GOD EATER ~The Broker~   作:魔狼の盾

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キャラ崩壊注意


mission34 仲間

 -ラボラトリ-

 

 ユウキとソーマの喧嘩から1日が過ぎた昼前、第一部隊のメンバーはペイラーからの招集があり、ユウキとソーマ以外はラボラトリに来ていた。

 シオと談笑しながら待っていると、ラボラトリの扉が開いた。

 

「おはようございます…」

 

「…」

 

 一応挨拶をして部屋に入るユウキと無言のまま部屋に入ったソーマだったが、明らかにいつもと様子が違う。

 

「あ!おはよぅ?!?!…ございます…」

 

「うお?!ひでえ顔!」

 

「だ、大丈夫?」

 

 ユウキは明らかに疲れ果てた様な顔をしており、ソーマはユウキ程ではないが、それでも疲れが見える表情をしていた。

 

「うん…なんとか…完徹して動き回るのがこんなにきついとは思わなかった。」

 

「…」

 

 アリサ達が手伝ってくれた事もあって、片付けは夕方頃には終わったが、他にもターミナルの設置や破壊した扉の交換等の作業が残っていた。

 流石に夜まで付き合わせるのは忍びなかったので、ここでアリサとコウタを部屋に帰して、残りはユウキとソーマで作業をしたのだが、2人とも板金加工等の工業知識が無かったため、作業が難航した。

 結局、全ての作業が終了したのはペイラーからの呼び出しが着た少し後だった。

 今まで夜通しの任務に出たことはあったが、それでも休む時間はあった。だが、今回は休む事なく慣れない作業や工事をしたのだ。体も頭も疲れ果てるのは無理もないだろう。

 そんな彼らの様子を見た後、ペイラーが話を始める。

 

「急に全員呼び出してすまない。実は、私ではどうしようもない問題が発生してしまってね。」

 

「博士でもどうしようもない問題なのに…俺たちに一体何が出来るんですか?」

 

 恐らく誰もが疑問に思うであろう事をユウキが聞く。極東支部で研究絡みの事でペイラーの右に出る者は居ないだろう。

 そんな彼が研究に行き詰まってユウキ達を呼んだとしても、ペイラーの手助けが出来るとは思えない。

 だが、ペイラーから返ってきた言葉は、意外なものだった。

 

「いや、やること自体は簡単だ。彼女に…服を着せてくれないか?」

 

「え…服…ですか?」

 

 依頼の内容を聞いたサクヤが拍子抜けしたような声で内容を確認する。

 

「そう。様々なアプローチを試みたのだが、どれも失敗に終わってね。」

 

「きちきちちくちくヤダー!」

 

「と言うことらしい。是非とも女性の力を借りたくてね。」

 

 確かに、見た目が女の子であるシオに着替えをさせるとなると、同じ女性でなければ抵抗があるだろう。親と幼い子供でもなければ、男が女を着替えさせるなど、ただの犯罪になりかねない。

 

「なら俺は関係無いだろ…後は任せる。」

 

「うーん、俺も出来る事無さそうだね。今バガラリーが良い所なんだ。後任せるよ。」

 

 ソーマとコウタは事が事だけに、出来る事は無いと判断して各自室に戻っていった。

 

「まったく!薄情な男共ね…」

 

「で、でも!この状況じゃあそうなるのも無理はないと思いますよ?」

 

 そそくさと部屋を出ていく2人をサクヤが批判したので、即座にフォローを入れる。

 実際2人が出ていってすぐにサクヤが批判しなければ、ユウキも出ていくつもりだったので、何だか気まずくなって思わずフォローを入れたのだった。

 

「何言ってるのよ。着た後の感想とか聞かないといけないじゃない!まあその辺はユウが居るからいっか。ともかく、ちょっと着せてみますね。シオー!ちょっと来てー。」

 

「なーにー?」

 

 また嫌な服を着せられるとも知らずにシオはサクヤに着いていく。

 

「博士、奥の部屋借りますね。アリサ。手伝ってくれる?」

 

「あ、はい!」

 

 やはり、アリサが助っ人として呼ばれた。やんちゃなシオに着替えをさせるのは1人では骨が折れそうだ。同じ女性であるアリサに声がかかるのも当然と言えるだろう。

 

「それにしても…シオや君たちは非常に興味深い。」

 

「え?」

 

