GOD EATER ~The Broker~   作:魔狼の盾

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 明けました!!本年もよろしくお願いいたします!!
 今回はアーク計画編後日談です。久し振りに書いたので随分と下手くそになった気がします…


after1 希望

 -ラボラトリ-

 

 ペイラーが部屋で端末を操作し、研究のデータをまとめていると突然ラボラトリの扉が開いた。

 

「うへぇ…やっと誘導終わったぁ…」

 

「いやぁ御苦労様!!」

 

 疲れた様子でユウキがラボラトリに入ってくると、即ソファーに座ってぐったりと机に突っ伏した。

 そんなユウキの様子を見たペイラーが労いの言葉をかけるが、相変わらずユウキはぐったりして顔だけをペイラーに向ける。

 

「うぅ~…あんなに沢山の人と話すのは苦手なんですけどねぇ…」

 

「ふふ、これも人生に置いて貴重な経験の1つさ…何はともあれアーク計画を止めてくれた事と言い、避難者の受け入れと誘導と言い、本当にお疲れ様。」

 

 ユウキ達第一部隊はアーク計画を止めて極東支部に戻ったはいいが、休む間もなく宇宙船で終末捕食で滅ぶはずだった地球から脱出した避難者の誘導や受け入れの手伝いをしていた。

 そしてその中にはブレンダンやシュンにカレル、エドワードなど見知った人物も何人か見かけた。彼らの一部からは侮蔑を込めた視線にさらされたり、慣れない作業をした事でユウキは疲れきっていた。

 

「でも…ヒバリさんはこの後も宇宙船から帰ってきた人の行き先の振り分けやヘリへの誘導が残ってるんですよね…あれを笑顔で乗り切るんだから、何て言うか…ただただ凄いですよね…」

 

「そうだね…さて、皆の予定はどうかな?まだ集まれないかな?」

 

 ユウキは体を起こしながらそれを聞いた後、全員の予定を思い出しながら天井を仰ぐ。と言うのも、今回アーク計画でヨハネスと戦った者とサポートした者は各々の仕事が終った後、ペイラーから呼び出しを受けていた。

 

「えっと、リッカは制御ユニットの調整中で呼べば多分すぐにでもこれると思います…サクヤさんとアリサはリンドウさんのお墓参りとアーク計画の件を報告、コウタは家族の様子を見てくるので少ししたら戻って来ると思います。」

 

「なるほど…後はソーマとヒバリ君とツバキ君だね。予定は分かるかい?」

 

「ソーマは宇宙船が不時着した地点の最後の安全確認なのでまだ少し時間がかかると思います。後はさっきも言った様にヒバリさんは最後の誘導です。ツバキさんは…どうでしょう?事後処理ですかね?」

 

「ふむ…皆が集まるにはもう少しかかりそうだね。」

 

 ユウキがペイラーから呼び出されているメンバーの動向を知っている範囲で伝える。ちなみにユウキが誘導の後、すぐに極東支部に帰されたのは、既に塞がってはいるものの腹に穴を開けられたのを心配されての事だった。

 

「それにしても…アーク計画で支部長との決戦に関わった人達を集めて話がしたいって言ってましたけど…何の話ですか?」

 

「それは皆が集まってからだよ。大事な話だからね。」

 

「そう…ですか。」

 

 ユウキはずっとペイラーが何の要件でヨハネスと戦った者全員を集めるのか聞いてみたが、はぐらかされてしまった。

 

「あの、博士は…これで良かったんですか?」

 

 アーク計画が話題に出た事で、ユウキはアーク計画の一件で少し気になっていた事をペイラーに聞いてみる。

 

「アーク計画の事かい?後悔が無い…と言えば嘘ではあるが…傍観者に徹した私には本来、後悔する資格もない。」

 

「…」

 

 ペイラー曰く、間違った道を進んだ友を止めようともしなかった自分には、後悔する資格などないと言う事だったが、ユウキは黙ってそれを聞いていた。

 

「マーナガルム計画でアイーシャを失うことを知りながらも放置したり、アーク計画を止めることもなくこうなるまで傍観し続けた。本来なら止めるべきだったんだろうが、私はスターゲイザーという立場に徹した。ヨハンが私を恨むのも無理はない…」

