今回は…何でしょうかねぇ~中々筆が進まなかった。
俺は佳夜達に執務の中断を言い渡されて、渋々ソファに座りにいった。
…まあ、執務九割程終わってたから別に良いんだけどね~
で、テーブルを見渡すとサンドイッチ、スープ。
「…君らなりに気を使った結果でいいのか。」
俺は一目見て思った。
…明らかに佳夜は、やった形跡が無い。
あまりにも上手であり、とても美味しそうに飾られていて見た目は喫茶店のセット品。
もしや雪風が作ったのだろうか。
…いや、あっても不思議ではないけど今回は違うと思いたい。
「…」
「しれぇ?」
俺が黙っていたのが気になったらしい
「ん?何でもない。佳夜?」
「…一応私もやったのよ」
呼ばれてむすっとしている佳夜。
…惚れた身としてはそんな顔も見られるのは嬉しい!
「ふ~ん、雪風は?」
俺は気持ちによる顔の変化を出さない様にしつつも念の為意識を雪風に移した。
…照れ隠しなんて俺らしくないな
「スープとサンドイッチの具材の鶏の照り焼きです!頑張って作ってみました!」
!?
…話には訊いていたがまさかな。
「…驚いた。いつから料理を作るようになったんだ?」
「え~と…三年位前からです!」
?
俺は耳を疑う。
三年?
割と初期から居そうなのに、ましてたったそれだけの年数で腕を上げるのは困難な筈。
…雪風、出来る娘どころか既に奥さんいや、お艦か。
人は見かけに因らないと言うが、流石に…
「…ぇ、しれぇ、お疲れですか?」
また考え込んでいたらしい。
取り敢えず食べるか
「かもしれない。取り敢えず佳夜、雪風有り難く頂くよ」
俺は食べる為にソファに座り、手を出そうとすると
「ちょっと待った!手洗ってきなさい」
佳夜が注意してきた。
よく見ると雪風も口には出さないが苦笑い。
…洗いに行った。
「気を取り直して…頂きます」
俺はソファに戻り一言。
『頂きます』
二人も向かい側に座り食べ始めた。
俺が最初に手を付けてみたのは鶏の照り焼きサンド。
持ってみると見た目以上にずっしりとした感じで、食べ応えがある。重さだけなら広●苑半分位ありそう。
二人は何を取ったのか気になり見てみると
佳夜はスープ。
雪風はBLTサンド。
佳夜はいつも最初に汁系を食べているから不自然でも無かった。習慣とはいえ音を立てず上品に食べるのを見るとやはりお嬢様なのだと実感する。
対する雪風は見た目に反してかなり食べるようだ。
だって、顔の二倍はあるだろうバケットに挟まれたBとLとTはミルヒィーユの様になっており、育ち盛りの娘が食べる筈が無いだろうという量を豪快に一口。
…何処に用意しといたんだ?
