オーバー艦これ   作:ウェステール

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常夏の半舷休暇2

あくる日ーーーー

 

今日は執務室でのんびり……と思ったら、今日は今日で“本日の秘書艦”夕雲にビーチに連れ出された。

ちょっと背伸びした感のあるビキニを着た夕雲は、しきりに身体を押し付けてくる。

 

「あの……夕雲さん?背中に二つの柔らかいモノが当たってるんですが……」

「あら、当たってるんじゃなくて、当ててるんですよ♡」

「はいはい。そういう台詞はもっと成長してからね」

 

横合いからチャチャを入れて夕雲を引き離したのは……軽空母に改装した元水上機母艦『千歳』だ。

傍らに引き連れた夕雲の妹艦『巻雲』を夕雲に押し付け、僕を強奪する。

 

「さ、提督。昨日はお疲れでしょう?あちらでひと休みしましょ♪」

「あの……千歳さん?背中に二つの柔らかいモノが当たってるんですが……」

「もちろん、当たってるんじゃなくて、当ててるんですよ♡」

 

夕雲とは比べ物にならないボリュームの双丘に押され、いつの間にか作られていた海の家に入る。

……なんか嫌な予感がする。

 

「おっ!提督〜♪らっしゃ〜い」

「ほぅ、提督が来るとは意外だな」

 

海の家の座敷席では、すでにほんのり桜色に出来上がった軽空母『隼鷹』と重巡洋艦『那智』が居た。

嫌な予感的中。

……これはマズい。

回れ右したものの、千歳に押し倒されるように座敷へ。

 

「んじゃ提督、駆け付け三杯な♡」

「茶碗は止めてくれ隼鷹」

「そうだぞ隼鷹。提督はコレでグッと一気すべきなのだ」

「いや、“枡にポン酒なみなみ”は無理です那智さん」

「提督はワインの方がお好みですよね〜♪」

「と言いつつピッチャーを用意するのはどうかと思うんだ、千歳よ」

 

なんだかんだでチャンポンさせられた僕は、隙を突いて這々の体で海の家を脱出した。

 

その後、金剛の妹艦『比叡』と陽炎型駆逐艦『磯風』に料理を勧められて姉妹艦達に救出されたり、古鷹型重巡洋艦『加古』と一緒に昼寝してたら、駆逐艦達に砂を盛られて身動き取れなくなったり、そのまま潮が満ちてきて溺れかけた所を戦艦『大和』に救い出されたりと、概ね平穏な……

 

平穏じゃねぇよこんなの。

 

 

 

 

「提督、提督」

 

疲労度MAXで大破状態の僕に、スク水姿の艦娘が声を掛けてきたのは、夕陽も水平線の向こうに消えかけた頃だった。

蒼い髪の潜水艦娘『伊19(イク)』は、夕陽を背に佇んでいる。

 

「どうした?イク」

 

普段は快活なイクの神妙な面持ちに、不安の波が立つ。

 

「提督。イク、こんなの拾ったの」

 

おずおずと差し出すモノは、逆光でよく分からない。

野球のホームベースほどの大きさの金属塊。

目が慣れてきて、その詳細が判明した瞬間、僕の呼吸は一時的に止まった。

 

SFチックな、シューティングゲームにでも登場しそうなフォルムは、忘れたくても忘れられない。

 

 

 

 

ーーーーそれは、深海棲艦の艦載機だった。

 

 

 

 

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