ユウキはサカキ博士のラボでメディカルチェックを受けた後、自室で目を覚ました。ベッドの近くの時計を見てみると日付が1日進んでいたが、特に不調もなのいのでそのまま部屋を出てエントランスに向かう。
エントランスに着くとこちらを見てヒソヒソと話し声が聞こえる。
神機使い1「あいつが例の新型か?なんか暗いやつだな。」
神機使い2「あれ?新型の方って女の子だったんだ...男って聞いてたけど...」
神機使い3「男で合ってるよ。でも気味悪いよね...無表情だしなんか怖いな...」
神機使い4「ケッ!どうせ自分は新型だから偉いとか思ってんだろ!」
ユウキは特に気にする様子もなく下へ降りていく。受付でツバキとヒバリが話している。
ツバキ「ん?神裂かちょうどいい。これから訓練を始めるぞ。体調に問題ないか?」
ユウキは頷き肯定する。
ツバキ「そうか、ならミッション受注後、神機を持って訓練室に来るように。ヒバリ、ミッションの受注方法の説明とミッション開始までの流れを説明してやってくれ。」
ヒバリ「わかりました。」
ツバキが去っていくのを見届けてヒバリがこっちを見て説明を始める。
ヒバリ「えっと、メディカルチェックお疲れさまでした!改めまして...ミッション発注の管理をする、竹田ヒバリと申します。さっそくですが、今後の任務の流れについてご説明しますね。まずここでミッションを受注します。その後、事前情報をもとに、支部内に各所に設置されている『ターミナル』で兵装の変更や補充を行います。そして上階の出撃ゲートから神機保管庫で神機を受け取り、作戦地域まで向かいます。」
説明が一段落ついたところで、ヒバリがなにかを思い出したように話を続ける。
ヒバリ「あ、一ついい忘れていました。緊急時の討伐、防衛任務は手続きなしで現場に向かうこともあります。その時は館内放送で指示いたしますので、放送の指示に従ってください。」
しかし、ユウキからのリアクションがないため、ヒバリは分かっているのか不安になる。
ヒバリ「...えーと...わかりましたか?」
わかったのでユウキは頷いた。
ヒバリ「ああ、よかった!いろいろと至らぬ点もあるかと思いますが...今後ともよろしくお願いいたします!」
ヒバリが説明と挨拶終えて今回のミッションの説明を始める。
ヒバリ「それでは、今日は神機の扱いについての訓練です。神機を持って訓練室まてお願いします。」
それだけ聞くとユウキはそのまま格納庫に向かった。自分の神機を受け取り、訓練室に入った。
ツバキ「来たか。さっそく神機の扱い方を覚えてもらうぞ。」
適合試験のときにヨハネスがいた場所からツバキが見下ろしているのが見える。視線が合うとツバキが新型神機の説明を始める。
ツバキ「まずお前の神機だが他の者が使う神機とは違い、変形機構が内蔵されている。簡単に言うと接近戦用の
現在は剣が大きく、銃が小さくなっている。恐らくこれが剣形態なのだろう。
ツバキ「さて、次に神機の扱い方だが、右腕を見てみろ。腕輪と神機が触手で繋がれているだろう?」
そう言われて右腕を見てみると確かに適合試験の時のようにコアから触手が伸びて、腕輪と繋がっている。
ツバキ「その触手と腕輪が接続されることで、腕輪を介してお前と神機が繋がっている。その間神機はお前の手足も同然だ。試しに装甲を展開してみろ。やり易い方法は人によって違うから、どんな方法がいいとは言えないが、基本動作はオート化してある。まずは展開しろと念じてみろ。」
念じてみるとガシャンと言う音と共に神機の両側面にあった盾が前面で合わさり、一つの大きな盾になった。
ツバキ「よし、うまくいったな。どの動作についても言えることだが、あくまで今のは初歩的な動作の仕方だ。自分の動作方法を見つければその方法に変更することができる。そうすることで変形や展開が早くなることがある。その動作に慣れてくると一瞬で動作が可能になることもある。色々試してみるといい。ただ...効率が悪いと逆に遅くなることもあるから気を付けるように。」
