るようになった。しかし、周囲からは『人形が人の真似事を始めた』という程度にしか認識されていない。

 そんな中、ユウキはリンドウとサクヤの任務に同行することになり、エントランスに向かっていた。エントランスには共用のテレビを見ているサクヤがいた。

 

アナウンサー『次のニュースです。本日未明、外部居住区生活者を中心とした団体による、フェンリルに対する講義集会が、世界各地の支部前にて行われました。フェンリルに対して、主に食料供給の増加と防衛の強化、雇用枠の増大を訴えたもので、参加者は2時間ほどデモ行進をしたのち大きな混乱もなく解散したも模様です。』

 

 ユウキがサクヤを探して下階に降りてきた。ちょうど目についたのでサクヤが声をかける。

 

サクヤ「あ!ユウキ、こっちよ。」

 

ユウキ「お待たせしました。」

 

サクヤ「そんなに気にしなくていいわよ。リンドウもまだ来てないし。それより、聞いたわよ?期待以上に活躍してるそうじゃない。でも、あまり頑張り過ぎないでね…神機使いは…すごい人ほど…早死にするから」

 

 サクヤはどこか不安そうな表情になる。するとサクヤのすぐ後ろからリンドウの声が聞こえてきた。

 

リンドウ「ってことは、俺はまだまだってことか…」

 

サクヤ「相変わらず重役出勤ね。」

 

リンドウ「ま、重役だからな…さーて、今日も楽しいお仕事だ。今回の任務は俺達3人で動く。俺が陽動でサクヤがバックアップだ。」

 

サクヤ「了解。」

 

ユウキ「あの...俺はどうしたら?」

 

リンドウ「お前は遊撃だ。新型らしく状況に応じて動いてくれ。」

 

ユウキ「分かりました。」

 

 ここでリンドウの端末からコール音がなる。端末の画面を見るとリンドウの表情が一瞬険しくなった。

 

サクヤ「…他に何かある?」

 

 その空気を感じ取ったのか不安そうな口調になっていた。

 

リンドウ「ん?まあ、死ぬなってことで。」

 

 対するリンドウはいつもの通りのおどけた雰囲気に変わっていた。

 

サクヤ「いつも通りの命令承りました。上官殿。」

 

 サクヤもそれにつられたのかおどけた口調になっていた。

 

 -鉄塔の森-

 

 かつての工場地帯の一角を作戦地域にしている。廃工場であるにも関わらず、自動生産が解除されてないのか未だに廃液が垂れ流されている。待機ポイントに着くとそのまま降下し、作戦を開始する。

 

リンドウ「今回のターゲットはグボロ・グボロだ。こいつはどちらかと言うと動きが鈍い方だが、気を付けろよ?油断して正面にいるとバクッと行かれちまうぞ?」

 

ユウキ「分かりました。」

 

 そう言うと工場を周り、待機ポイントの反対に位置する場所でオウガテイルと一緒に捕食していた。この状況では乱戦は免れない。仕方ないので、銃形態に変形して中距離まで近づく。サクヤは遠距離、リンドウは近距離で隠れて待機している。

 

サクヤ『作戦…開始!!』

 

 サクヤの合図で攻撃が始まる。ユウキはグボロ、サクヤはオウガテイルを射ち抜き、注意を引く。もちろん向かってくる間も射ち続ける。

 

ユウキ「くっ!思ったより速い!」

 

 鈍いと聞いていたが、移動は思ったより速い。少し後ろに下がりながら砲塔付近を射ち続ける。

 グボロ・グボロがオウガテイルを少し離してこちらに来る。するとオウガテイルが突然ズタズタに引き裂かれて倒れた。リンドウの奇襲が成功したのだ。そのまま一気に近づいて後ろからグボロ・グボロの尾を切りつけ、一撃でボロボロにしてしまった。

 そして一瞬離れて再び切り込む。どうやらリンドウを真っ先に狙ったようでグボロ・グボロはリンドウにばかり攻撃している。

 しかし、その攻撃は一切当たることはなく、リンドウは常に素早く動き回って攻撃を避けて、隙を見つけては攻撃する。基本的なパターンではあるがその動きがあまりに速く、一撃が重いものだった。ロングブレードでありながらショートブレードのような速さとバスターブレードのような重さがあった。

