オーバー艦これ   作:ウェステール

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鎮守府内追撃戦3

 

機関室(?)から地上に出るとーーーー

 

そこは入渠棟だった。

 

入渠棟とは、艦娘の修理施設だ。

戦闘で傷を負った艦娘は、ここで修理される……のだが、どう見てもただの『お風呂』だ。

 

 

そして、ここにも先客が。

 

 

壁から現れた僕と目が合ったのは、鈴谷の妹艦である航空巡洋艦『熊野』だった。

当然、入浴中なので一糸纏わぬ姿である。

 

「な⁉︎……な……な……」

 

咄嗟のことに声も出ない熊野。

っていうか、

 

「なんでダメージも受けてないのに入渠してるんだよ!」

 

声に出てた。

熊野はというと、見る見る内に真っ赤に染まっていく。

のぼせた……んじゃないよな。

僕は熊野が暴発する前に、脱兎の如く脱衣所へ。

 

ガラッ

 

僕よりも早く脱衣所の扉を開けたのは、鈴谷だった。

これから風呂に入ろうというのだから、言うまでもなくスッポンポンだ。

 

ーーーーしばし沈黙。

 

「え゛?提督⁉︎ナニしてんのこんなトコで⁉︎」

「お前はもう少し恥じらえ!」

 

全く動じない鈴谷に、捨て台詞を吐いて逃亡する。

 

「ぅえぇ〜ん鈴谷ぁ〜!(わたくし)、もうおヨメに行けませんわ〜!」

 

僕の背中を、鈴谷に泣きつく熊野の慟哭が叩いた。

入浴剤で濁ってたからセーフだ。

セーフという事にしておこう。

 

 

 

 

司令(しれぇ)、かくれんぼですか?」

「あぁ、だから僕の居場所はみんなには内緒な?」

 

訝る雪風を追い払い、僕は駆逐艦寮の階段裏で呼吸を整える。

駆逐艦は殆どがケッコンカッコカリに興味もない娘ばかりだ。

とりあえずここなら時間を稼げるだろう。

 

 

ーーーー甘かった。

 

 

大淀からの追い討ちは、苛烈の一言に尽きた。

 

『提督は嫌がる熊野を手篭めにして逃走中。捕獲者には間宮と伊良湖の新作スイーツ試食権を贈呈します。……提督をふん捕まえなさい!』

 

 

誤解だ!捏造だ!冤罪だぁぁぁぁ!

 

 

叫ぶと同時に、駆逐艦寮の扉が一斉に開いた。

マズい!

駆逐艦達はケッコンカッコカリに興味が無くても、間宮のスイーツが絡むとなると話は別だ。

ここは最早安寧の地ではない、死地だ。

 

「一番最初に提督はっけ〜ん♪」

 

早速白露型駆逐艦のネームシップ『白露』に見つかった僕は、駆逐艦寮の廊下を駆ける。

それを追おうとする駆逐艦達。

……だったのだが……

 

「止まりなさぁぁぁぁい!」

 

号令一下、全ての駆逐艦が直立不動の姿勢を取った。

駆逐艦寮の寮長を勤める朝潮だ。

 

「寮内は駆け足厳禁です!規則破りは『一週間オカズ一品抜きとトイレ掃除』ですよ!」

「司令官だって走ってるじゃない!」

「司令官は寮生ではないので、寮規則は適用外です」

 

駆逐艦達の大ブーイングの中でも、自信満々に胸を張る朝潮。

これは流石に僕もどうかと思う。

でもGJだ!

僕は朝潮にサムズアップをすると、必死に“歩いて”包囲網を作ろうとする駆逐艦達を尻目に、悠々と駆逐艦寮を後にした。

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