先も言ったが、神機は腕輪で繋がっている間は手足も同然である。故に腕や指を動かすように、神機も自分の体を動かす感覚で操作させることができる。そのため、動作になれると一瞬で動かせてしまう。
ツバキ「さて、長々と話し込んでしまったが、次は銃形態に変形してもらう。要領は展開の時と同じだ。変形しろと念じろ。」
神機を持ち上げて変形を指示する。すると刀身と銃身が回転して銃身が上になる。そして砲身が延び、逆に刀身は切っ先が真ん中辺りまで縮み、小さくなっている。
ツバキ「上出来だ。ここで銃形態について説明しておく。銃形態の攻撃は神機内に貯蔵されたオラクル細胞を射出している。よって神機内のオラクル細胞が無くなれば銃身による攻撃はできなくなる。このオラクルは剣形態で攻撃することで回復する。覚えておけ。よし、剣形態戻しておけ。」
そう言われて剣形態に戻すように指示する。変形前の刀身が大きく、銃身が小さい状態に戻った。
ツバキ「次は神機の各パーツについてだ。今お前が装備しているのはロングブレード、ブラスト、シールドだ。それぞれ剣、銃、盾の役割がある。」
どうやら神機は様々なパーツに変更できるようだ。
ツバキ「まず銃身のブラストだ。連射性能が低い代わりに破壊力に優れた銃身となっている。そしてブラスト独自の機能としてオラクルリザーブというものがある。これで弾丸となるオラクルを別のタンクに保存することができる。」
説明している間に銃形態に変形しておく。あえて手間をかけることで変形に慣れさせると言うツバキの思惑もあり、説明の間に何度か変形を挟んでいる
ツバキ「よし、ためしに撃ってみろ。」
今までと同じように撃つと念じてみると、銃身が火を吹いた。
ツバキ「次だ、剣形態のロングブレード。全体的にバランスが取れた武器で総合力に優れている。特徴として、変形なしで銃身を使うことができるインパルスエッジと言う機能がある。これは剣形態のまま銃身を使うことができる。」
剣形態に変形し、銃を打つときと同じように念じてみると、銃身の先から爆発が起こった。ユウキはしっかり構えていなかったため腕を振り回してしまった。
ツバキ「次は装甲についてだ。バックラー、シールド、タワーシールドの3種類ある。今装備しているシールドは展開速度、ダメージカット共にバランスのとれている装甲だ。展開速度が早くなる代わりにダメージカットが小さいものがバックラー。展開速度が遅い代わりに完全にダメージカットができるものがタワーシールドだ。」
今装備しているのはシールドと言っていたはず。バランスの取れた装甲と言うことらしい。
ツバキ「最後は捕食形態だ。これは単純だ。神機に顎を生やして捕食させればいい。捕食に成功すると神機のオラクル細胞が活性化し、お前の体も強化されるバースト状態となる。さらに、捕食したアラガミから強力なバレットを精製する。このバレットは他の神機使いに受け渡すことでその相手をバーストすることもできる。これは新型のお前だけができることだ。戦場ではチャンスがあれば積極的に捕食するんだ。また、倒したアラガミを捕食することで素材やコアの回収ができる。倒したら忘れずに捕食するんだぞ。」
そう言われて今まで通り捕食口を生やせと指示すると禍々しい顎が映えてきた。噛み砕くイメージをすると即座に口を閉じた。今は捕食相手がいないので、閉じられた顎は空を切るだけだった。
ツバキ「さて...今から実際に動いてもらう。ホログラムでアラガミを出現させる。自由に動いて倒してみろ。」