 

ユウキ「すごい…」

 

サクヤ「何してるの!早く動いて!」

 

 サクヤの叱責を受けてハッとする。その間までサクヤはユウキが射ち続けていた砲塔を正確に撃ち抜いていた。

 ユウキは剣形態に変形して横ヒレを切りつける。するとグボロ・グボロがこちらを向いたので、ユウキは飛び上がり、体を回転して砲塔を切りつけた。同時に腕をバネにしてグボロ・グボロの上から後ろに跳び、背ビレを切りつけた。その攻撃で砲塔が砕けた。

 

リンドウ「お~…やるなぁ。こりゃぁ俺も負けてられないな。」

 

 元々の身体能力の高さがあっても1月ちょっとでここまで動けることにリンドウは素直に感心した。同時に少し動きを速くした。

 そしてリンドウの横ヒレへの連撃、ユウキの尾ヒレへの攻撃、サクヤの背ビレへの射ち込み。これらの攻撃を受け続けて、グボロ・グボロも大して動くこともできずにあっさりと倒してしまった。

 任務終了の報告をして3人で待機ポイントに向かう。

 

リンドウ「どうだ?少しはお勉強になったか?」

 

ユウキ「はい。なかなか理想的な動きはしてくれませんね…」

 

リンドウ「ハハッまあな。ぶっちゃけ、アラガミとの戦闘は習うより慣れろだ。ノルンや座学で学んだ事が無駄とは言わないが、その通りに動く事なんてごく稀だ。参考や判断基準程度にするのがいいだろう。あとは...」

 

サクヤ「死なない程度に頑張る…とかかしら?」

 

リンドウ「そうそれ!まあ生きてりゃあ今倒せなくてもいつか倒せる。今は死なないようにすることだけ考えろ。いいな?」

 

ユウキ「分かりました。」

 

 そう言って3人は帰投した。

 

 その後数日が経ち、主に小型アラガミの掃討任務に出ていた。そんなある日、ソーマと任務に出てエントランスに帰ってくると、シュンが機嫌が良さそうに話しかけてきた。

 

シュン「よう人形、ちょっとした噂話があるんだ。聞いてけよ。」

 

ユウキ「噂…ですか?」

 

シュン「この間死んだエリックはよ、若手としては腕は悪くなかったんだよ。それが、こうもアッサリ死ぬのはおかしい。エリックの死には裏があるって話だ…」

 

ユウキ「裏?」

 

シュン「ああ。アナグラの中に裏切り者とも言える『死神』がいる…下手なアラガミよりよっぽど危険だぜ?そいつとチームを組んだ奴はみんな死んでいくんだからな!その『死神』の名前はよ…ソーマってんだ…あいつといるとアラガミが寄ってくる。一緒にいるヤツはすぐ死んじまうな。でもよ、あいつはなぜか生きてるんだ。バースト時間もやたら長いしよ。な?人間とは思えないだろ…『死神』なんだよ。」

 

 なにかと思えば今さらになってそんなこと言い出した。ハッキリ言ってくだらないと思った。何より、今までのソーマを見ていて言動はキツいが噂で聞く死神のような人物像では無いと何となくだが思っていた。

 

ユウキ「くだらない…」

 

シュン「あぁ!?」

 

ユウキ「ソーマさんが死なないのは単純に強いから。バースト時間が長いのは神機の調整でどうにでもできる。アラガミが寄ってくる体質の人もいると聞いたことがあります。それに、神機使いをやっていればいつ、誰が死んでもおかしくないはず。あなたが同行した人の中にも亡くなった人がいるでしょう?」

 

シュン「ああ!?何が言いてぇんだよ!」

 

ユウキ「あなた達だってその死神になる可能性が多いにある。それに…」

 

 一旦言うのを止めようかと思ったが、ソーマの誤解を解く切っ掛けになればと思い話を続けた。

 