 

「多分…支部長は博士の事を恨んでなんていないと思いますよ。」

 

「そんな筈はない…」

 

 ヨハネスから恨まれていたとペイラーは言うが、ユウキは真っ向からそれを否定する。

 

「支部長は『この混沌とした世界を作り出した一人として、自分の手でケリを着ける』って言ってました。支部長は戦いや殺しを利用したビジネスが蔓延する世界を作ってしまった事に対して、自分のやり方で責任を取ろうとしていたんだと思います。だから、博士に恨みとか憎しみとか…そんな感情は持っていなかったんじゃないでしょうか?」

 

「…」

 

 今度はペイラーが黙ってユウキの言葉を聞いている。

 

「それに、アーク計画を明るみに出してから…何か変な気がしてたんです。」

 

「何故…そう思ったんだい?」

 

 ペイラーの返事を聞くと、ユウキは以前感じた違和感を思い出して語り始める。

 

「うーん…上手く言えないんですけど、俺の知っている支部長は慎重に物事を進める人です。その支部長が何て言うか…そう、反対派を煽っている様にも思えたんです。」

 

「…」

 

 再びペイラーは無言で聞いていると、ユウキは違和感の内容を話していく。

 

「支部長は多分、アーク計画に賛同する人の目星や、シオが特異点であって博士の部屋に居た事も気がついていたはずです。確実に計画を成功させるなら、アナグラを疑心暗鬼にするよりも、目星を着けた賛同者にのみチケットを渡して反対派や迷っている人の様な不確定要素は排除すると思うんです。」

 

「確かに以前とは違い、秘密主義で合理的、さらには確実な手を取ろうとする今のヨハンなら、そっちの方が彼らしいかもね…」

 

 危機的状況では早急な判断をしていたマーナガルム計画とは違い、慎重に慎重を重ねて進めたアーク計画だ。反対派を煽った結果、アーク計画を止められるなど、ヨハネス自身が許さないだろう。

 

「…ここから先は、完全に俺の推測です。多分支部長は…止めて欲しかったんだと思います。多くの犠牲を強いて、間違っていると頭の片隅で考えながらも…後戻り出来なくなった自分を…他でもない、親友である博士に…止めて欲しかったんだと思います…」

 

「…そう、か…そうかも知れないね…」

 

 『自分を止めて欲しかった。』そう聞くと、ペイラーは何となく納得した。

 

(ヨハンには…何度も少しぐらいは、心の内を見せて欲しかったと思ったものだが…でも、あの事件以降…変わってしまったヨハンと言葉を交わす度、余計に彼が分からなくなってしまった…)

 

 ヨハネスからメッセージを受け取り、久し振りに会いに行き接していくうちに、以前のヨハネスから変わってしまったのだと痛感していった事を思い出していた。

 

(でも彼は…ユウキ君はそんなヨハンの事を…悩んで、考えて、自らの答えを導く過程で、自分なりにヨハンについて理解しようとしていたのだろうね…

 

 ユウキは自分の考えを纏めるために、ヨハネスの思考を自分なりに掴んだのだろうとペイラーは解釈した。

 

(それに比べて私は…スターゲイザーと言う立場に拘り、ヨハンの事を理解することを諦めていたようだ…これから先、他人を受け入れる上で大事な事を分かっているこの子のような若者が…未来を作っていくのだろう…)

 

 ペイラーはもうヨハネスの事が理解出来ないと諦め、傍観に徹した事をようやくハッキリと後悔した。そして、この先の未来には何が必用なのか理解し始めていた。

 

(…私ももう…潮時なのかも知れないね…)

 

「博士?」

 

 会話が終わると、ペイラーは突然考え込む様に黙ってしまった。『変な事を言っただろうか?』と思い、ユウキはペイラーに話しかける。

 

「ん?ああ、ごめんごめん!ちょっと考え事さ。さっきの君の発言で、色々と考えさせられてね。」

 

「あ…そ、そうですか…」

 

