「さぁ~って始めましょうか・・・・織斑先生?」
「・・・・ああ」
本来授業時間なのだが今は、千冬とニケによる模擬戦が始まろうとしていた。他の生徒達は、アリーナの席に座ったまま観戦している。現役の軍人とブリュンヒルデとの戦いを生で見ることができるためとても楽しみなのであろう。
「まさか先生のことだから少しでも性能がいいラファールを使うと思ったんだけど打鉄でしかも近接格闘戦用装備しか使わないって・・・・私なめられてます?」
「なめてなどいないさ・・・・これが私には一番あっているのでな」
その対応にニケは、若干イラつきを感じ
「まぁ~どうでもいいけど。私が勝つだけだしね」
そう言うなりニケはギラトスを起動した。
「・・・・あまり調子にのるなよ小娘が」
千冬は、静かにそう言いそして
『模擬戦始めてください!!』
真耶の開始の合図とともに千冬は一気にニケとの間合いをつめ切りかかろうとするがそれに対してニケは
「甘いよ!!!」
腕をあげ中に内臓しているマシンガンで迎撃する。それを上手く回避するがニケの追撃はとまらずに連射した。
「・・・・・」
千冬はそれを回避し続ける。それを続けていくと
「ウロチョロウロチョロとうっとうしい!!いい加減に当たれ!!!!」
少しずつ冷静さをなくしていくそれがさらに数分続き
カチカチ
「っち!弾切れ!!」
「バカスカと撃ちすぎだ。馬鹿者が・・・」
そう言い今まで回避に徹してした千冬がニケの方へ向きなおし唯一の装備である刀を構え切りかかるが
「ならこれでどう!!」
ニケがそう叫ぶとその腕からグレネードが発射した。
「なっ!!まだ弾があったのか!!」
防御の構えをとるがその弾は命中し爆発した。
「あ~あ。軍人の言葉を勝手に信じるからこうなるのよ・・・・」
軍人のニケがいくら弾が尽きたといったとしても普通であれば信じる前に疑うべきだ。これで千冬は負けただろうとニケは勝手に思ったが
「私もなめられたものだな!!!!」
煙の中から千冬が出てくると防御が間に合わずまともにその斬激をまともにくらってしまった。
「っく!!!!!」
そこからは千冬の連続攻撃が行われるが最初の一撃以外は的確に防ぐニケだが
「・・してやる。・ろしてやる」
「ん?なんといっているんだ」
「殺してやる!!!よくも私の機体に傷をつけたな!!!!」
今までのニケとは明らかに雰囲気が一変したため一度距離をとろうとした千冬だが
「逃がすか!!!!!」
ニケはそれを許さず両腕で挟みこんだ。そしてその際普段は両腕についている刃は収納しているがそれを出しそのまま挟んだ。
「なっ!!」
「・・・やぁ~っと捕まえた」
そう告げるニケの目は狂喜したような感じをしている。だが千冬は、それよりもシールドがきちんと働いていないことに気づいていた。
「どうしてシールドがきちんと作動しないんだ!!!」
「それはね?この武器がシールド無効化機能を付いてるからですよ~」
そう言いながら挟んでいる両腕にさらに力を加えると
「ぐっ!!!!!」
ギシギシと打鉄のフレームが軋む音が響く。そして刃がある部分はすでにヒビが入り始めている。
「あははははは!!!すごいですね~あの反逆した女達はすぐに悲鳴をあげたり命乞いしたのに織斑先生はまだもつんですね~」
パキパキとあちこちにヒビが入りこれ以上続ければ確実にフレームは破壊されてしまうと千冬は考えていた。さらに刃の部分で切断されるのではとだが千冬は、こんな状態でも対応した。ニケに対して蹴りをくわえるとそのせいで腕の力緩みその間に脱出した。
「はぁはぁはぁはぁ・・・・・」
だがすでに千冬は息があがり打鉄はボロボロでさらに一部フレームが完璧壊れているところさえもあった。だが、それでも刀はニケに向けられた状態のままだそれにはさすがのニケでもすごいと思ったのか。
「へぇ。そんな状態なのにまだ私と戦うつもりなんですか」
「はぁはぁ・・当たり前だ馬鹿者」
「何でそこまでがんばれるんですか?」
「・・・私は、どんなに恨まれてもいいだがな。これ以上命との・・・・・家族の繋がりを切りたくないんだよ」
「・・・・勝手な考えですね」
「ああ、私の身勝手な考えだ。私のせいで命は傷ついたというのにな」
「そう。そこまで判ってても勝気なんですね・・・・なら徹底的に潰してやる!!!!」
そう言うとニケはもう一度挟みこもうとし千冬は刀を構えるとそこへ
「ニケそこまででやめておけ」
「大佐!?」
イオがトロイアを纏いニケをクロスサイフォスでその動きを止めていた。
「これ以上続けるというのであれば私が相手をする」
そう告げるとニケは
「・・・・判りました大佐の言うとおりにします」
ギラトスをそのまま待機状態にした。
「織斑先生。ニケが迷惑かけてしまいすまなかった。」
「・・・いや。特に気にしてはいないさイオ先生。ニケは、軍人としては当たり前の行動をとっただけだろう」
「・・・・・」
イオはそのことに何も反応をしめさないまま
「では、ニケこの件に関しての反省文を今から書いてもらおう」
「な、何でですか大佐!?」
「今のお前は軍人ではなくただの一般性とだ理由がどうあれ教員との死闘を見逃せない」
そう言うとそのニケの首根っこを掴みずるずると引きずってアリーナを出て行く。