ユウキ「あなたは…いえ、あなた達はエリックさんが死んだその場にいなかったから好き放題言っているようですけど、ソーマさんは真っ先に助けようとしてましたよ。一番に近くにいた俺がボサッとしてたせいでエリックさんが亡くなったんです。エリックさんを死なせたのは俺です。」

 

シュン「ああそうかよ!けど、あいつと任務に行くと死ぬ確率が上がるのは事実だろうが!あいつが死神なのは変わりねえよ!」

 

ユウキ「でもその言い分が通るなら、死神は目の前にもいますよ…俺もアラガミを引き寄せる体質らしいので。」

 

 それは事実であった。初陣のオウガテイル、成熟しないヴァジュラ、コウタと行ったコンゴウ。それらのアラガミはほとんどユウキを狙っていたし、ヴァジュラに至っては突然乱入して来たのだ。

 さらに、過去の忌まわしい記憶を思い出したのか、その目には一切の光がなく、無表情だったときよりも感情を感じられない表情になっていた。

 

シュン「チッ!気味ワリーやつ!」

 

 そう言うとシュンは去っていた。

 

ユウキ(失敗かな…)

 

 ソーマは皆が思っているような人じゃない。その事を伝えたかったのに、どこかで冷静さを欠いて口論になってしまった。軽率だったと反省しながらエレベーターに向かう途中でタツミが話しかけてきた。

 

タツミ「災難だったな。シュンは口が悪いところがあるから…まあ許してやってくれ。」

 

ユウキ「分かりました。」

 

タツミ「そういや話は変わるけど、ゴッドイーターになる前は何してた?」

 

ユウキ「…」

 

 ユウキはゴッドイーターになる前の、人間とは思えない生活を思い出していた。この事は話したく無いため、どう返そうかと考えているとタツミが気を利かせて話を進めた。

 

タツミ「あ、いや…無理して答えなくていいんだぜ。話したくないことなら聞く気はないからさ。まぁなんにしてもだ、今は同じアラガミと戦う仲間だ!仲良くやろうぜ!」

 

ユウキ「そうですね。こちらもタツミさんからいろんな事を学ばせていただきますので、今後とも仲良くしていただけると嬉しいです。」

 

タツミ「ああ。そういってくれると嬉しいぜ。」

 

ブレンダン「そう言えば神機の強化はしているか?」

 

ユウキ「あ、してないですね…そろそろ強化できるようになってるかもしれませんね…確認してみます。それでは失礼します。」

 

タツミ「そこまで固くならなくていいぞ?もっと砕けた感じで接してくれ。」

 

ユウキ「はい。」

 

 そう言ってユウキはリッカのもとに向かった。

 

ユウキ「リッカさん。」

 

リッカ「あ、神裂くん。どうしたの?」

 

 リッカが神機の整備をしながらユウキの話を聞く。

 

ユウキ「神機の強化をしたいんですけど...どうしたらいいんですか?」

 

リッカ「それなら強化も製作もカタログ内の武装なら、ターミナルで申請しておいてくれれば調整込みでやっておくよ。」

 

 そこまで言うとリッカは作業を中断して整備室内のターミナルを起動する。ターミナル内の装備関係の申請のやり方を説明する。

 

リッカ「基本的にカタログにあるものは規格化されているからすぐにできるよ。けど、規格内の神機で使用者の力を発揮しきれなくなったりすると特注になるから、そのときは一度技術班の人に声をかけてね。打ち合わせするから。」

 

ユウキ「わかりました。」

 

リッカ「今回はそのまま強化するよ。どれにする?」

 

 そういうとユウキはカタログを一通り見た。

 

ユウキ「じゃあ…刀身と銃身はそのまま強化、装甲は汎用シールドでお願いします。」

 

 ユウキはブレード、ファルコン改、汎用シールドに変更するように申請した。

 

リッカ「オッケー。後はやっておくから明日には使えるようになっているはずだよ。あと、別に敬語じゃなくてもいいよ。」

 

ユウキ「わかりま…わかった。」

 

リッカ「あはは…まあ無理しない程度でいいからさ。それじゃあ作業に入ろうかな。」

 