 ユウキは何処か釈然とはしなかったが、ペイラーが話を蒸し返さない辺り、この話はもう触れない方が良いのだろうかと考えていると、ペイラーが珍しく大きな声で話を強引に切り替える。

 

「あ!そうだ!どうせ集まるなら祝勝会って言うのはちょっと変かも知れないけれど、少し良い食材を使った食事会でもどうかな?」

 

「良いですね!でも、そんな食材何処に…あ"っ!!」

 

「ど、どうしたんだい?!」

 

 今度はユウキが大きな声をあげ、ペイラーが動揺する。

 

「特務の報酬で貰った高いブロック肉が冷蔵庫に入れっぱなしになってたんだった!!丁度いいから食べてしまおう!!」

 

「ふむ、良いアイデアだね。ならユウキ君の部屋に集まる事にしようかな?」

 

 以前、特務の報酬で手に入れたブロック肉を放置したままだった事を思い出した。2週間ほど前の物なので痛んでいる可能性が高いが、ユウキはせっかくなら皆で食べようとアホな事を考えていた。

 

「何の話ですか?」

 

「あ、お帰り!アリサ、サクヤさん。」

 

 そんな話をしていると突然ラボラトリの扉が開いてアリサとサクヤが入ってきた。

 

「ただいま戻りました。何だか楽しそうな声が聞こえてきましたけど?」

 

「集合場所をユウキ君の部屋にして、ちょっと良いお肉でも食べようって事になってね。私からの話もそこでしようと思うんだ。」

 

「でもあの部屋にそんなに入れるでしょうか?」

 

 アリサがもっともな質問をすると、ユウキは集まる予定の人数を指折りして数え始める。

 

「9人…だよね?ギリギリきついかな?」

 

「まあ、その辺は入ってから決めれば良いさ。取り合えず先に行っててくれ。私は連絡を回してから行くよ。」

 

 どうやらペイラーは後から来るようだ。ユウキとサクヤとアリサは ユウキの部屋に移動するため、エレベーターに向かった。

 

「おっ!!皆揃って何処行くの?」

 

 ちょうどコウタがエレベーターから降りてきた。

 

「集合場所がユウの部屋に変更になったんです。」

 

「あ、じゃあ結構良いタイミングだったかな?」

 

「だね。じゃ、行こうか。」

 

 コウタに集合場所が変更になった事を伝えると、ユウキ達はエレベーターに乗り込んだ。

 

 -ユウキの部屋-

 

「…なあ…」

 

「…えっと…」

 

「これ…食えるの?」

 

 そう言うコウタの視線の先にはユウキが冷蔵庫から取り出したブロック肉があった。しかし、その肉はユウキが受け取った当時とは違い、今はとても美味しそうには見えなかった。

 

「ちょっと黒くなってるけど火を通せば食えるでしょ?」

 

 しかし、痛んでいようが火を通せば食えると豪語するユウキをコウタが慌てて止めに入る。

 

「いやいやいやいやいや!!絶対ヤバイって!!腹壊す!!」

 

「…若干…白カビ?が生えてるのがまた…余計に危なそうにみえるんですけど…」

 

 アリサの言う通り、肉の表面は黒ずみ、白い小さな斑点も着いていた。

 

「あら、これくらいなら大丈夫よ。熟成肉になり始めてるってとこかしら。カビてるところを削いじゃえば火を通して食べられるわ。」

 

「そ、そうなんですか?」

 

 サクヤが表面を切り落とせば食べる 事が出来ると言うが、アリサは懐疑的な目でサクヤを見ていた。

 そんな視線の他所にサクヤは肉を受け取ると、キッチンで包丁を探し出して肉の表面を大き目に削ぎ始める。

 

「え?!そんなに削いじゃうの?!」

 

「何か勿体ない気が…」

 

「でも食べたらお腹壊す程度じゃ済まないわよ?」

 

 サクヤの言う通り、カビている以上正しい加工をしなければ、病原菌が付着して過敏性肺臓炎や食中毒による弊害、最悪の場合死に至る。今回は偶々上手くいったが、普通ならばカビた肉を食べようとする者など居ないだろう。

 それでもユウキは物欲しそうに棄てられる部分を見ていたが、来訪者を知らせるブザーが部屋に響いた事で、ユウキの注意は肉から逸れていった。

 

