提督夫妻が鎮守府に着任しました。   作:珈琲と紅茶

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書き方を少し変えてみました。
やってみて分かったことがあります。
…思うままで無いから辛い。
それでもうまく表現出来ていれば幸いです。



13 雪風の秘書艦初日 朝食~三人の女子会と悠の心情~

食堂

 

で、俺達は食堂に着いたわけだが現在七時前の筈。

俺は周りを見渡し目が点になった。

席は戻っている。

 

コの字→対面席を縦、横に窮屈ながら全員座って少し余裕がある程。

それは些末だ、気にするところでは無い。

暁達が居るのも何ら不思議では無い。

今日の遠征の一番目の組だからだ。

当然、他にも居たが何かしら予定が組まれている娘達ばかりなのでそこも変では無い。

…少し離れて座る赤いのを除いて

 

 

…何故赤城が食べ始めている?

俺は今日の分を持ってくる間に流し読みしていたが赤城の名前が書いてある部分は無かった筈だ。

「…加賀、赤城はいつもこんな早くから食べているのか?」

「はい、それは何時も通りです。…悠達が来る前からなので」

…空母って沢山食べるとは聞いてたけど朝食から寸胴鍋はどうかと思う。

…常時警戒体制だからか?

聞いたこと無いから分からないけど。

 

 

そう思うと改めて間宮さんには驚かされる。

一体何時起きでどの位寝ているのだろう?

かなり大変そうに見える。

…主に赤城達のせいとも言えるのだが。

が、彼女の表情には笑みもあるため本人としては苦では無いのだろう。

一応は休暇も前から取れるようにしていたらしいけど、

あくまでも此処の料理を任されている身としては申請し難いのだろう。

後で改善策を練るか強制で休暇取らせるか~!

 

と、俺がうんうんと頷いていると

「しれぇ、何考えてるんです?」

首を傾げて雪風は訊いてくる。

…しまった。

これから食べるのにボーっとしてた。

「ん?間宮さん、ちゃんと休暇取ってるのかな~と思ったから何か手を考えていたんだ。」

「そうですか!そういえばあまり休んでるところは見たこと無いんです間宮さん。」

 

 

 

「…悠、お腹が空きました。そろそろ席に連れていってください。」

加賀は限界のようだ。

…まぁ毎朝、赤城と同じように食べている時間の筈なのだからしょうがないか。

「そうね、私もあんな起こされ方したら自棄食いでもしたくなる位に空いてるもの。」

佳夜が続く。一々言わなくても良い。

それに君は寧ろ少食だろうに。

…言いたくなったのかな?

 

そういう俺もそこまでではないが空いている。

…案外赤城が食べてる量でも良さそうか。

朝ごはん位なら別に太りはしないのだから。

「加賀、佳夜分かったから少し待て。雪風、加賀を座らせてくるよ」

俺はそう言ってから背負っている加賀を座らせにいった。

 

 

私は加賀を座らせにいった悠を見つつ、雪風に話し掛けることにした。

「ねぇ、雪風」

「何でしょう?佳夜さん」

「…貴女、悠の事どう思ってるの?」

「…そうですね~出来る事なら貴女と同じ位愛されたいですし愛したいですね。」

すんなり出てくる答えに私は

「…雪風、貴女もそうなのね」

「はい!」

「そう。…なら早めに受け取りに行きましょう。詰まってしまうから」

私はそう言ってから

「間宮さん、普通盛りが一つと赤城さん盛りが一つをお願いします」

頼むことにした。

 

 

俺は加賀を座らせて佳夜と雪風がいるところに向かうと

間宮さんに注文していたところだった。

「追加で赤城盛りをもう一つ頼む。雪風は?」

「?…あ、そうでした。では普通盛りも一つ追加です」

「分かりました。…でも、悠さん、本当に良いんですか?赤城盛りをおやつ以外で頼むととてつもない量なんですよ。」

間宮さんは答えつつも念を押してきた。…当然だ。

あれは特注もいいところで、調理にはカレー作りより楽ではあるものの時間が掛かる。

また、まだ(赤城盛りを)食べてない娘達(軽空(龍驤以外)と正空と装空)もいる。

「ん~、なら半分で。足りなかったらまた来る」

それでも間宮さんは驚愕していた。

身体が勝手に作業しているのは奇跡みたいなもので何時固まってもおかしくない。

「…分かりました。覚悟してくださいね」

そして、頼んでいた佳夜と雪風の分の二つを出してくれた。

 

 

