今回は一人称視点のモノローグを入れてみました。
-鎮魂の廃寺-
よう!!俺、藤木コウタ!!今日は俺が考案したリンドウさん誘き寄せ作戦の決行日!!作戦の内容を話したら何故か皆から白い目で見られた上にアリサは 『超!!ドン引きです!!』って言って冷たい視線を送って来たけど、俺はそれでへこたれないぜ!!
そんなこんなでうちの部隊のリーダーであるユウをどうにか連れ出して、ユウとアリサとサクヤさんを連れて旧寺院に来たけど…
「…おい、コウタ…」
「…はい…」
「何で正座させられてんのか…分かってんだろうな?」
現在待機ポイントの板の間で絶賛正座させられてます。板の間に直で正座だから足が痛い。
「さ、作戦内容の一部を伝えずにユウキさんに女装させたからです…」
「そうだな…さて、 今回の任務…内容の確認だ。」
そうとも、ユウは男…でも顔は女の子…所謂男の娘ってやつだ。どうにかして作戦の成功にはユウが女の子の格好をしないとダメだって伝えて、どうにか女装させたんだ。
メッチャ渋ってたけど、コウタがそこまで言うならって言って着替えてきたユウは控えめに言って美人だった。『美人女子高生キター!!』ってなったのにこっちに着いてアリサから作戦の全容を聞いた途端に、鬼か悪魔のような顔になって俺のこと睨んできた。うん、メッチャ睨んでる。マジで恐い。
「今回はゲリラ戦を担当する第一部隊が主として運用する、アラガミの掃討任務、ならびに行方不明となっている雨宮リンドウ大尉の捜索…だよな…?」
「…はい。」
「だが第一部隊には広域捜索の許可は出ていない…だから雨宮リンドウ大尉の好きなもので誘き寄せる…と…これで間違いなはないな?」
「…そ、そうです…」
お願いだから怒りと狂気に染まった鬼みたいな目で俺の事見ながら超絶ドスの効いた低い声で任務の確認しないで超恐い!!
「では質問だコウタくん…そのリンドウさんが好きなものってのは何だ?」
「お、女の子…です…」
「なるほど…で?この状況、何かおかしな事があるよな?分かってんだろ?」
マ、マズイ…ここで失敗したら俺の命は無い!!考えろ藤木コウタ16歳!!何とかしてこの場を和ませてそこから謝り倒してこの危機を脱しなければ!!
「え、えっと…あ!!そ、そうだ!!ビール!!ビールが足りて『バギャッ!!』…ないです…」
え?今、俺の右頬の辺りに足が飛んできたぞ?あ、ユウ今スカートだからパンツ見える。黒のトランクスか…いや、そんな事はどうでも良いや。え?何?俺の横に伸びてる足、後ろの木の板貫通してんだけど…?メッチャデンジャラスなんだけど?冗談抜きに恐いんだけど?
…っべぇよマジやべぇよマジギレしてんじゃん…こりゃあもう変に和ませようとか考えたら殺されるわ…
「お前が作戦の成功には俺の女装が必用だっつったからくっそ恥ずかしい思いをしながらここに居るんだよ…それがなんだ?蓋を開けてみれば俺が女装する必要なんてねぇじゃねぇかよ…何だって嘘ついてまで女装させやがったんだ?嘗めてんのか?だいたいリンドウさんはそこまで女好きじゃねぇと思うんだけどよ?どう思うよ?」
「い、いや…その…リ、リンドウさん…しょっちゅうデートがって言ってたし…そ、それにユウの女装…に、似合うかなぁ『バスンッ!!』…って…」
ん?正直に動機を言ったら何か神機が俺の左頬を掠ったぞ?しかも神機の刃が俺の方に向いてるじゃん…そ、それにユウの目イッてるしなんかドス黒いオーラ出してる?!マジで殺しに来てるうぅぅぅう!!サクヤさんアリサ助けてぇぇぇぇえ!!