『あ、ユウ。今入れる?』

 

「うん。どうぞ、上がって。」

 

「お邪魔しまーす。」

 

 扉が開くとリッカが部屋の中に入ってきた。リッカはキッチンに調理道具が出ている毎に気が付くとある事を思い付いた。

 

「あ、料理する?私も良いかな?」

 

 久し振りにキッチンに立つので、若干不安はあったが久し振り料理をしようと思い立ち、サクヤも続いてリッカもキッチンに立つことになった。さらにユウキも料理に興味を持ち、狭いキッチンには3人が入る事になった。

 

 -30分後-

 

 肉が焼ける音が響く室内で、1人の男が緊張した顔立ちでフライパンを握っていた。

 

「ほら、お肉の側面が全部焼けたわ。後は普通に表と裏を焼くのよ。」

 

「は、はい!」

 

 ユウキがやった事は料理としては至極単純で、肉の表面を削ぎ、下ごしらえに塩を振り、熱したフライパンで火加減を調整しながら肉を焼くだけだった。作業自体は簡単だが、ユウキにとって料理その物が始めての体験だったため、後ろからサクヤが手順を説明しながらユウキを指導していた。そんな中、隣で作業しているリッカから声がかかる。

 

「うん。トマトソースもいい感じに出来上がってきた。」

 

「ホント?あ、いい匂い。」

 

「ふっふーん!!でしょう?」

 

 その光景は端から見れば同棲カップルや新婚夫婦の料理風景のように見え、アリサは慌てて立ち上がりながら声をあげる。

 

「あ、あの!私も手伝います!!」

 

「やめろアリサ!!殺人現場にする気か?!」

 

「なっ!!し、失礼ですね!!今度はちゃんとレシピを見ながら料理するから大丈夫です!!」

 

 ギャーギャーと2人が騒いでいると、スピーカーからブザーが聞こえると『入るぞ。』と短い声が響き、その後すぐにソーマが現れた。だが、相も変わらずアリサとコウタが騒いでいるのが真っ先に目についた。

 

「何をしている?」

 

「ソーマ!!早くアリサを止めるの手伝え!!でないとデス☆ポイズンクッキングが始まるぞ!!」

 

「コウタさっきから失礼ですよ!!ドン引きです!!」

 

 ソーマはコウタの話からアリサは料理が出来ないと察しがつき、しばらく言い争っている2人を白い目で見ていた。

 アリサがキッチンに立とうとしているのを前回の手料理による被害者であるコウタは任務の時以上に真剣になってアリサを止めているが、端から見れば茶番にしか見えない。ソーマはため息をつきながらアリサとコウタに物申す。

 

「料理なら出来る奴に任せるのが一番だろ…何か手伝いたいなら出来る事をやればいい。」

 

 『上開けるぞ。』と言いながらソーマは吊り戸棚を開けて食器類を取り出し並べていく。

 

(お、お皿の準備始めてます…)

 

(な、何か可愛い光景だな…)

 

 成人手前の青年がチビッ子のお手伝いの様な事をしている光景を見て笑いを必死に抑えているコウタとアリサであった。

 

「すまない。遅くなった。」

 

「やあ、もう大方集まったようだね。」

 

「はい。あとはヒバリさんだけですね。」

 

 ソーマが食器の準備をしていると、ペイラーとツバキがやって来きた。ペイラーは部屋に来ると呼び出した人がほぼ揃っている事を確認する。ユウキの言った通り、ヒバリは宇宙船で避難した者の誘導や振り分け、案内をしている。全員が手伝いを申し出たが、『大丈夫です!!皆さんが頑張ったのに私だけ甘える訳にはいきません!!』と皆には休むように言ったため、この中ではヒバリだけがまだ集まっていない。

 

「そう言えば、お前の料理なんて食べるのはいつ以来だったか…」

 

「ふふ…残念ですけど、私が作ったのはこれだけですよ。」

 