そう言うと目の前に白い怪物『オウガテイル』のホログラムが現れた。オウガテイルが吠えるとこちらに向かってくる。ユウキも敵に向かって走り、すれ違い様に切り付ける。切られたことでオウガテイルは怯み、体勢を崩す。そこで銃身に切り替え、放射弾を放つ。勢いに押されてオウガテイルはそのまま吹き飛んで倒れた。倒れた敵を捕食形態に移行して喰らう。すると力が溢れてくるような感覚になる。立ち上がってきたオウガテイルを力任せに神機を振るうと真っ二つ切り捨てて壁まで吹き飛ばした。
ツバキ「ふむ...なかなかいい動きだった。神機のパーツは付け替えることができる。そうだな...休憩をかねて10分後にまた戻ってくるように。整備などはこちらからスタッフには伝えておく。」
-10分後-
ツバキ「次の組み合わせはショートブレード、アサルト、バックラーだ。ショートは軽さと手数が特徴だ。軽い故に移動の妨げになることもないぞ。その代わりに一撃の重さはない。連続攻撃で攻めるならこの刀身が適している。アサルトは中距離で力を発揮する。ショート同様一撃が軽いが連続攻撃が可能だ。」
軽く神機を降ったり、弾丸を撃ったりして感触を確かめる。
ツバキ「慣らしは終わったか?ホログラムを出すぞ。」
再びオウガテイルが現れる。後ろに跳んで銃を構える。アサルトの特徴である、連射でオウガテイルを攻撃していく。しかし、特に怯む様子もなくこちらに突っ込んでくるので、剣形態に変形して、横に跳ぶ。そのまま連続で切り付ける。しかし、切り付けることに夢中になって反撃を許してしまった。バックラーで咄嗟にガードしたが衝撃を吸収しきれずに後ろに押し戻される。ガードを解き、向かってくるオウガテイルに突きをお見舞いすると、ようやくオウガテイルは倒れた。
ツバキ「次はバスターブレード、スナイパー、タワーシールドだ。バスターはショートと真逆の特性がある。一撃の重さに重点を置いた武器だ。また、オラクルで刃を形成し、巨大な刀身として破壊力のある一撃を放つことができるチャージクラッシュが特徴だ。バスターはその重さゆえにどうしても回避が疎かになりがちだ。そこで装甲の展開を最優先するようにしてあるため、タワーシールドと相性がいい。」
軽く降ってみるがそれなりに重たく、どうしても重厚感のある振りになる。装甲を使うことに適しているらしいので、振りながら展開してみると、攻撃動作よりも先に展開することができた。ただし反応が早いだけでタワーシールドの展開そのものは他の装甲に比べて遅かった。
ツバキ「次は、スナイパーだ。その名の通り遠距離で真価を発揮する銃身で貫通力のあるバレットが得意だ。この銃身の特徴は、アラガミから注意を反らす偽装フェロモンを散布するステルスフィールドを使えることだ。これで気付かれずに相手を撃ち抜くことができる。」
銃形態に変形し、試し撃ちをする。弾速は相当早く、細い銃弾になっている。また、ステルスフィールドを使ってみたが、敵がいないため、効果を実感できなかった。
ツバキ「準備はいいか?ホログラムを出すぞ。」
もう見慣れたオウガテイルが出現する。しかし今回はこちらを探すようにキョロキョロしている。その隙に一発撃ち込み、剣形態に戻して空中から神機を振り下ろす。着地と同時にチャージクラッシュを打ち込むために構える。オウガテイルが起き上がった瞬間にチャージが完了したので一気に振り下ろす。するとオウガテイルは真ん中で二つに割れ、その周りはミンチになっていた。見た目に恥じない威力である。
ツバキ「よし。これで現在極東支部で運用されている神機パーツは一通り使用したことになるのだが...」
何やら言いにくそうに言葉を濁している。
ツバキ「実は欧州で使用されている『ポール型神機』と言うものがあるんだが....極東製の人工コアとの相性が悪い。お前の神機でどうにか稼働できると言った具合なのだが...どうだ?使ってみるか?」
折角なので使ってみようと思い、首を縦に振る。
ツバキ「よし、なら準備に入る。」
一度神機を預け、整備が終わり戻ってきた神機はいつもと違い、持ち手が長くなっていた。これがポール型神機なのだろうか?