 そう言うとリッカは気合いをいれて作業に取りかかった。ユウキは邪魔になりそうなので整備室を出た。

 翌日、神機の強化が終了して訓練で軽く試運転してから任務に向かう。今日の任務はサクヤ、ソーマ、コウタと一緒にコンゴウ討伐に向かう。

 

 -贖罪の街-

 

 待機ポイントで任務の確認や神機の状態等の任務開始直前の最終チェックが行われている。そこに神機を携えたリンドウが現れる。

 

リンドウ「あー本日も仕事日和だ。全員無事生きて帰ってくるように。以上!」

 

コウタ「え?!それだけ?」

 

サクヤ「いちいちツッコんでると、持たないわよ?」

 

ソーマ「くだらん…」

 

ユウキ「…」

 

リンドウ「1人を除いて、心が1つになってるようで何よりだ。」

 

 全員がユウキを見る。居たたまれなくなりユウキは落ち込んだような表情になった。

 

ユウキ「…すいません…」

 

リンドウ「ハハッ…冗談だ。そんなに真に受けるな。」

 

ユウキ「か、からかわないで下さい!」

 

リンドウ「悪い悪い。さて、第一部隊では初の4人での任務だが…まあ、いつも通り、死ぬなってことで。」

 

コウタ「4人?リンドウさんは来ないんスか?」

 

リンドウ「悪いな、俺はお忍びのデートに誘われてるんでな。今から働くのはお前らだけ『ピピピ』...っと」

 

 リンドウが端末を見る。気のせいかここ最近リンドウの端末への連絡が多い気がする。

 

リンドウ「早く来ないとすねて帰っちまうとさ…ったくせっかちなやつだ。」

 

 そう言ってリンドウは端末をしまい、命令の再確認をする。

 

リンドウ「俺はそろそろ行く。命令はいつも通り。死ぬな、必ず生きて戻れ、だ。」

 

ソーマ「自分で出した命令だ…精々アンタも守るんだな…」

 

サクヤ「リンドウもあんまり遅くならないよいに…ね」

 

 サクヤの心配そうな声と、ソーマの遠回しな死ぬなという言葉を聞いて、リンドウは背を向けて歩き始めた。

 

サクヤ「さっ行きましょ!」

 

 サクヤの号令を合図に4人は待機ポイントから飛び降りた。

リンドウ(地雷だったか…)

 

 リンドウは先の会話を思い出していた。他のメンバーは気付いていないようだったが、ユウキが落ち込んだ時、一瞬だったが顔面蒼白になるほど怯えたようだった。そうなった状況、ユウキの反応を考えてリンドウはある結論に至った。

 

リンドウ(アイツのトラウマは拒絶、あるいは孤独か…いやアイツと会った時の状況を考えればそれはすぐに分かるか…)

 

 そこまで考えてリンドウは思考を止めた。これは本人が話してくれるまで待つべきだと思った。

 待機ポイントから飛び降りたはいいが目標との接触できなかったため、散開して索敵する。ユウキが西の広場についたところで、ビルに空いた穴からコンゴウが出てきた。

 

ユウキ「ターゲットと接触!交戦します。」

 

サクヤ『了解!こっちは小型種と接触したわ。倒したらすぐに向かうわ。』

 

ソーマ『こちらも同様だ。』

 

コウタ『オッケー!こっちも小型を倒したらすぐ行くよ。』

 

 コンゴウは既にこちらに向かっている。ユウキはすれ違い様に斬り、さらに振り向いて斬りながら後ろに跳ぶ。するとコンゴウの腹が一瞬膨れて、明後日の方向に向かって構えた。すると足元から風が吹いてきた。

 

ユウキ(ヤバイか?)

