提督夫妻が鎮守府に着任しました。   作:珈琲と紅茶

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さて、二回目の投稿です。
元々は自身の鎮守府の日常を書こうとしたのですが、
それでは話を創れ無さそうと試作の段階で諦めました。
今回は、普通といえる筈(?)の話です。
夫妻は…。
そして、目的地の鎮守府も出てきます。


2 デレと新事実は徐々にが無難

海上 船の甲板

 

肝心の二人はというと…

「」

「」

「「(…すっごく気まずい。)」」

「「あのさ…」」

「」

「」

「…先に」

「…いや,そっちからで良いさ」

「」

「」

絶賛イチャイチャ中であった。

まさか,その日の内に婚約していきなりの共同生活。

普通のカップルでも困惑するが,此方は軍人同士。

どちらも色恋沙汰など無く,その素振り(バレンタインなどの)をしようものなら「軍から問答無用で不純異性行為と見なされ牢送り」位に厳しかった。

また,肝心の上官達は「そうなりたきゃ此処から出てからね」と言い、もれなく不穏な空気に包まれ殺気が付いてくる。

 

「…じゃあ私から。今夜どうするの?主に夕食とか」

 

確かにこの船には食堂が無く、代わりに個別でキッチンがあった。

食料に関しても贅沢にとはいかないが十二分にあり,一週間は楽に生活できる。

「ん,それなら作ろうか?要望とかあるなら言ってくれよ」

「…じゃあ一緒にやらせて」

顔を蒸したようにふっくら紅くした嫁。

…天使みたい。

リア充●●しろ!

…どっかで妙な声が聞こえた気がした。

 

「いいよ,なら何にしようか」

 

三十分位で完成。

今回は四品。

作ったものを甲板にあったテーブルセットに置き、

「「頂きます(!)」」

 

「…美味しい、隣で見てたけどなんで?」

嫁は不思議な顔と笑みを混ぜて浮かべていた。

「ん,何にもしてないがな…」

実際,嫁は湯を沸かすまでが精一杯。

そこからすると不思議でしかないのだろう。

「寧ろ,君が何故湯沸かししか出来ないのが不思議だよ」

 

…記憶通りなら確かウチの訓練学校では調理実習があったはずだが…

「…だって今まで箱入りだったから教えて貰えなかったし,そういう日に限って休んじゃったから。それに補習あったけど以下略」

何と言うか不思議だよ嫁さん。

まあ、教えがいもあるから良いんだけど。

 

「…もう少し食べるか?」

そう言いつつ追加で作ったパエリア擬きを食べてると

「ん~ん,もういっぱいだよ。片付けは私に任せて!」

嫁は立ち上がり空いた皿を持って行き始めた。

 

…とてつもなく不安なのは何故だろう?

気のせいか…

擬きも食べ終わりそれから十分位経ち、どうやら終了したようだ。

 

で,任せた結果は…まあ成功したと言えるか。

若干皿の枚数が少ないのは気のせい…多分…。

しかし気になる部分があり、

「…で,その手はどうしたのかな~」

よく見るとほんの少しだが切り傷があった。

「…気にしないで欲しかったかな」

少し照れが混じった困り顔。

前言撤回。

そういう所も好きだけど少しは頼って欲しかったな~。

「ひとまず手を出して。手当てしたいから」

やっている間に

「…ありがと。」

小声ではあったが…嬉しかった。

 

 

柱島泊地の鎮守府

 

横須賀から返信が来ていたので、提督代理である龍田は提督室で目を通していた。

「(…この鎮守府に着任してくれる提督(ひと)がまだ居てくれて良かった~。何せ此処では艦娘(私達)が尽くし過ぎてしまうようで、今までの提督(ひと)は持って一月足らず。)」

 

勿論、葉山夫妻にはこの事を伝えられてはいなかったが、この鎮守府には兎に角耐えられなかった「ナニカ」があった。

だからこそ、大将は頼んだのだ。

 