「その柔軟さと多様性が予測出来ない未来を作り出すのかも知れないね。」

 

「シオとの事ですか?正直アラガミだって教えなければ気が付かないような『バァン!!』…気がするんですけどね。」

 

 要するに人間と大差無いので、友人と接する様な接し方になるのは普通だろうと言いたがったのだが、突如鳴り響いた破壊音によってユウキとペイラーの話は中断された。

 すると、シオの部屋の扉が開き、煙と埃を撒き散らした部屋からサクヤとアリサが咳き込みながら出てきた。

 

「あの…シオちゃんが…」

 

「壁を壊して…外に…」

 

「…本当に、予測出来ない…」

 

 驚きのあまり、ペイラーの特徴とも言える開いているのか分からない程に細い糸目が限界まで開いた(それでもかなり細かったが…)。

 

「皆!お願いだ!なるべく早くシオを連れて帰ってくれ!」

 

「分かりました!すぐに出ます!」

 

 シオの事が外に漏れると言うことは確実に避けたい。シオが逃走した時の破壊音は、ペイラーが無茶な実験をしたと言うので無理矢理通せなくもないが、シオの目撃証言が出てきたらもうどうしようもない。そうなる前にシオを連れ戻す必用がある。

 

「いや、まずはシオの反応をキャッチするのが先だ。反応を確認次第、任務に偽装して発注するよ。捜索はさっき逃げたソーマとコウタくんを使うと良い。サクヤくんとアリサくん。シオの反応を探すのを手伝ってくれるかな?」

 

「はい。」

 

「分かりました。」

 

 ペイラーの部屋には通常任務で使う索敵装置や通信装置と言ったオペレートツールとは別の物が設置してある。今までにもこれを使ってシオを探したり、ユウキとソーマの特務のオペレートをしていたのだ。

 ペイラーはサクヤとアリサを連れて、シオの部屋と反対側の扉に入っていった。

 ちなみに、サクヤはゴッドイーターになる前は2年程オペレーターをしていた。その経験をこの場で生かすことが出来ると考え、ペイラーはサクヤを即座に指名したのだ。

 ユウキも準備をしようとラボラトリを出ようとすると、再び扉から出てきたペイラーに呼び止められた。

 

「あ!そうだ!ユウキくん。」

 

「はい?」

 

 ペイラーの手には茶色の小さい瓶が2本握られていた。

 

「これを飲んで行きなさい。私が作った元気になれるお薬だ。ソーマの分もあるからね。」

 

「ありがとうございます。」

 

 ユウキはそれを受け取ると、そのままラボラトリを出る。

 

「ユウ!」 

 

 が、再び呼び止められた。声の主はアリサだった。

 

「気を付けて下さいね。」

 

「うん。行ってきます!」

 

 そう言ってユウキは今度こそラボラトリを出ていった。

 

 -エントランス-

 

 シオの反応は意外と直ぐにキャッチ出来た。即座に任務内容を偽装して通常任務で発注され、ユウキはソーマ、コウタを同行メンバーに加えて出撃準備に入る。

 予想に反してコウタが呼び出した直後にエントランスに着た。任務内容を伝えてコウタは準備に入った。

 その後少し後にソーマが降りてきた。任務の内容を告げ、お互い準備に入ろうとすると、ユウキが思い出したような声をあげる。

 

「あ、そうだ!ソーマ、これ。」

 

 そう言って取り出したのは、ペイラーから渡された瓶だった。

 

「なんだ?」

 

「元気になる薬だって博士が言ってた。」

 

 それを聞いた瞬間、一瞬ソーマの顔が険しくなった。

 

「俺はいい。お前が飲め。」

 

 ソーマはユウキから顔を背けて、ペイラーからの差し入れを断る。

 

「もう飲んだよ?」

 

「多く飲めばより強い効果が得られる。どちらかが全力で戦えた方が効率もよくなるだろう。」

 

「そんなものかな?じゃあいただきます。」

 

 本来薬とは、適量を服用することで最大の効果を発揮するものだが、ユウキはソーマの言った事を疑いもせずに信じてあっさりと自分が飲むことにした。

 任務の説明も終わり、その場を去ろうとするソーマを何かを思い出したようにユウキが再び呼び止める。

 

「あ、そうだ!ソーマ!今更だけど名前の事、ありがと。凄くいい名前だと思うよ。」

 

