ドミニオン(インド)洋ーーーー
アルビオン(イギリス)とヘキサ(フランス)の連合艦隊と対峙するのは、中間棲姫率いるブルネイ泊地だ。
夜襲を敢行する連合艦隊。
だが……
予測していたワケではないが、ブルネイには
「ぃやったぁぁぁぁぁ!待ちに待った、夜戦だぁぁぁぁぁ!」
夜の闇に響き渡る声。
同時に、連合艦隊の先鋒に爆炎が上がる。
言うまでもなく、川内だ。
川内は暗闇の中でありながら、航行に全く迷いがない。
昼日中と変わらぬ速度での機動は、連合艦隊を混乱の淵に叩き落とした。
「慈悲はない!ハイクを詠め!インガオホー!」
何に感化されたのか、よく分からない事を口にしつつ、敵艦を沈める川内。
「あぁ〜っ!川内ちゃんばっかり目立ってズル〜い!こっちも行くよ!」
「ウン!」
中間棲姫の砲撃は、照明弾だ。
光の中に、二人の艦娘……いや、一人の艦娘と一人の深海棲艦の姿が浮かぶ。
「みんな〜っ!今夜は那珂ちゃんとーーーー」
「中野チャンノらいぶニ来テクレテ、アリガト〜♪」
『中野ちゃん』を自称するのは、軽巡棲鬼だ。
那珂と軽巡『阿賀野』を足して二で割ったような容姿の軽巡棲鬼に、誰が言い出したのか付いた渾名が『
二人は連合艦隊の砲撃の雨の中を、まるで踊るかのように舞い進む。
「じゃあ『恋の
「抱キ締メテ、水平線ノ、果テマデ!」
一時は互いに「私がセンターなんだから!」と反目していた那珂と中野だが、最終的に「二人でセンター」という構想に落ち着いたらしい。
デュオになってからのコンビネーションは他の追随を許さない。
二人が通った周辺には爆炎の華が咲き乱れ、さながらショーの花火の様に二人を彩る。
「那珂ちゃんは、相変わらずですね」
「浮カレ過ギダ。相手ヲ舐メテイル」
「では、私達は油断なく参りましょう」
「無論ダ!」
「「六根清浄!」」
神通と共に泊地を出たのは、軽巡棲姫こと『
深海棲艦との合流直後、軽巡棲鬼と軽巡棲姫は共に読みが「けいじゅんせいき」だった為、混乱が生じた。
区別の為に愛称を募集したところ、「神通さんに似た深海棲艦なんだから、“深”海棲艦の神“通”ってことで『深通』でどう?」
という案が出て、そのまま定着したのだ。
神通と深通は、互いに競い合う様に連合艦隊に突入、敵艦を次々に仕留めてゆく。
こちらも相も変わらず猪突猛進というか、敵艦まで一直線に突っ込んでは、対応する隙を与えずに過剰なまでの攻撃を加える。
川内は左翼、那珂は中央、神通は右翼。
事前の打ち合わせもしていないのに、川内型三姉妹は互いに干渉する事もなく敵艦を屠ってゆく。
「ラストぉ!」
川内の投げた魚雷が最後の一艦を沈めるのと、三姉妹が合流してハイタッチをするのは、ほぼ同時だった。
「いやぁ〜、やっぱ夜戦は良いよね〜夜戦はさぁ♪」
「う〜ん……今夜のライブは85点ってとこかなぁ」
「Bめろデノたーん&だっしゅガ、チョットモタツイチャッタカラネ」
「じゃあ、那珂ちゃん達は帰ったら練習ですね」
「……コイツ等モナ」
深通が後ろを眺める。
そこには、グロッキー状態の駆逐艦達。
戦闘中、五人に必死について行った随行の駆逐艦達は、完全な落伍者こそ出さなかったものの全体的には若干の遅れを生じさせてしまっていた。
「帰ッタラ戦闘機動ノ集中訓練ダ」
「二十分の休憩後、出撃用ドックに集合して下さいね♡」
無表情な深通より、むしろ神通の笑顔に薄ら寒い物を感じて、駆逐艦達は震え上がるのだった。
「出番……ナカッタ……」
中間棲姫の呟きを聞いた者は、泊地には居なかった。
白状します。
「インガオホー」と「水平線の果てまで」と「六根清浄」を書きたいというだけで書きました(^_^;)
この三人、書いてて楽しいんだもん(笑)