私は自分のと雪風の分が出てきたので先に加賀が待つ席に向かうことにした。

「悠、先に行ってるね」

「待ってますからね悠さん!」

二人(加賀と雪風)には詳しく聞き出すとしよう。

私としては悠の事をどう思っているかは何となく聞いているけど、女としてのは聞き忘れていたのよね。

「ああ。直ぐに行くよ」

悠は気付いていた。

二人共、言葉だけなら何処でも聞くようなものだったが温度差と言えば良いのだろうか。

佳夜は平静を装ってはいるが、明らかに何かを俺が居ない間に済ますつもりなのだろう。

雪風は…好意オンリー。

解り易いが、あくまでも俺の勘だから確実とは言えない。

…佳夜を起こすと言った時の顔は表情豊かの証と言ったところか。

直ぐとは言ったが自分のが出来るまでまだあるし、

加賀には悪いが其れが終わる頃に行くとしよう。

 

 

そう思った俺だったが中断が入る。

「悠さん、加賀さんのが出来たのですが持っていきますか?」

…加賀の分が出来てしまった。

行くわけにいかないのでわざと間宮さんが気づくようにチラッと彼方を見ると、

「…。しょうがないですね~私が持っていきましょう!」

どうやら察してくれたようである。

 

 

席に着いた私と雪風は、先に座っている加賀と話していた。

「悠が来るまで今後の事を話しましょうか」

「そうね、それは賛成。雪風は?」

「雪風も賛成です!」

周りの娘達が聞き耳を立てる中、始まった。

 

「では単刀直入に訊くわ二人共、女として悠とはどうしていきたいかしら?」

「佳夜、それは愚問。愛し愛される仲でありたいわ」

「加賀、それはアッチも?」

「当然。当分はご無沙汰になるけれど、応えていきたいわ」

顔には出ていない様にも見えるが心なしか柔らかな感じに見える。

本当に本気のようだ。

 

「そう。昨夜は相当楽しんでくれたようね。私、貴女となら仲良く出来る!…なら雪風はどうなのかしら?」

「!?雪風ですか?…」

急に振られた雪風はあたふたしているが何とか答える。

「どうしたの?黙ってたら分からないわ」

「…が…する迄したいです」

「もう一度お願い」

「しれぇが満足する迄したいです!」

…ボン。

雪風は爆発した。

どうやら、かなり大きい地雷を踏んだようである。

 

『…はぁ?』

佳夜と加賀は雪風を見てから顔を見合わせる。

『…』

「…ん~。予想を遥か斜め上に越えた答えね。」

「私も此れには驚きです。てっきりそっちの線は無いと思ったのですが」

「…二人共酷いです!」

雪風は頬を膨らませる。未だ紅く染まったままで

「御免なさい。でも…貴女なら出来そうね。」

「佳夜、それは私も同感。…不沈艦の名は伊達では無いわね、雪風」

「済みません。加賀さん、貴女の分をお持ちしました。」

間宮さんが来ていた。

「…何時から聞いてたの?」

佳夜は尋ねる。

「雪風さんの驚きの一言からですね」

「!?…お願いですから忘れてください」

間宮さんの返答を聞き、雪風は土下座しようとした。

「解ってますよ。…内緒にしときます。…他の人達も良いですよね?」

笑みを浮かべている間宮さん。

「…」

周りの娘達は沈黙で返した。

冷や汗と震え、そして暗黙の了解。

…恐怖政治かな?

 

…間宮さんの事はまた別の話。

 

間宮は加賀のを置いておくと

「では、ゆっくりしていて下さい」

持ち場へと戻っていった。

「…じゃあ、続けるわ。もう一つ質問、他の娘達が同じ様になったとしても良いわよね」

「…致し方がありません。」

「佳夜さんと悠さんが良いのであれば」

「分かったわ。では最後に…貴女達が知っている範囲で他の鎮守府の娘達との違いを教えて」

「…かなり長いうえに此所では面倒な事が起こる恐れがあるので控えた方が宜しいかと」

「そうですね。雪風も加賀さんと同じです。唯一言える事は昨日提督室に来た九人は気を付けて下さい」

「そう。(…何かあると思ったら)なら、悠が来るまでに彼の気になる事を聞いてもいいわ」

 

 

結局、悠が

「やって来るまでに後十五分掛かるから先に食べておいて」と言いに来たので、加賀と雪風は尽きるまで質問してやっと食べ始めるのが悠が到着する頃だったりする。

 

 

 




…やっと書き終わった。
割と台本形式の方が思ったままに出来るし、キャラを指定して書けるから口調の変化による差別化を気にし過ぎないでいられるので楽ですね。
でも、本当に小説として書くとしたら今回の回を更に細かく表現しないといけない。
出来る限り尽力しますが、思い付いた時に書くのが私なので暖かい目で見ていただけると嬉しいです。

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