俺も一口
「!?…旨い」
俺も割と料理するから解るけど、出来てから時間が経ってからって出来立てと差が出る筈なんだが、例外入りしたナニカ?なのか。
全くさっきと変わらずに温かい。
二十分位経って一つ完食。
結構お腹にずっしり来る。朝もあんなに食べたのにな~
二人はというと
「ハム」
佳夜は軽めに見えるサンドを
「カフ」
雪風は俺も食べた照り焼きだ。
で、俺は
軽めに見えるサンドを山の様に重ね食べる。
結局食べ終わったのは一時間を軽く過ぎ、最早1500。
…本当に何やってんだ俺は。
『御馳走様でした』
「御粗末様でした」
三人で挨拶を締めて俺は
執務の続きを始めようと席に戻ろうとすると、
「Hey~テイトク達、Tea timeネ~!」
金剛が入ってきた。
…あれ、ついさっきまで昼食だったんだけどな~
「おやつですか、片付けを軽くやったらしましょうか」
「良いですね!雪風、頑張ります」
「What!?未だLunch timeだったンデスカ!?ワタシも手伝いマス」
…どうやら、続きはまだのようだ。
さて、片付け終わったテーブルに置かれたものはティーカップとその下にあるソーサー。そして今日のおやつは英国では定番とされるスコーン。
こそこそと動き回る姉妹達。
金剛は妹達にカップやポットの調整を頼んでいたのだが、そのお礼として+三人の計七人分の準備をさせてほしいと言ってきた。
当然だが
「勿論良いぞ。なあ、佳夜?」
「当然でしょ!寧ろしてくれないと困ってました」
俺達は快く了承した。
その後の時間は短いながらも充実していてとても良かった。
…榛名が自然に寄ってきては取り押さえられる所がある以外は。
で、やっと終わった。
執務?遠征から演習、出撃での警戒任務に至るまで、
三分で纏め出しておきながら他の事をも一時間で既に済ませた。
早すぎるって?…そうなのかあまり実感無いんだよな~
唯一やってなかったのが雪風への返事。
…まあ、本人も解ってるだろうけどね。
俺はそう決めてから席に座ったまま伸びをして一言。
「…雪風、ちょっといいか」
すると雪風は待ち呆けていた様で
「…何でしょう、しれぇ?」
欠伸をしていた。
因みに佳夜は寝ている。
しょうがないので夕食前まで寝かせておくことにした。
…金剛達が居なくなってから直ぐ電池が切れた様に眠ってしまったから。
「朝の事は覚えているな」
すると雪風は寝ぼけたまま
「?」
首を傾げた。
…まさかとは思うが忘れたのか
まあ、些細な事に気をしている暇は割と無かったりするからな。
特に初日は何をするにも余裕が無い。
例えその人がどんなに自分のペースを維持出来るとしてもだ。
「雪風?」
俺は再度呼び掛ける。
「!?、雪風は大丈夫です!」
どうやら、戻ったようだ。
「もう一度言うぞ、朝の事は覚えているな」
「はい。…では」
「答はNOだ。流石に無しだと思う。」
「…」
途端に目に涙を浮かべ始めた雪風。
その姿はまるで年相応の女の子にしか見えない。
申し訳ないけど、未だ憲兵さんに捕まりたくない。
此処では、と言うより雪風の…ね。
…態々言わせないで欲しい。
それに加賀の時は…その、不可抗力だ。
…俺は悪くないもん。…冗談です、本当に済みませんでした。
「雪風、よく聞いて欲しい。俺はね、正直に言うと凄く嬉しいんだ。途中から入ってくることになり、それなのに着任初日から好意を向けられるというのはとても珍しく、良いことなんだ。…普通なら提督に対して何かしらの対応をする。…勿論悪い方向で」
「だが、此処はそんな事を一切せずに其れどころか秘書艦決めですら、あんなにも真剣且つ楽しみながら進めている。昨日の夕食もそう、居心地としては最高だよ」
「だから、俺は…その…ちゃんとした対応をすることにしたんだよ。こんなにも良い娘達ばかりが居るにも関わらずに逃亡することになってしまった
「だが其れでは何も解決しない。いや、其れどころか悪化していく筈。…だから、まあ、今の雪風への返事は拒絶では無く待っていて欲しいんだ。つまり保留。解決したら改めて答えさせてくれ。其れで良いか」
長々と話してしまったが、解ってくれるだろうか。
「…なら、未だあるんですね。…良いでしょう分かってあげます。…必ずですよしれぇ」
涙を拭く雪風。
まだ、本人としては納得し難い様ではあるが良いのだろう。
涙目ながらも笑みを浮かべているのだから。
我ながら嘘を、いやこれもまた本心だから良いのか。
…少しずつ解決していける様に日々を過ごせたら良いかな。
相変わらず書くペースが滅茶苦茶。
…気分が乗らないと全く進まない。
ほぼ毎日とか無理(泣)
次も気長にお待ちください_(..)_