では、3話、どうぞ!
光の軌跡を描くその剣は、まさしくソードアートオンラインに相応しいと思った。
「おーい、大丈夫か?」
俺を助けた男はのんきに話しかけてきた。背丈は俺とおなじくらいで、髪は黒く少し長い。どこかのゲームの主人公、そんな姿を思い起こさせるような男だった。まぁ、ゲームの世界だから俺もかっこいいのだろうが。
「あぁ、大丈夫だ、助けてくれてありがとう。俺の名前はカイリだ、おまえは?」
「俺の名前はキリトだ」
お互いにあいさつを交わす。言葉を交わした限りでは、このキリトはわるい奴ではなさそうだった。
「今の動き、あれはなんだったんだ?こう、剣から光が出るやつ」
「えっ、カイリ、おまえもしかしてソードスキルを知らないのか?」
少し呆れたような口調で、キリトは俺にソードスキルについて話した。
「いいか、ソードスキルっていうのはゲームでいう必殺技みたいなものだ。今見せたのは1撃の技だったけど、スキル熟練度をあげるにつれて強さも技のモーションも増えてくる、って説明書に書いてあったはずなんだが」
「俺はあんまり説明書とかは読まないからな」
キリトはまた呆れた顔でこちらを見ながら、また話し始めた。
「ソードスキルはこれから層が上がるにつれて必須になるものだから、今使えるようにした方がいいと思うぞ」
そう言いながら、キリトは剣を構える。剣が鮮やかなライトグリーンの光を放っていき、
「はっ」
地面を蹴ったかと思うと、少し離れたところにいたイノシシの隣に高速で移動し、それを一瞬のうちにポリゴンの欠片に変えた。
「今のは片手剣ソードスキル<ソニックリープ>だ。いいか、重要なのは初動のモーションなんだ。ちゃんとモーションを起こして動けば、後はシステムが勝手に敵に命中させてくれるよ」
そう言いながら、キリトはこっちに向かってきた。
「モーション、モーションか。」
少し腰を低く構え、槍の先を今ポップしたイノシシへと向ける。
「そうそう、そんな感じに……」
そう言いながらキリトは石でソードスキルを発動させ、イノシシに命中させた。
「タゲは取った、カイリ、今だ!」
「分かってるって!」
俺の槍の先が黄色い光を放つ。突進してくるイノシシに合わせて前に進むような姿勢をとる。
「今度はやられないからな、イノシシやろぉ!」
途端、システムアシストにより体が動き、光を放つ槍の先がイノシシの体に吸い込まれていった。
一瞬だ。
そこにイノシシの姿はなく、ただただポリゴンの欠片が宙に舞っていた。
「よく出来たじゃないか、カイリの前にも一人レクチャーしたんだが、すこし飲み込みが遅くてな」
キリトは笑いながら、手を挙げてきた。ハイタッチか?いいだろう。
「ありがとな、教えてくれて」
そう言って、俺たちはハイタッチをした。
「いいもんだろ?自分の体を動かして戦うのは」
「確かにな、最近は運動不足だったから久々にいい運動になったよ。まぁ、カロリーは消費しないだろうけどな」
「はは、確かにそうかもな。カイリはこれからどうするんだ、もう少し狩りを続けるのか?」
もう少し狩りを続けたい気持ちはあるけど、そういえば昼ご飯すら食べてなかったな。
「いや、俺はいったんログアウトして飯にするよ。昼も食べてなくてな」
「そうか、だったらまたどこかでな」
そう言って俺はキリトは握手をした後、ログアウトボタンを探した。
んん?
「おかしいな、ログアウトボタンが見当たらない」
「カイリ、よく見てみろって、メインメニューの一番下に……あれ?」
「ないだろ?まぁ、バグか何かだと思うからそのうち直るだろ」
一応ゲームマスターコールも行ってみるが、全く反応がない。そうしていると、キリトが真面目な顔で口を開く。
「このソードアートオンラインには、今10000人のプレイヤーがログインしているんだ。本当にバグなら……」
おいおい、いきなり何を言い出すんだ。そんな、まるでログ・ホ○イズンみたいな展開が現実にあるわけ……
突然鐘が鳴り響く。目の前に映る夕焼けを最後に、光が俺とキリトを包み込んだ。
アニメネタを入れてみました。もともとリアルの会話にネタを挟む人なので、カイリにも真似をさせてみました笑
キリトがカイリの前にレクチャーしたプレイヤーは、もちろんクラインです。
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