 以前シオに名前を付けた事に対して礼を言う。すると、ソーマは1度はユウキの方に向いたが、直ぐにまた顔を背けてしまった。

 

「…別に、不便だから仮で付けた名前だ。それをあいつが勝手に気に入っただけだろ。」

 

(…素直じゃないなあ。)

 

「…なにニヤニヤしてんだ。気色悪い。先に準備してるぞ。」

 

 今度こそソーマは準備のため、エレベーターに乗り込んで、1度は自室に戻り、ユウキが1人エントランスに残った。

 

「…よし!ファイト一発!」

 

 妙な掛け声と共に腰に手を当て勢い良く瓶の中の液体を飲んでいく。

 

「グッ!ケホッ!ケホッ!」

 

 勢い良く飲んだせいで噎せてしまった。

 

 -鎮魂の廃寺-

 

 任務はコンゴウ堕天種2体の討伐…を装ったシオの捜索である。一応ターゲットとして指定されているので、討伐はするが最優先はシオの捜索である。

 

「おーい!シオー!どこだー?美味しいご飯用意するからー!帰ってこいよー!」

 

 この際、コンゴウに見つかっても良いと言った具合にコウタが大きな声でシオを呼ぶ。

 

「ダメだなあ、出てこない…てか、なんかユウそわそわしてない?」

 

  『キシェアァァアア!!』

 

「お前じゃねえ!」

 

 コウタの呼び出しに応えたはのは探しているシオではなく、燃えるような赤い体のボルグ・カムラン堕天種だった。思わぬ客人の返事にコウタがツッコミを入れる。

 しかし、ターゲットとして指定されているコンゴウ堕天種が見つからず、予想外の敵が現れた…この状況から考えられる答えは1つ。ソーマはいち早くその答えにたどり着いた。

 

「チッ!ターゲットはこいつに喰われたか?先に仕留めるぞ!」

 

「フフフ…」

 

 突然、ソーマとコウタの後ろから不気味な笑い声が聞こえてきた。

 

「?…ユウ」

 

 現在、最後尾はユウキだ。声の主をユウキだと判断して、コウタは後ろを見る。だが、後ろを見た頃にはユウキは既にボルグ・カムランの方に飛び出していた。

 

「ヒャッハーーー!!」

 

「え"?!?!」

 

 奇声をあげながらボルグ・カムラン堕天種に攻撃するユウキを見てコウタは思わず固まった。

 

「まあ、こんなことだろうと思ったぜ…」

 

「え?え?!」

 

 そんな中、ソーマは1人冷静だった。何が起こるのか予想出来ていた様にも見える。

 そんなソーマと反対に、コウタは状況を飲み込めずにあたふたしていた。

 

「榊のオッサンが作った薬なんて妙なモンばかりだ。あいつに飲ませて正解だったな。」

 

「え~…ソーマ思ったより小っさい…」

 

 ソーマの思いの外、小さい嫌がらせにコウタも呆れる。ちなみにソーマはペイラーの薬の代りにユ〇ケルを飲んでいた。

 

「ふん…殴られた借りを返しただけだ。」

 

 そう言うソーマはいつもの様に仏頂面だった。だが、内心小さなイタズラが成功して少し気分が良かった事に、ソーマ自身も気が付いていなかった。

 

 その頃、ユウキはボルグ・カムラン堕天種に単身突撃していた。迎撃のために、ボルグ・カムラン堕天種が尻尾の針でユウキを突き刺す。

 

「遅い遅い!」

 

 ユウキがハイな状態のまま上に跳んで、突き刺した針の上に飛び乗ろうとする。

 

「ッ!!」

 

 突然針の刺さった場所から爆発が起こり、ユウキは目的の場所から少し飛ばされてしまった。そのため、針の上ではなく普通に地面に着地した。

 

「ヒィイイハァアア!」

 

 やはりユウキは奇声をあげて敵に突っ込む。突き刺さって抜けなくなった針の上を走り、尻尾の上に跳ぶ。尻尾を切り落とそうと神機を上段に構える。

 すると、ボルグ・カムラン堕天種が尻尾を引き抜き、そのまま振り上げた。その結果、尻尾の上を跳んでいたユウキに直撃した。

 地面に叩きつけられた動きが止まったユウキに追撃を決めようとボルグ・カムラン堕天種が腰を落として構える。すると、ボルグ・カムラン堕天種がその巨体からは想像できない様な速さで回転して、尻尾を振り回す。

