香取と鹿島の語学教室も、深海棲艦の加入によって盛況となった。
さすがに執務室には入りきらなくなったので、晴れて教室を増築してそちらへ移転する運びに。
僕にも静かな日常が戻ってくるーーーー
と、思ってたんだ。
ある日、執務室に入ると何だか室内がだだっ広い。
よく考えるに……そう、執務机が無いんだ。
って、納得してる場合じゃない!
周辺で聞き込みをすると、香取と鹿島が“妖精さん”と一緒に持って歩いていたとの情報が得られた。
となれば、執務机の在り処は……
案の定、教室だったorz
「「御褒美係が居なくてどうするんですか?」」
問い詰めた香取と鹿島の返答は、見事にハモっていた。
有無を言わせぬオーラ。
それは「間違った答えを正解だと主張する生徒を眺める先生」のようだった。
結局、教室は『教室兼執務室』となり、執務室は物置に。
僕はレ級と北方棲姫に挟まれて、彼女等の頭を撫でる係を継続する羽目になった。
で、実際に授業が始まると、妙な視線が……
僕がレ級や北方棲姫の頭を撫でていると、教室中の視線が僕に集まるのだ。
その視線は、以前執務室での授業を始めた際のレ級のそれに似ていた。
……全員撫でられたいのね。
かくして僕は、問題の正解者の頭を撫でる係にランクアップ(?)
授業中は教室中を歩き回らされる事となった。
……で、なんでビスマルクが授業に参加してるの?
お前さんの語学力は問題ないだろうに。
「か、漢字能力の育成のためよ!」
顔を真っ赤にして答えるビス子。
その後には「べ、別に貴方に頭を撫でてもらいたいからじゃないんだからね!」と続くんだろうなぁと思いながら、それは脳内再生するに留めた。
授業も進んだある日のこと。
食堂で深海勢と食事を摂っていたところ、謎の呼び掛けが。
「
大村?
誰?
寄って来たのは第六駆逐隊、振り向いたのは……戦艦棲姫だった。
何故に大村?
「だって司令官、戦艦棲姫さんの事を『ダイソン』って呼んでたじゃない」
暁の一言でオチが見えた。
戦艦棲姫はゲーム中、イベントにおいて標的となるキャラと一緒に出現する事が多かった。
艦娘が標的ではなく戦艦棲姫を狙ったり、標的を庇ったりと標的への攻撃を“吸い込む”かの様な戦艦棲姫の活躍をして、ネットで付いた渾名が『ダイソン』だったのだ。
「それを聞いてたビスマルクさんが、『じゃあアイツの名前はこうね!』って自信満々に披露したのが“大村”だったのです」
予想通りの答えを披露してくれたのは電だ。
ビスマルクが『大村』と書いた半紙を手に凄いドヤ顔をしている光景が目に浮かぶ。
しかし
威厳も何もあったもんじゃないが、本人も嫌がってはいないようなので、以後鎮守府では正式に戦艦棲姫を『大村さん』と呼称する事になる。
「名前ナンテ、ドウデモイイ」
南方棲戦姫の言うには、個体が区別出来るなら呼称には拘らないらしい。
まるでどっかの寄生生物だな。