説明を求めるように上を見てみる。ツバキの他にリッカもいた。恐らくデータを取りに来たのだろう。
ツバキ「ポール型神機には3種類ある。一撃の威力とブーストによるスピードが特徴のブーストハンマー。突きと薙ぎ払いを得意とし、特殊機構により一時的に攻撃力を上昇させることができるチャージスピア。リーチを変化させ、広範囲を薙ぎ払うヴァリアントサイズの3種類だ。どれも後付けステーを取り付けて持ち手を延長している。特殊な変形機構をしているため、様々な後付けユニットを使用している。極東支部では生産できないため、あまり壊さないでくれよ?それと先ほど使わなかった銃身にショットガンと言う銃身がある。これも一度使ってみるといい。」
説明が終わるとオウガテイルが出現する。戦闘中にブーストハンマーの詳しい説明が入る。
ツバキ「先ほども言ったが、ブーストハンマーはブースターで加速を付け、攻撃力を上げたり、移動速度を上げることができる。」
何度か叩き付けた後、後退してブーストをかける。そのままハンマーを水平に構えると、ブースターの勢いで高速でオウガテイルまで前進する。そしてブースターを吹かしたままハンマーで殴り付ける。しっかり踏ん張らないと体ごと持っていかれそうになるため、腰を落として何度も殴る。
そうしているうちにオウガテイルは倒れた。即座に次が来る。今度は銃形態で迎え撃つ。
ツバキ「銃身のショットガンは散弾銃であるため近距離で叩き込むと強力だが、射程ギリギリだと威力が落ちるぞ。」
説明を聞く前に撃ち込んでしまったため、射程ギリギリで当ててしまった。あまり効いている様子もないので、言われた通り接近して撃ち込んでみる。するとオウガテイルが怯んだので、そのまま連射して倒した。思ったより連射できる銃身だった。
ツバキ「チャージスピアはチャージグライドと呼ばれる一時的にオラクルを活性化させ、攻撃力を上昇させる突進攻撃ができる。この効果は敵を攻撃し、オラクル細胞を取り込むことで持続させることができる。」
今度は槍となった神機を受け取り、出現したオウガテイルを突き刺し、バックフリップで後退する。そして、チャージグライドを発動する。チャージが完了すると刀身が二つに割れる。チャージしたオラクルを解放すると刀身の根元からオラクルを放出し、オウガテイルを貫いた。ユウキはそのまま体を持っていかれたが、壁に激突する前に何とか踏み留まった。
ツバキ「これで最後だ。ヴァリアントサイズは神機フレームと呼ばれる機構を使っている。これは簡単に言うと後付けの神機だ。捕食口を改造した咬刃と呼ばれる刃でリーチを伸ばすことができる。」
最後は鎌の神機だ。広範囲の薙ぎ払いが出来るためか、今度は3体現れた。ユウキは一番近いオウガテイルにステップで近づき、数回切り付ける。当然他の2体はこちらに向かって来る。一端後退し、鎌の咬刃を大きく伸ばして3体まとめて切り付けた。1体は倒せたがまだ2体残っていたので、そのまま上から神機を振り下ろし、遠くにいるオウガテイルを突き刺した。そして伸ばした咬刃を引き戻すのを利用して、残るもう1体を巻き込み、真っ二つにした。
ツバキ「最初にも言ったが、ポール型神機はギリギリで運用できるようなものだ。実戦での使用はあまり薦めることはできないが、こちらが使いやすいのであれば実戦で使うことも視野にいれておくといい。」
最初にも言っていたことだかギリギリ運用可能な状態であるため、戦場で機能不全や暴走を引き起こす可能性がある。そのため出来るだけ使いたくないのがツバキの思惑であった。
ツバキ「よし。これで本訓練は終わりだ。使いやすい組み合わせを今のうちに見つけておくように。それと、今後の予定なのだが...」
ツバキはまた言いにくそうに言葉を濁している。
ツバキ「本来ならもっと訓練を積んでから実戦に出したいのだが...上層部が早く実戦に出してデータを取らせろ言うものでな...すまないが明日から実戦に出てもらう。この後は続けられるのなら訓練を続けてほしいのだが...」
まともな訓練を積む前に実戦に出ることになってしまった。
To be continued
今回は戦闘と見せかけた訓練回です。主に神機の説明でした。自分のイメージでは神機の扱い方はアニメのような機械仕掛けな感じてはなく、手足を動かす様な感覚で扱う物だと思っています。なのでこの二次創作では神機は感覚で使うものとしております。