「に……二百五十⁉︎」
堂豪元帥からの通信を受けた僕は、送信機を取り落としそうになった。
現在『佐世保鎮守府』が駐留している“バイモン諸島”の東に、ベイ帝の戦闘艦が押し寄せているというのだ。
その数ーーーー巡洋艦五十、軽空母五十、駆逐……百。
しかも、これでも偵察機の目測によるもので、実際には更に多い可能性があるという。
バイモン諸島の龍脈は東にも伸びていない。
叩くならこちらが艦隊を出さなくてはならないが……
これまでとは敵の規模が違い過ぎていた。
敵艦隊が百を超えるとなると、命中弾は避けられない。
一発二発はともかく、数十と食らえば艦娘とて無事では済むまい。
ーーーー逃げるか?
緋乃本との契約は、出撃要請に応えなくとも構わないとされている。
しかし、敵前逃亡して評価を下げれば、契約そのものが破棄される恐れもある。
出撃して実績を作るべきか、万一を警戒して退くべきか……
ゲームでは『轟沈ゼロ』を誇った僕としては、思考が撤退に向けて動き出す。
と、軍服の裾を引く者が。
レ級だった。
レ級は僕を見上げて、ニヤリと笑む。
ーーーーそれは、ゲームでレ級が見せていた、あの傲岸不遜な笑顔だった。
だというのに、僕の胸に込み上げたのは恐怖ではなかった。
これは……
「お前、出撃したいのか?」
ブンブンとクビを縦に振るレ級。
その後ろで、秘書艦の妙高も力強く頷く。
二人の艦娘の気迫は、弱気に振れていた僕の心を奮い立たせてくれた。
「よし、ここは勝負だ。聯合艦隊を組もう!」
「了解!」
「リョーカイ、リョーカイ♪」
妙高の返事をレ級が真似る。
僕と妙高は顔を見合わせて笑うと、艦隊編成を始めた。
第一艦隊:
大和「いつまでも無為徒食では居られません!」
長門「深海棲艦と肩を並べて戦う、か……胸が熱いな」
レ級「ムネガアツイナ!」
鈴谷「レ級のお守り?しょーがないなぁ」
飛鷹「改装空母の本領発揮よ、隼鷹!」
隼鷹「呑んでばっかじゃ居心地悪いしね。偶には働きますか!」
第二艦隊:
阿武隈「全艦、私の指示に従って……聞いてないし!」
時雨「ちゃんと聞いてるから、安心して」
雪風「ハイ!雪風、頑張ります!(聞いてない)」
北上「ま、本気出すってなら、これくらいは必要かね」
大井「北上さんと私が居れば、勝利間違いなしです!」
木曾「サラッと妹の存在をスルーすんなよ。重雷装巡洋艦の実力、見せつけてやるぜ!」
態度こそ三者三様、十人十色だが、戦意に溢れている事は間違いない。
さぁ、『佐世保鎮守府+α』の実力を思い知らせてやる!