 

 そう考えると一度コンゴウか離れる。するとユウキのいた場所で、空気が爆発した。

 

ユウキ(なるほど…あのときは見れなかったけど…コンゴウは空気の流れを操れるのか...厄介だな。)

 

 ユウキは空気の流れを操る事よりも空気を使った、見えない攻撃があることが厄介だと考えていた。しかし、その空気を使った攻撃には予備動作があることも先の攻撃で把握しているので避けること事態は難しくないと判断した。

 コンゴウが殴りかかって来るので、装甲を展開して受け止める。そのままコマの様に回り近づいてきたので、上に跳んで縦回転して斬る。ユウキが振り返るとコンゴウと向き合う様になったのでインパルスエッジで顔面爆破する。

 しかし、コンゴウは顔面に傷を作りながらも腹を膨らませて空気砲を射つ準備をしている。

 ユウキは先の攻撃と同じだと思い、後ろに跳ぶ。しかし…

 

ユウキ「ガッ!」

 

 避けたと思ったが、胸部に強い衝撃が来る。どうやらさっきのは下から来る攻撃ではなく、背中のパイプから3方向に飛ばす攻撃方法だったようだ。ユウキは吹き飛んで転がった。

 コンゴウが殴りかかって来たが、立ち上がるのに時間がかかるので避けられない。殴られるのを覚悟するとコンゴウが吹き飛んだ。どうやらソーマの一撃で隙を作ったようだ。ユウキがその間に立ち上がり体勢を建て直す。

 ソーマが右から斬り、ユウキが左から斬る。コンゴウの胴体に大きな亀裂が入るが、それを気にせず体を回転させる。ユウキもソーマも後ろに跳んで当たることはなかった。しかし、コンゴウがソーマの方を向いて殴りかかる。どちらも着地の瞬間だったので隙がある状態だ。ソーマが装甲を展開し、ガードの体勢を作る。

 

  『パァン! 』

 

 細い弾丸がコンゴウの胴体に命中して貫いた。その余波で背中のパイプが破壊された。

 

サクヤ「おまたせ!」

 

 サクヤによる狙い澄ました一撃だった。その一撃でコンゴウが怒りで活性化する。

 

コウタ「グレネード使うよ!」

 

 コウタの合図で目を閉じる。コンゴウは強烈な光で目が眩む。すると全員が一斉に攻撃する。ユウキ、ソーマで斬り、サクヤが遠距離で射ち続けて、コウタが近づきながら射つ。しばらくしてコンゴウが視力が回復したのか体勢を建て直す。

 

コウタ「動くなよ!」

 

 コウタがコンゴウの足元にホールドトラップを設置した。当然、既にトラップの有効範囲内にいるのでコンゴウは再び動けなくなる。

 

ソーマ「一気に決める。離れろ。」

 

 そう言うとソーマは構えてチャージクラッシュの準備をする。ユウキは軸をずらしてインパルスエッジを連射する。サクヤ、コウタも攻撃を緩めない。

 

ソーマ「くたばれぇ!」

 

 コンゴウはソーマの一撃で二つに別れてミンチになった。幸いにもコアを避けて攻撃したようで、そのままコアを回収して任務は終了した。

 

 -エントランス-

 

 エントランスに戻ると既にリンドウが戻っており、共用のソファーで寛いでいた。

 

サクヤ「先に帰ってたのね。お疲れ様。」

 

リンドウ「ああ、どうにか早めに切り上げられた。そっちはどうだった?」

 

ソーマ「ご命令に従って、いつも通りだ。」

 

サクヤ「そうね、命令通り全員無事よ。任務の方も特に問題は無かったわ」

 

コウタ「いやーリンドウさんにも俺達4人の見事な連携を見せたかったよ!」

 

 コウタがややオーバーな身振りと表現でリンドウに報告する。…その言い方だとコウタが中心に活躍したような言い方になるのだが…

 

ソーマ「…お前そんなに役に立ってたか?」

 

コウタ「な!?」

 

 案の定ソーマからツッコミが入り、コウタはガックリ項垂れる。

 

リンドウ「おおそうか。それならこっちももう少しデートの回数を増やしても良さそうだな。」

 

コウタ「まず俺に女の子紹介するのが先じゃないッスかね?」

 

 復活したコウタが出会いを求めてリンドウに言い寄る。前にもこんな事があった気がする。どうにもコウタは切り替えが早い。

 

