東方追憶録~Disappear over a period of memories~ 作:ポー吉
不束者ですが、よろしくお願いします。
蝉が自らの命を確認するかのように鳴く八月。
気温は35度を越え、夏真っ盛りの某所である一人の少年が山路を歩いていた。
ここらは全く人の手が加えられてないらしい。
一時間前まであったアスファルトの道は途中で途切れ、登山道らしきものもいつの間にかなくなっていた。今僕が歩いているのは山道ではなく山の斜面なんであろう。
申し遅れたが僕の名前は「神宮寺 楓」。
"とある目的"の為に山登りをしているただの高校生だ。
そしていまは長野にある山を登っているのだが、さっきから奇妙なことが起こっている。
「……やっぱり全然進んでないな」
どういうことか同じところをぐるぐる回っているようなのだ。その証拠に風景がさっきから繰り返されている。
これはどういうことだろうか。
……もしかすると僕は円形を描くように回って歩いているのかもしれない。
そう思って真っ直ぐ歩いてみたが何も変わらない。
次に落ちていた枝を拾い、歩いたところに線を引くようにした。もしもループしてるのならばこの線が見れるだろうし、ただ同じような風景が続いているだけならばこの線を見ることはないはずだ。
その結果は一分も経つことなく出た。
「この線はさっき引いた線。ということはループしているのか」
その事実は僕にとって、理解出来ないことだった。
ループ…それはこの世界の普遍の原理を無視していた。
一生懸命、頭を回転させ考えてみるが全く原理がわからない。
「あぁもう考えないでおこっと。僕にはワープしたんだという事実だけで十分なんだし」
「そろそろ暗いし、今日も野宿か」
そういえばなぜだか今日に限ってやけに眠い。
普段と同じぐらいの距離しか歩いてないし、疲れるようなこともやってない。
でもなぜ眠いかは考えないことにした。
そう、僕には事実だけでいいんだ。原因なんて考えたくないのだから。
そんなことを考えながら、テントを組み上げ、寝袋で寝る準備をした。
「……どうして考えないの?」
「考えたくないからだよ」
「どうして考えたくないの?あなたはみんなが認める天才なのよ」
「原因なんて、、、いらないんだ。重要なのは結果なんだ」
「……あなた、まだ"あの事"を引っ張ってるでしょ」
「……引っ張って何が悪い?別に誰も困りもしないし、迷惑もかけないじゃないか!」
「あなたに迷惑が掛かっているわ」
「余計なお世話だよ」
「とにかく見てみなさい。あなたは自分の未来を自分で隠しているから」
「……行ってくるよ」
「……」
見ていただきありがとうございました。
最後がなにか適当に締めくくった感じがしますが、見逃してあげてください。
感想、お待ちしております。