 そう言いながらいつも間にか肉が焼き終わり、空いたキッチンでサクヤはジャイアントトウモロコシをすりおろして作ったコーンスープを火にかけながらかき回している。

 皆が準備を進め、料理もほとんど準備が終わったところで、ユウキの部屋に慌てて入ってきた者がいた。

 

「すみません!!遅くなりました!!」

 

 走って来たのか、息を切らせながらヒバリが現れた。

 

「あ、ごめんなさい…結局何もお手伝い出来ませんでした…」

 

 部屋に料理が並んでいるのを見て、準備がほぼ終わりである事を察したヒバリは申し訳なさそうに謝ってきた。

 

「ふふ、もうすぐ準備も終わるから皆と一緒に待ってて。」

 

 だが、ヒバリはついさっきまで仕事で忙しかった事は全員が分かっている。サクヤがヒバリに待っているように伝えると、ヒバリはまた申し訳なさそうに談笑の輪に入っていった。

 

 -食後-

 

 皆が用意した料理に舌鼓を打った後、全員で談笑している。特にどの料理が旨かっただの、素材から高いものを使うと旨いだのと話していると、いつのまにかアルダ・ノーヴァとの決戦の話しになった。

 

「…にしても、攻撃に夢中であの時は気がつかなかったけど、最後の攻撃の威力は凄かったよな。今まで攻撃なんて全然通らなかったのに、バーストした途端1度の攻撃で色んな所が結合崩壊しちゃったんだから。」

 

「あれが制御ユニットの威力だよ。その話を聞く限りでは運用は成功みたいだね。」

 

 コウタが興奮しつつも当時の事を語り、たった一撃でアルダ・ノーヴァの至るところを結合崩壊させた事を思い出していた。

 強力なアラガミバレットを使ったとは言え、一瞬のうちにあらゆる部位を破壊出来たのはやはり制御ユニットのお陰なのだろう。

 

「さて、話の途中ではあるが、少し私から話があるので聞いて欲しい。」

 

 そんな会話が盛り上がっている中、ペイラーは突然立ち上がって全員の注目を集める。

 

「今回の一件、アラガミが闊歩する世界を終わらせ人類を救済する事がヨハンの目的だった。そう言う意味では、むしろ正しかったのはアラガミの根絶と人類と言う種の保存を両立させたアーク計画の方だ。」

 

 ヨハネスのアーク計画は全てにおいて間違っていた訳ではない事を伝える。

 

「結果的に我々人類は、終末捕食と言う時限爆弾を抱えて生きていく事になった。だが、第一部隊とアラガミであるシオが本当の意味で仲間となっていく所を見て確信したよ。人とアラガミの共生は可能だと。」

 

 第一部隊のメンバーとシオが心を通わせた様に、その規模はいつか大きく拡大して、世界中の人間とアラガミが共に生きる事は可能だとペイラーは確信した。

 

「人とアラガミがで手を取り合って生きていく世界…願わくば君達も、同じ世界を望む仲間として力を貸して欲しいのだが…」

 

「当然!」

 

「もちろんです。」

 

「ええ…誰もが戦う必要の無い世界を作りましょう!」

 

「フッ…ならシオが大手を振って帰って来られる世界にしないとな。」

 

「技術面でのサポートは任せてよ!」

 

「私も微力ながらお手伝い致します!」

 

「私もこの試みに力を貸そう。」

 

「うん。皆となら…きっと理想とする世界を作り上げる事が出来る。」

 

 誰一人とペイラーの理想を否定する者は居なかった。ここにいるものは直接的にも間接的にもシオと第一部隊が本当の仲間となり、絆を結んだ事を知っている者達だ。シオの事を知らないのならばともかく、アラガミが実際に人間と生活を共にした事を見聞きした者はその可能性を感じていたのだった。

 

「ありがとう。私も微力ながら影から支えよう…ともあれ、これで安心して隠居生活が…」

 

「ああ、その件ですが…当面の支部代理には博士を指名しておきました。」

 

「…ぇえ?!?!」

 

 ツバキの無慈悲な一言を聞くとペイラーから奇妙な声が出る。

 

「確実な人類の保存への道を断ったのが我々なら、その責任は我々が負うべきだ。それに、私達がアラガミとの共生等と言う世迷い言を目指すきっかけを与えたのは博士…貴方だ。貴方にはその事に対する責任も負ってもらわねばな。」