「…さて、朗報として返ってきたし、早く皆に報告しないと~。」

と、呟いていると

ドン、ドン!、ドン!!と聴こえてドア前で一瞬止み、飛び込んできたのは金剛だった。

勿論、「てーーーーえーーーーとーーーーく!!」と叫びながら。

そして、辺りを見渡ししょんぼり。

直ぐに戻ると

「…HEY、龍田。いつものタイショーからgood news でも届きましたカ」

「あら~随分耳が早いわね~。その通りよ」

 

金剛のセンサーは提督関係限定なら誰よりも気付き易く、勿論引き際も心得ていた。

そのお陰で此処では龍田に次ぐ練度であり、纏め役も出来るほど。

因みに報告書には「唯一、全鎮守府内で自身を律する事が出来る金剛」と記されている。

「なら、残っているwork、ワタシもhelpしてアゲルヨ!皆はどんなreactionするカナ」そう言うと秘書艦の椅子に座り手伝い始めた。

 

 

海上 船内の一室

 

あれからお風呂(二人で)に入り、互いに洗いながら悶々として湯船に入るものの背中合わせ。

本当は食事の時よりも話は弾んだが…何故か覚えていない。

嫁は「もう少ししたら出るね」と言ったので先に出て一足先に指定された部屋へ。

 

入ると一つはキッチンがある方のドア、まだ見ていないもう一つのドアを開け部屋に入ると【キングサイズのダブルベットが一つ。

机が何故か隣り合うように二つ。

ベッドの直ぐ近くにティッシュ箱。

照明が怪しい。静か過ぎる空調。

やけに大きいテレビとマルチディスクプレイヤーと如何わしい薄板箱(二十冊あり、全て違うプレイを収録してあった。所謂●●だ)。全自動ゴミ箱と全自動掃除機】最後の二つは良いか…

 

「(…頼んでおいた通りになっているとはいえ、やり過ぎだ)」

 

此れを大将に話した時、やけにニヤニヤしていたのは本人も一度はやってみたかったのだろう~。

やるせなくなる前に部屋を出ようとノブに手を掛けたが握れなかった。

…もう来てしまったのである。

 

「…?……。………何よコレ~!?」

「取り敢えず落ち着け、あんまり五月蝿いと迷惑だよ。」

一先ず、嫁を落ち着かせ状況整理させることにした。

 

五分後、やっと収束。

「…つまり、貴方が頼んでおいたモノを大将が更にやってしまったと」

嫁が怒っていると思い土下座。

「済まない、反省している」

嫁はため息を吐くと

「…良いよ。…でも、…私の頼みも聞いてほしい。…そしたら…今回は許す!」

頬どころか全身真っ赤になりつつも言い切った。

「…何をs」

言おうとしたその唇に重なった。

そして…柔らかな感触でありながら垂れること無く張っている。離れると嫁は

「…しよ。」と言った。

 

 

柱島泊地の鎮守府

 

月が見え始めてから半分位に上がった頃…

「…助かったわ~。金剛さん」

「NO problem!さて、食堂に行きまショウ!」

ドアを蹴り破り向かおうとしていた金剛に

「…金剛さん、先に行っておいて~。私はコレ出して来るから~。」

「Oh ,OKデス!では後ホド!」

 

書類を提出しに行くために別れた龍田だったが、

「…姉さん」

「…龍田、お疲れ。後は俺に任せとけ」

天龍がいた。

 

「…あら~姉さん。まだ行ってなかったの~。なら一緒に持っていってくれるかしら~」

「良いのかよ。それ位なら全部やってやるのに」

「良いの~。」

「(…未だに龍田の事がよく解らない)」

「…何か私に関係のある事考えてるの姉さん~。」

「!、何でも無い。」

 

提出し終わった後、食堂にて報告会を行った。

各々、様々な反応だったが「ある一面の部分を持つ者達」は「言葉では表現出来ない笑み」を浮かべていた。

 

 

…その日、壊れた筈の提督室のドアが次の日には何も無かった様に元に戻っていたという。

…誰も処置をしていない筈なのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




よく作家さんが
「話がタイミング良く降りてくるのは稀」と言いますが、痛感しております。こうして投稿する前にも何度か書いてはボツ。
「キャラが勝手に動く」となるには先が長そうです。
また、気まぐれで執筆しているためにムラが出ます。
…誰か絵描いてくれないかな。(冗談です!)
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