「じゃあ何か?似合いそうだから嘘ついて女装させたって事なのか?どうなんだ?何とか言えよ?」
母さん…ノゾミ…ゴメン…俺、ここまでみたいだ…最後に2人の顔…みたかったな…
「ね、ねぇ…そろそろ止めた方が良いんじゃないかしら…本当にコウタの事殺しそうよ…」
「そ、そうですね…ちょっと行きます…」
ナイス!!サクヤさん!!アリサ!!これで取り合えず話の流れは切れるはず!!1度仕切り直して土下座で謝れば…
「あ、あの…もうすぐターゲットが作戦領域に「あ"?」ご、ごめんなさい!!」
うそぉ…強気なアリサを眼力だけで黙らせるってどんだけこえぇ顔してんだよ…ん?アリサが何か言ってる?『無理です!!あんな恐い顔のユウを止めるなんて私には出来ません!!』…あ、半泣きになってる…こりゃあ終わったかなぁ…
『キュラアァァ!!』
「チッ…仕方ない…作戦内容の確認だ…」
ナイス!!正体の知らないアラガミさん!!これで取り合えず俺の命は繋がった!!マジで助かった…おっと、確認作業にが始まるから早く行かなきゃ。
「今回は強力なオラクル反応を示すアラガミの討伐、ならびにリンドウさんの捜索…だが周囲にもアラガミの反応があるため、任務に時間をかける事は出来ない。手早く片付けるぞ。」
「「「り、了解!!」」」
うっ!!やっぱりすげぇドスの効いた声…やっぱこえぇ…こりゃ任務終わりに土下座で謝って許して…
「それからコウタ…任務が終わったら部屋に来い…来なければこっちから迎えにいくからな…」
「…り、了解…」
あ…終わった…謝罪も受け付けないって感じだ…
-5分後-
ターゲットの鳴き声を聞き、ユウキ達は近くを探索する。すると本殿に来たところで、灰色のサリエルの様なシルエットが食事をしているのが目に入る。
その様子を物影に隠れながら観察していると、そのアラガミは蝶を思わせる体つきはサリエルやその堕天種と同じだが、上半身は完全に男性のそれで、立派な髭を生やした厳つい顔は初老の男性その物だった。
「うげっ!!サリエルみたいな体にオッサンの顔かよ…女装趣味か?あのアラガミ?」
「ちょっ?!コウタ!!今それを言うのは不味いですって!!」
「え?…あ”っ!!」
『やべぇ…地雷踏み抜いた…』と後悔しながらコウタは『ギギギ…』と壊れた機械の様な鈍い動作でユウキを見る。
「『アイテール』…サリエル神属第二接触禁忌種…」
相変わらずドスの効いた声で目の前のアラガミの解説をする。
『キュラアァァア!!』
アイテールはユウキとコウタの声でこちらに気が付いたのか、ユウキ達の方に向き直り威嚇する。
「堕天種と同様、猛毒を含むレーザーと言った搦め手を使ってくる…けど…」
そこまで言うと、ユウキはアイテールに向かって走り出して、一気に距離を詰める。
「当たらなきゃどうってことはねぇ!!」
叫ぶと同時にユウキは飛び上がり、空中に居るアイテールに斬りかかる。
「ジャラァ!!」
ユウキの威勢の良い声とは裏腹に、アイテールは後ろに下がってユウキの攻撃を避ける。結果、攻撃が空振りした状態で隙だらけなユウキにアイテールの額の目から放たれたレーザーが迫ってくる。
「チィッ!!」
ユウキが舌打ちと共に神機を振ると、レーザーが刀身に当たってそのまま弾けて消えていった。
(思ったより衝撃があるな…刀身へのダメージが大きいか?)