 

「ぅぅ…私の…隠居生活が…」

 

 ツバキの言い分にぐうの音もでないペイラーが項垂れていると、ツバキが今回の締めに入る。

 

「さて、そろそろいい時間だ。今回の一件、皆本当にご苦労だった。最後にリーダーである神…いや、ユウキの一言で締めようと思う。」

 

「う"ぇ?!?!」

 

 ユウキが奇声を上げながらツバキの声に反応する。

 

「えっと、博士が言った『人とアラガミが共生する世界』…何から手をつければ良いのか、まだ全然分からない…けど、俺達が目指すものは、きっと俺達の世代だけでは片がつかない大きな問題が山積みになっていると思う。でも…もしそうなったとしても、俺達の次の世代やその次の世代が、アラガミとの共生に希望を持てるような…そんな世界にしていきたい。」

 

 ユウキがシオとの体験を思い出しながら自分の目指す世界を思い描く。アラガミであるシオと共に過ごした様に、誰もがアラガミと共に手を取り合える世界にしたいと語る。

 

「『共に在る』だけじゃなく『共に生きる』…それが当たり前になって、誰もが命のやり取りなんてしない世界…そんな世界を一緒に創っていこう。」

 

 ユウキの決意を聞くと、全員がうなずく。

 

「よし。ならまずは人が生き残る必要もあるし、研究資金や資材は本部から搾り取ってやる!!」

 

 右腕をグリンッと回しながら黒い事を言い出した。これを聞いた全員が『最後の一言がなければ良い話で終わったのになあ…』と思ったのだった。

 

Next Part 51




Norn -登場人物-

 神裂ユウキ
 性別:男
 年齢:16(?)
 誕生日:6月14日(仮)

使用神機
 刀身:火刀改、氷刀新、雷刀、護人刀
 銃身:ガストラフェテス改
 装甲:ティア・ストーン硬、汎用シールド

 外部居住区で窃盗を繰り返しながら生計を立てていた孤児の少年。ある日リンドウに拾われた事で新型ゴッドイーターの適正が発覚した。
 しかし、フェンリル入隊当初は無口で無表情だったため 、周囲からは気味悪がられていた。さらには新型と言うだけで粋がっていると勘違いされて周囲からは辛辣な扱いを受けていたが、コウタとのコンゴウ討伐任務にて声と表情を取り戻す。
 その後、リンドウがK.I.Aとなり精神が崩壊したアリサを支えて復帰させて第一部隊を立て直した功績と非常に高い戦闘能力を認められ、リーダーに抜擢される。
 しかし、不正があったのではないかと疑われたが、訓練漬けの毎日で一気に実力を付けた事で、一部のゴッドイーターからの評価はある程度改善した。
 リーダーになった後も訓練と実戦で経験を積み、短期間で禁忌種とも渡り合えるようになったが、ディアウス・ピターとの戦闘で臨死体験をする。その結果暴走しつつもディアウス・ピターを討伐。
 以降、脳のリミッターが外れやすくなり、危険時には異常な身体能力を発揮するようになる。
 また、神機と一体になる感覚を掴み、神機の能力を引き出せるようになった。
 アーク計画の内容を聞くと、計画に乗るか迷うが多くの人の考え方を知り、リッカの言葉で自身の理想とするゴッドイーターの姿を見出だした。
 その後、第一部隊を率いてアーク計画を潰したことで、評価は半々と言ったところに落ち着いている。
 シオと出会うことでアラガミとの共生が可能だと考える様になり、第一部隊や同じ志を持つ者とアラガミとの共生を目指すように。


【挿絵表示】


後書き
 お久し振りです。今回の後日談でアーク計画編は完全に終わりました。新しい希望を胸に次はバースト編です。半オリジナルな感じになると思いますので期待せずに待っていて下さい。
 今後は物語が一区切りつく度に少し詳しく用語解説やオリキャラ、オリアラガミ、オリ設定の解説もやっていこうかと思います。
 あ、ご家庭で熟成肉を作るのはとても危険だそうなので真似しないで下さい。
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