俺に優しくないこの世界で   作:藤道

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ついにデスゲームと化していくソードアート・オンライン。今回はほとんど茅場アバターが尺をとっています笑。では、4話をどうぞ。


始まりの終わり

目を開けると、そこにはたくさんの人がいた。いや、集められたと言った方が正しいのか、始まりの街の中心部に強制転移させられたらしく、ほとんどのプレイヤーが戸惑いを隠せないでいた。

 

「おいカイリ、上を見てみろ」

 

「どうしたんだよキリト」

 

キリトに言われるままに空を見上げると、一点WARNINGと書かれ点滅している表示を見つけた。

 

「ワー……二ング?」

 

俺がそう呟いたその瞬間、その表示からたくさんの何かが広がっていった。今まで見上げていた夕焼けの空は一転して、赤、赤、赤、赤……一面が真っ赤に染まる。赤からさらに紅い液体が溢れ出て、一つのアバターを形成していった。

 

「なんだ……あれは」

 

キリトの方を向くと、あちらも驚きを隠せないでいた。アバターは突然に話し始めた。

 

「プレイヤーの諸君、私の世界へようこそ」

 

「私の……世界?」

 

「私の名前は茅場晶彦、今からこのゲームのチュートリアルを開始する」

 

強制転移されたプレイヤー達も緊張が薄れたらしく、所々で話し声が聞こえ始めた。

 

「プレイヤーの諸君は、すでにログアウトボタンが消えている事に戸惑いを覚えていることだろう。しかし、これは不具合ではない」

 

茅場晶彦と名乗るアバターからありえない言葉が放たれる。

先程まで聞こえてきた話し声も今では止み、みな茅場からの言葉を理解しようと耳を傾けている。

 

「諸君はもう、自発的なログアウトは出来ない。また外部からの停止がなされた場合、ナーヴギアの出す高出力マイクロウェーブが諸君らの脳を破壊する」

 

「お、おぃキリト、茅場は嘘を言っていると思うか?」

 

キリトは真面目な顔で言葉を返してきた。

 

「信号阻止のマイクロウェーブは、確かにリミッターさえ外せば人間の脳を焼くことも……」

 

そんな俺たちの言葉も知らずか、茅場は、実際にそれにより死んだ人数やその家族がニュースで報道されている動画を見せつけてきた。

これは嘘ではない、茅場は最初から嘘などついていないとこの場にいるほとんどのプレイヤー達が気づき始めていた。

 

「今後、ゲームにおいてあらゆる蘇生手段は機能せず、HPが0になった瞬間、それは、同時に諸君らの現実世界での死も意味することになるだろう」

 

一つの間をおいて、茅場はまた話し始める。

 

「諸君らが解放される条件はただ一つ、各層に指定されている迷宮区を突破していき、第100層にいる最終ボスを倒しこのゲームをクリアすることのみだ………最後に、諸君らのアイテムストレージにプレゼントを送ってある」

 

茅場に言われるままに、俺はアイテムストレージの新規覧を見る。

 

「手鏡?」

 

戸惑いながらもそれをアイテム化させると、体が光に飲み込まれていった。俺だけではない、おそらくこの場にいる全てのプレイヤーが光に飲み込まれていった。

 

光が徐々に薄れたのだろうか、眩しさを感じなくなり目をゆっくりと開け鏡を見た。

 

「お、俺?!」

 

そこには自分が映っていた。プレイヤーの自分ではなく、本当の、現実世界の自分がーーー

 

「なぁ、お前もしかしてカイリか?」

 

驚きを隠せないまま隣に目を向けると、そこには中性的な顔立ちの男が立っていた。

 

「おまえこそ……もしかしてキリトなのか?」

 

よりリアルな状態を体感させるためだろうか、茅場から送られてきたプレゼントはさらに混乱を招いていた。

 

そんな俺たちの状態などお構いなしに、茅場は最後の言葉を放つ。

「私がこの世界を創った目的は達成されている。あとは、このゲームがクリアされる事を待つのみだ………プレイヤー諸君の健闘を祈る」

 

最後の言葉と共に、茅場のアバターは消えていった。

 

 

「い、いやあああぁぁっ」

 

 

誰が叫んだのだろうか、一人の悲鳴によってたちまちこの場はパニックとなった。次々とプレイヤーから放たれる怒りや罵りの声。しかし、そのどの声に対しても、もう茅場からの言葉が返ることはなかった。




前書き通り、本当に茅場が尺を取りまくっていますね笑。今回は特に展開がなかったですが、次はカイリの分かれ道となります。キリトとともに進むのか、それとも……?次の話に乞うご期待を。
文章へのご指摘お待ちしています。
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