リンドウ「…お前の手には負えないと思うぞ?」

 

 何やら含みのある言い方をしたリンドウ。その後、突然館内放送が入った。

 

『業務連絡。本日、第七部隊がウロヴォロスのコアの剥離に成功。技術部員は第五開発室に集合してください。繰り返します、ウロヴォロスのコアの剥離に成功。技術部員は第五開発室に集合してください。』

 

 この放送を聞いて、リッカを始めとした技術班のスタッフが召集される。

 

神機使い1「ウロヴォロス!!どこのチームが仕止めたんだ?」

 

神機使い2「しかもコア剥離成功かよ…ボーナスすげえんだろうな。」

 

神機使い3「おい、おごってもらおうぜ。」

 

神機使い4「やめなさいよ…みっともない…」

 

 支部内がざわめいている中、リンドウは特に興味が無さそうだった。

 

ユウキ(もしかして…リンドウさんが?)

 

 支部内でこれ程のビッグニュースになっているのに興味がない様子から、もしかしたら当事者なのではないかと予想した。が、答えは出ないのでそこで考えるのを止めた。

 

コウタ「ウロヴォロス…ってなに?強いの?」

 

 コウタの疑問の通り、そもそもウロヴォロスとは何なのかをユウキとコウタは知らない。コウタはソーマに聞いてみた。

 

ソーマ「ターミナルを調べりゃ分かる。自分で調べろ。」

 

 しかし、返ってきた返事は自分で調べろとの事をだった。確かに自分で調べることで身に付く力もある。そう言ったことを促しているようにも感じた。

 

サクヤ「そうね…私達4人じゃ、まだ無理じゃないかな…」

 

コウタ「マジでぇぇぇ!?このメンツでも?」

 

ソーマ「1人2人は死人が出るだろ。」

 

ユウキ「…死ぬ…か…」

 

 ユウキはこの1人2人に自分が含まれていると感じ取った。実際この4人の実力を考えると真っ先に死ぬのは恐らくユウキかコウタだろう。気が付いたらユウキの拳が固く握られていた。

 

リンドウ「ま、生き延びてればその内倒せるさ…今は死なない事だけを考えろ。」

 

ソーマ「その台詞、いい加減聞き飽きたぜ。」

 

 お決まりの台詞を言うリンドウに対して、ソーマはウンザリしたような口調で答えた。

 

リンドウ「…ああ、特にお前には何度でも言っとくわ。ほっとくと1人で死にに行っちまうようなヤツにはな。」

 

ソーマ「チッ…黙れ…」

 

リンドウ「へいへい。さ、俺は次のデートに備えて精のつくものでも食ってくるかな。」

 

 そう言うとリンドウはエントランスから出ていった。しかし、その場の空気はどこか重く、ビッグニュースを素直に喜べない空気だった。

 そしていつの間にかソーマがいなくなっていてた。部屋に戻ったのかと思い3人はそれぞれの部屋に戻った。

 

 -贖罪の街-

 

 そこには神機を携えたソーマがいた。リンドウに会った後皆に気付かれる事なくここに戻ってきていたのだ。周囲にアラガミが居ないか確認しつつ進んでいるので、構えを解かないまま移動している。

 教会の入り口付近に来ると、人が教会に入っていくように見えた。

 

ソーマ「人影…か?」

 

 周囲を警戒しながら教会に入っていく。中心まできて辺りを見回すが人影は見当たらない。

 

ソーマ「気のせいか…」

 

 教会に入れば侵入ルートは限定されるので構えを解いて通信を入れる。

 

ソーマ「こちらソーマ。特務目標との接触はなし…索敵を続ける。」

 

 そして白い影がソーマの後ろ姿を見つめていることに気づかずに教会を出て行った。

 

To be continued




 今回で第一部の土台となる部分を詰め込みました。結果として至るところにフラグが散りばめられています。
 そして物語が大きく進むことになる変わりに文量が多くなってしまいました。もう少し文量が少ない方が読みやすいとは思うのですがどうにも減らせなかったです。
 次の話で遂にあの娘を出す予定です。(はよ出したい)
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