切れて頭に血が上っているように見えて思いの外冷静だった。先程レーザーを弾いた時の衝撃とさらなる強化をしたはずの護人刀・真に焼け焦げた様な黒い痕が着いていたのを見て、刀身でレーザーを弾くと言うのはやらない方が良いだろうと考えていた。
「今です!!」
「そこよ!!」
「当たれぇ!!」
空中に居るユウキを追撃するため、アイテールが再び額の目に光を集めようとしたが、3方向からの銃撃に追撃を中断され、その間にユウキが着地する。結果としてアイテールの後ろにアリサ、右側にコウタ、左側にサクヤとアイテールを包囲するような陣形を取る事になった。
「援護は任せる!!アリサは状況を見て捕食だ!!」
「はい!!」
そう言うとユウキは再度アイテールに飛び込んで接近戦を仕掛ける。対してアイテールは偏向レーザーを射つ準備として、再び額の目に光を集める。
「させない!!」
「やらせるかよ!!」
サクヤとコウタの援護でアイテールは上体を反らしながら後ろに下がり、2人の放った弾丸を躱す。そして放たれた銃弾がクロスしたところをユウキが飛び込むが、アイテールの放った偏向レーザーがユウキに迫ってくる。しかし、サクヤ達の攻撃を避けた事で狙いが逸れ、偏向レーザーでもユウキを追いきれなくなっていた。
「ゼァ!!」
がら空きになったアイテールに追い付くと、ユウキは神機を振り下ろす。しかし、アイテールは咄嗟に右に避けると神機は左肩に食い込み、大きな裂傷を作りながらアイテールを地面に叩き落とす。
するとユウキはそのまま神機を振り回して、剣形態で銃口が上になる様に構えると、インパルス・エッジを放ち、急降下して埃を舞い上がらせつつアイテールの頭から斬りかかる。
しかし、アイテールは咄嗟に後ろに飛んでユウキの一撃避けるが、即舞い上がった埃の中からユウキが追撃するため、飛びかかって距離を詰めにいく。
今度はアイテールの胴体を狙い横凪ぎに神機を振り、確実に捉えたと思っていた。しかし、アイテールは弧を描く様にユウキの上を飛び、再度攻撃を躱した。
対してユウキは神機を振った勢いを殺す事なく右腕を外に振り抜いて、体ごと回転させて真上に居るアイテールに対して、スカートが翻るのも気にせずに左足で回し蹴りを当てていく。
ユウキの足はアイテールの脇腹を捉えてそのまま右側に蹴り飛ばし、ユウキも神機を振り抜いた右腕で床を殴ってアイテールを追う。蹴り飛ばされたアイテールは体勢を崩しながらも複数の偏向レーザーをユウキに放つが、壁に激突した。
ユウキは装甲を展開して複数の偏向レーザーを受け止めると、銃形態に変形して爆破弾を放つ。最初のレーザーで 軽く胴体に傷が付いたがのだが、ガストラフェテス新での爆発では何のダメージも与えられない。だが、衝撃までは無効にならないので、アイテールが怯んだ隙に剣形態に変形して再度ユウキは突撃する。
しかしアイテールも殺される気はないようで、横に振った神機と同じ方向に移動して回避する。だが避けきる事が出来ずにアイテールのスカート部が切り裂かれて、結合崩壊を起こした。
そしてユウキ自身も勢いを殺しきれずに、辺りに雪と埃を舞い上がらせながら壁に激突して破壊してようやく止まる。
だが、間髪入れずにユウキはアイテールに再び向かっていく。ここまでの過程で辺りを破壊しながら攻め立てるユウキの姿は、怒り(半ば八つ当たりだが)に身を任せた力強い獣とも言えるようだった。
「は、速えぇよユウ!!援護が追い付かないって!!」
しかし、何よりも驚いたのはスピードだった。陣が完成してからここに至るまで戦闘に10秒とかからなかったのだ。
アイテール自身も決してこのスピードに追い付いているとは言えず、フラフラと飛び回った結果、何とか避けることが出来たり出来なかったりと言ったようだった。
高速で動き回るユウキに対してフラフラと不規則に飛び回るアイテール…この状況では銃身を扱う者達にとっては狙いを定める事が非情に難しく、援護射撃が全く出来ない状況となっていた。
「チッ!!だったら…」
再び攻撃を避けられたユウキは銃形態に変形する。
『バババンッ!!』
短い間隔でスナイパーであるガストラフェテス新から狙撃弾が連射される。その狙撃弾全てがアイテールの胴体に直撃する。
『キュラァア?!』
ユウキが放った3つのホールド弾でアイテールの動きが止まる。
「今だ!!総攻撃!!」
「よっしゃぁ!!」
「貫け!!」
ユウキの合図と同時に、コウタとサクヤの神機が火を吹いてアイテールを撃ち抜いていく。
「いただきました!!」
「喰い潰せぇえ!!」
