「……おれはどれだけの間、眠っていた?」
「約2年です。」
おれは棺に横になりながら、目の前にいた手下のサキュバスに、眠っていた時間を聞いた。
2年か…かなり眠っていたんだな。
おれは身体を起こし辺りを見渡す、周りには蝋燭や魔法陣などがあった、どうやらここは儀式の間のようらしい。
「…ッ………」
頭痛がひどい、頭が割れそうだ、眩暈がする。棺から出た途端、身体に力が入らず、おれはそのままその場で倒れてしまった。
「魔王様、まだ無理をなさらずに!」
サキュバスに支えられながらおれは立ち上がり棺に腰掛けた、身体中が痛く座っていられるのもやっとだった。
棺に座り少し痛みが引いた頃、おれは悪魔に問いかけた。
「俺が眠っている間に何が起きていた?」
「……魔王様が天界の裁きを喰らい、少し経った頃に魔界で魔王様の力が失われたということが知れ渡りました。」
知れ渡った?何故だ…魔界には城の情報は漏れていないはずだが、裏切り者がいる…か。
「そして、魔王様に不服がある者達が反乱を起こし、レジスタンスという団体を作り、ここ魔王城バハムディアと交戦中です。」
おれはサキュバスから眠っていた時に起きた事を聞き、今起こっていることを理解した。
「そうか、ならその反乱軍に躾をしてやらないとな」
「ですが、今の魔王様では……」
弱気なサキュバスにおれは高らかに言う。
「バカが、魔力を失っても戦略の頭脳は失っていない、頭を使って躾をするんだ」
ズキズキと痛む身体を抑えつつ、立ち上がる。
サキュバスに支えられながらだが、儀式の間の扉を開き王の間へ向かった、そこには手下の悪魔や魔物達が整列していた。
「魔王様、お目覚めおめでとうございます。」
「ふん…めでたいものではないがな。」
おれはニヤリと笑い玉座に腰を掛ける。
そしておれは高らかに宣言した。
「我の名は魔王レン、この魔界を手に収める者、反乱軍だがなんだか知らないが、我に盾突く者は全員躾をしてやる!貴様らもその命を我に捧げ、我が腕、足、武器となりて反乱軍に力の差というものを見せてやれ!」
手下達から「やってやる!」「反乱軍に躾を!!」などと聞こえる。
手下達を鼓舞し、士気を高める事には成功はしたようだ。
だが問題は俺自体の魔力だ、サキュバスからは下級悪魔レベルの魔力になってしまったらしい、いくらこいつらが強くても数は少ない、おれ自らが戦場に出て躾をし、手下を増やさなければ数で劣る。
どうやって魔力を元に戻そうか。そんな事を考えているとサキュバスから声が掛かった。
「魔王様、魔力を取り戻す方法なのですが、現時点では見つからず、魔王様自ら戦場に出て、反乱軍と戦い、経験を積む事しか…」
ふん、魔力がすぐ戻らないのは困るが、奴らに躾をしながら魔力を得るか…悪くないな、面白い。
「あぁ、それでいい、今すぐに武具を用意しろ、まずは魔王城の周りの雑魚からだ……躾をしてやる」
おれは立ち上がり、引いた痛みを体で少し感じながら近くにあった魔剣を抜いた。