 

  『ガアァン!!』

 

 まるで金属の塊に叩きつけた様な音を出してボルグ・カムラン堕天種の回転が止まった。

 

「暴れるな。危ねえだろ。」

 

 ソーマが装甲を展開してボルグ・カムラン堕天種を止めると、今度はコウタが飛び出した。

 

「ナイス!ソーマ!」

 

 ソーマがボルグ・カムラン堕天種を止めたことでコウタは後ろを取ることになった。そこにコウタは神機を吹かして氷属性の無数の爆破弾を打ち込む。

 その衝撃でボルグ・カムラン堕天種が怯む。その隙にソーマも止めた尻尾を切り落とそうと神機を構える。だが、今度は逆に回転してソーマたちの方を向くと、盾を構えてながら針を前面に出して突撃してきた。

 

「アッハハハハハ!!死ねやゴルァ!!」

 

 恐ろしい事を言いながら笑い、ユウキがボルグ・カムラン堕天種に迫る。動きを止め、尻尾を叩きつけて迎撃する。

 しかし、ユウキはそれでも止まる事はなく、寧ろ大きく飛び上がり、尻尾の針に向かってジャンプした。

 上から叩きつける様に向かってくる針を体の向きを正面から横にする事で躱すと、インパルスエッジで針を攻撃する。すると、針にヒビが入り、歪な形に変形した。さらにその勢いで体を回転させて針を叩き折った。

 

「ヒャハハハハ!!脆いなあ!」

 

 そのまま上に跳びながら銃形態に変形して爆破レーザーを上から打ち込む。銃身ガストラフェテスの特性上、爆破攻撃に威力はないが、衝撃で怯ませることはできる。

 

「後ろに下がって射ち続けろ!」

 

 怯んでいる間にソーマはチャージクラッシュの構えを取り力を溜める。ユウキが針を叩き折っている最中も爆破弾を射ち続けたコウタは、ソーマの指示で少し後ろに下がり、再び爆破弾を連射する。

 

「今だソーマ!」

 

 爆破弾を射ち続けた結果、ボルグ・カムラン堕天種の盾が結合崩壊を起こして、無惨にも砕け散った。

 そして、準備が終わったソーマがチャージクラッシュを放つ。

 

「止めだ!くたばれ!」

 

 巨大なオラクル刃がボルグ・カムラン堕天種を襲う。だが、ボルグ・カムラン堕天種は折れた針で突き刺して反撃する。

 ほぼ同時にお互いの攻撃が始まる。大剣の様に振ることで攻撃する武器は、どうしてもレイピアの様な直線的に攻撃する武器よりも移動距離が長くなってしまい、その間に攻撃を受けてしまう。

 使っている武器こそ違うが、今の状況はまさしくそれだ。その大きさから縦にしか振れないソーマに、ボルグ・カムラン堕天種の直線的な攻撃が決まろうとしていた。

 先端が折れていて突き刺すことはできないだろうが、それでもその大きさから叩き潰す事はできそうだ。

 

「ソーマ!」

 

 どうあってもボルグ・カムラン堕天種の攻撃が先に当たる。コウタはそう思い、思わず声を上げ、針に向かって爆破弾を放とうとするが、先の攻撃で弾となるオラクルを使いきり、リロードしている最中だった。

 コウタはソーマがやられると思い思わず目を逸らした。

 

  『ブシャア!』

 

 血飛沫が跳ぶ音と共にボルグ・カムラン堕天種の尻尾がコウタの横に飛んできた。

 

「だから遅えって言っただろうがぁ!」

 

 ボルグ・カムラン堕天種の後ろから、ユウキが尻尾を切り落としたようだ。その結果、ソーマを止めるものがなくなり、チャージクラッシュがボルグ・カムラン堕天種に直撃し、ボルグ・カムラン堕天種のコアを避けてグチャグチャのミンチにした。

 

「ふーどうなるかと思ったよ!」

 

「ユウキが後ろに居ることは分かってただろ?何を焦っていたんだ?」

 

 そんな会話をしてる内に、ユウキがコアの回収をして、シオの捜索が始まった。

 今のユウキを1人にすると何をするか分からないと言うので、コウタがハイなままのユウキを連れて捜索を始める。

 ソーマは1人で本殿まで捜索に来て、不意に声を出す。

 