アリサとユウキがチャージ捕食でアイテールを喰いバーストする。動けないアイテールに、アリサは後ろから、ユウキは少し飛び上がり頭を斬り、サクヤと コウタが胴回りを撃ち抜く。
尾状器官、頭も結合崩壊を起こし、ボロボロになったアイテールにとどめを刺すため、ユウキが神機を振り上げる。
「これでッ…!?」
しかし、アイテールのホールドが解除されたのか、突然飛び上がりユウキ達の攻撃を躱した。
『キュラアァァア!!』
アイテールが吠えると額の目から光を放つ。どうやら活性化したのようだったがユウキは気にした様子もなく、真上のアイテールに向かっていくため、両足に力を入れる。
『キュラアァァア!!』
アイテールが両腕を広げると足元から光の柱が登った。
「チィッ!!」
「ユウ!!」
サリエルと比べて攻撃範囲が広くなっていた事もあり、かなりギリギリではあるがユウキは辛うじて避ける事ができた。
「ユウ!!渡します!!」
サクヤとコウタが遠距離でアイテールに攻撃する中、アリサはユウキに受け渡し弾を渡してリンクバーストLv3に引き上げる。しかしアイテールは再び両腕を広げると、大きな光球が4つ現れた。全員が『何をするつもりだ?』と思っていると、光球は第一部隊全員に襲い掛かる。
「チィッ!!」
「うわっ?!」
「クッ!!」
「うぅっ!!皆大丈夫?!」
かなり高い追尾性を持っていたため、全員が咄嗟に避けられたのは幸運だった。しかしその隙をアイテールは見逃さず、フラフラと縦横無尽に飛び回りながら体当たりを何度も繰り出して第一部隊を撹乱する。
「ガァッ!?」
「コウタ!!」
フラフラと飛び回る軌道に次第に反応が追い付かなくなり、体当たりを受けてしまったコウタを気遣い、サクヤがコウタに声をかける。
攻撃を避けるため、包囲陣を完全に崩してしまったところで、アイテールは偶然単独となったユウキと目が合う。
『キュラアァァア!!』
アイテールはユウキに向かって真っ直ぐに体当たりしてくる。対してユウキもまた真っ直ぐにアイテールに向かっていく。
「フッ!!」
小さく息を吐くと、ユウキはジャンプして体を右に傾けるつつ、神機を両手でしっかりと握り後ろに引く。そしてアイテールがユウキの真下に来る。
「ジャラァア!!」
フルスイングで下からアイテールの顔面を斬り裂いた。その勢いでアイテールは頭から腹の辺りまでパックリ割れた様に斬り裂かれ、コアを剥き出しにして大きく後ろに飛ばされた。
『キュルゥア?!』
飛ばされながらも何とか体勢を直したアイテールがユウキを見ると、既に穿顎を展開して、とどめの準備が終わっていた。
「…死ね…」
ユウキがボソッと呟くと、捕食口が空気を吹き出して一気にアイテールとの距離を詰める。突然の事で呆気に取られたアイテールは動くことも出来ずに、剥き出しになったコアを捕食され倒された。
「…標的は無力化した。時間いっぱいまで捜索するぞ。」
「「「は、はい!!」」」
ユウキは相変わらずドスの効いた声で指示を出す。それを聞いたサクヤ、アリサ、コウタは思わず上擦った声で返事をする。返事をしたことを確認するとユウキは単独で捜索に入り、後の3人も捜索を開始する。
しかし、時間一杯まで捜索したが、結局リンドウ本人はおろか手がかりも見つからず、全員待機ポイントに戻って来る事となった。
「残念だが作成は失敗だ。今回は引き上げよう。」
「「「了解…」」」
「それからコウタ…帰ったら…ワカッテルヨナ?」
「…はい…」
「よし…撤退するぞ。」
最後の最後でユウキはコウタに絶望を与える一言をかけてから全員に帰投を命じた。
-極東支部-
任務の後、コウタは死んだ魚のような目でユウキの部屋に向かい、その日はそのまま何処にも現れる事はなかった。
そして翌日、パンツ一丁でえびぞり亀甲縛りで縛られ、さらには目隠しに猿轡をされたコウタがエントランスの真ん中に吊るされていた。
そんなコウタを眺めて、高笑いしながら端末の写真機能で連写しているユウキも居た。そんな2人を見た者は、ユウキを女顔で弄るのは止めようと心に誓ったそうな。
そしてその様子を見た銀髪のロシアっ娘は後にこう言い残したそうな…
『超…ドン引きです…』
To be continued
後書き
お久しぶりです。今回はバースト編のおバカ要素、リンドウさん誘き寄せ作成です。それから試しに一人称視点のモノローグを入れてみまたのですが…地の文と台詞で何度も同じこと言わないようにする等難しい点も多かったです。
リアルの方も落ち着いたとは言えない状況ですが、コツコツと書いてまた投稿しますので、また暇潰し程度に読んで下さいませ。