僕等の宣戦布告に対して、世界各国の反応は様々だった。
当たり前だが。
自前の戦力に乏しい中小国は、早々に降伏。
むしろ、今まで輸送船を海賊から護る為に護衛を用意したり、大国のエゴに塗れた領海設定に泣かされてきた国などは喜んで鎮守府の提案を飲むほどだった。
だが、抵抗出来る(と信じる)だけの武力を持つ大国は……
チュートン(ドイツ)近海ーーーー
「列車砲?」
グラーフ・ツェッペリンの偵察報告に、ビスマルクは怪訝な表情で返した。
港湾棲姫を主とする『舞鶴鎮守府』は、ドイツ艦娘・イタリア艦娘を中心に、深海棲艦の駆逐/軽巡を多く配備して欧州制圧に出ていた。
最も警戒すべきは僕の世界でいうドイツ、チュートンだ。
真っ先に落とすように指示を出したのだが、列車砲を持ち出してくるとは思わなかった。
遠距離から直接鎮守府を狙い撃つ気か?
「グラーフ、ちょっとーーーー」
「皆まで言うな。既に艦爆隊を送ってある」
さすがグラーフ・ツェッペリン。
抜かりは無いな。
ウワァァァァァァァァァァァァァン……
遠くの空で、サイレンを思わせる音が鳴り響く。
Ju87C改『スツーカ』の特徴的な風切り音ーーーー通称『ジェリコのラッパ』だ。
急降下爆撃時に鳴るこの音は、第二次大戦時、ソ連兵を恐怖と絶望で震え上がらせたという。
彼方で上がる爆炎。
と同時に、ビスマルク達の周囲にも巨大な水泡が発生する。
周囲を巡っていた駆逐艦Z1こと『レーベリヒト・マース』とZ3こと『マックス・シュルツ』が投下した爆雷が戦果を上げた証だ。
「もう潜水艦は居ないみたいだね」
「……こんなもんね……」
チュートンが抱えていた大規模な潜水艦隊も、レーベリヒト・マース等ドイツ駆逐が主導し、深海棲艦の駆逐/軽巡で組織された『対潜艦隊』によって悉く海底に沈んでいた。
「当然の戦果だよ……なんたってーーーー」
「ーーーー潜水艦の知識はドイツが世界一、だから」
胸を張る駆逐達の頭を撫で、優しい顔で見守るビスマルク。
だが、その顔もすぐに引き締まった。
軍帽を被り直し、彼方のチュートン首都を臨む。
その傍に、重巡洋艦『プリンツ・オイゲン』が寄り添う。
「レーベ、マックス、貴方達は引き続き対潜警戒。プリンツ、グラーフ、仕上げに行くわよ!」
「「「「
四人の返事と敬礼が完璧にシンクロする。
一応、“鎮守府守り”となった港湾棲姫が鎮守府の長なのだが、戦闘指揮はビスマルクに圧倒的な経験のイニシアチブがある。
港湾棲姫が控え目な性格なこともあり、実質的な旗艦はビスマルクが勤めていた。
「コチラカラ可能ナ限リ援護シマス。艦載機ノ飛行限界カラ先ハぐらーふサン、オ願イシマスネ」
「承知した」
「
港湾棲姫の放つ艦載機の下を、ビスマルク達が
その日のうちにチュートン首都は陥落。
ビスマルク達は地上戦力さえもほぼ全滅させながら、一般市民には犠牲者ゼロという偉業を成し遂げた。