「おい。居るんだろ?」

 

「居ないよ~。」

 

 ソーマが気配を感じて声をかけると、シオは自ら居ないと答えてしまった。

 

「…居ねぇんなら返事するな。遊びは終わりだ。帰るぞ。」

 

「ちくちくヤダー。」

 

「…ワガママ言ってると置いていくぞ。」

 

 少し呆れつつも、シオを諭す様に話しかける。そんなソーマの声を聞いて、シオが本殿の仏像からひょっこりと顔だけ出す。

 

「ねえ…ソーマ。もう怒ってない?」

 

「…別にお前が気にすることじゃねえ。」

 

 シオがソーマを怒らせた事がきっかけでユウキと喧嘩して溜め込んだものを吐き出し、少し吹っ切れたと思っていた。そしてユウキから帰ってきても良いと言われて少し気が楽になった事もあり、今となっては大して怒っていなかった。

 

「でも…あのとき、ソーマ怒ってた。シオ、ソーマにヤなことしたんだな。」

 

「…」

 

 だが、シオはソーマの事をアラガミと言って怒らせた事を今までも気にしている様だった。

 

「シオも、きちきちちくちく、ヤダもんな。シオ、偉くなかったな。」

 

「なら…もうやらない事だな。」

 

「うん。もうしない。」

 

 まるで子供の様に純真無垢に返事をする。そんな様子を見てソーマは少し羨ましく思った。

 

「…俺もお前みたいに、自分の事も他人の事も…何も考えずに生きられたら…楽になれるんだろうな。」

 

 誰に聞かせるわけでもなく、ポツリと呟いたのだが、シオには聞こえたようで、ある疑問をソーマにぶつける。

 

「…ねえ、ソーマ。」

 

「あぁ?」

 

「自分って…ウマイのか?」

 

 このときのソーマはまるではとが豆鉄砲を食らったような顔をしていた。そして少しずつ表情が崩れてきた。

 

「フッ…ククッ…ハハハ…たまには自分で考えやがれ。まあ、俺もお前も…自分がどっちなのかも分からない出来損ないって事だな。」

 

「うん!シオとソーマ、一緒!」

 

「だから一緒にするな!前にも言っただろ!」

 

「一緒に自分探しだな!」

 

 そう言うシオは右腕を軽く上げ、力こぶを作る様にガッツポーズを取る。

 

「何処でそんな青臭い言葉を覚えてきた?」

 

 ソーマが呆れていると何処か遠くでコウタの声が聞こえてきた。

 

「おーい!シオー!どこだー?」

 

「ヒャッハァァア!シオォォオ!出てこねえと喰っちまうぞォォオ!」

 

「ユウうるせえぇぇぇえ!!」

 

 シオを探すコウタとユウキの声が聞こえる。シオはいつの間にか仏像から離れて、ソーマの隣に来ていた。

 

「考えてもみろ。あいつらも予防接種程度とは言え、自ら進んで体ん中にオラクル細胞を取り込んでるんだ。俺以上に救われない奴らさ。」

 

「うん。シオ、分かるよ。ソーマもアリサもコウタもサクヤも…ちょっと変だけどユウも、皆同じ仲間だって!」

 

 その言葉を聞いてソーマは通信端末を取り出し、まともに話が出来そうなコウタに連絡を取る。

 

「シオを見つけた。合流する。」

 

 シオが通信端末を新しい玩具を見つけた様な目で見ている。

 

「おお?何だそれ?」

 

「コラ!離せ!バカ野郎!これはオモチャじゃねえ!」

 

 シオが端末を触ろうと手を伸ばし、ソーマがそれを牽制する。端から見れば仲の良い男女がじゃれている様にしか見えない。

 そんな様子をユウキとコウタに見られて、第一部隊内で2人がデキてると噂が立つなど、このときの2人は想像もしなかった。

 

To be continued




後書き
 夜通しの仕事ってきついですよね。ユ〇ケルをがぶ飲みしてどうにか頑張ってたを思い出します(白目)。
 シオとソーマが仲直りして少しずつ第一部隊の雰囲気も変わろうとしている所を書けていたら良いのですが…
 感想、アドバイスも是非送って頂けたらうれしいです。
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