ISビーストブラスト   作:汰灘 勇一

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第二十二話「シャルルの過去」

春二SiDE

 

「「……」」

 

 僕とシャルは黙ったままだった。シャルの秘密を知ったときには驚いたよ。まさか、シャルが金髪美少女だったなんて!

 

「ええと、お茶飲む?」

 

「う、うん……」

 

 僕はお茶をいれ。シャルに渡す。

 

 お茶を飲み、落ち着いたシャルは自分の出生について話した。

 

 彼女はデュノア社長と愛人である母親の間に生まれた社長の隠し子で、経営危機に陥ったデュノア社を救うため、僕と一兄のISのデータを取るためIS学園に転入したらしい。

 

「だけど、これで終わりだね。僕はたぶん、本国に強制送還されるだろうね。ごめんね、嘘ついて」

 

「ねえ、シャルはそれでいいの?」

 

「えっ?」

 

 僕はシャルの話を聞いて疑問に思った。

 

「自分の子供だから自分の目的のためにシャルを利用する? そんなの間違ってるよ。シャルの人生はシャルのものでしょ? シャルの人生はシャルが決めるべきだよ!」

 

「ど、どうしたの春二? いきなり、そんなことを言うなんて」

 

「ごめん……僕と一兄、千冬姉は両親に捨てられたんだ」

 

「えっ……」

 

 僕と一兄が小さいころにいなくなったせいか、父親と母親を知らずに育った。家に写真もないし、千冬姉も話したがらない。

 

「……ごめん」

 

「気にしなくていいよ。僕の家族は一兄と千冬姉だけだよ。それ以外は家族とは思わない。それより、シャルはこれから、どうするの?」

 

「そうだね、たぶん、すぐにフランス政府にばれて牢屋に入れられるよ」

 

「……それでいいの?」

 

「いいもなにも、それしかないからね」

 

 シャルは諦めているらしい。

 

「なら、ここにいたら?」

 

「えっ?」

 

「この学園にいる限り、どこの組織、国家、団体からは外的介入されない。つまり、学園にいる限り、三年間は安心ってことさ。学園規則に入っていたよね?」

 

「……よく覚えてたね」

 

 そりゃあ、たくさん勉強したからね。いつまでも補修を受けている場合じゃない。

 

「まあね。とにかく、誰かがシャルを狙うなら僕が守る!」

 

「っ!」

 

 僕がそう叫ぶとシャルは顔を真っ赤にした。

 

「シャル、どうしたの?」

 

「な、何でもないよ……」

 

 赤くなったシャルを心配したその時……。

 

「春二さん、いらっしゃいますか?」

 

 セシリアさんがやってきた! まずい、今のシャルは髪を伸ばして、薄着だし、胸の谷間が見えかけている! これはどこからどう見ても女の子でしょう!?

 

「ま、まずいよ! シャル! 隠れて!」

 

「う、うん!」

 

 慌ててシャルは布団の中に入る。……なんで布団? まあ、いいや!

 

「い、いらっしゃいセシリアさん」

 

「おじゃまします春二さん。あの、シャルルさんはどうしたのですか?」

 

 僕は部屋のドアを開け、シャルが見えないようにセシリアの相手をする。

 

「ええと、ちょっと、調子が悪いみたいで……セシリアさんはどうしたの?」

 

「実は、食事がまだなら一緒に行きませんか?」

 

 セシリアさんは食事に誘ってきたのか。そういえば、夜ご飯食べていなかったな~。

 

「うん、行こうか。シャル、何か、食べるものを持ってこようか?」

 

「う、うん……お願い」

 

「では、いきましょう。春二さん!」

 

 部屋を出た僕はセシリアさんに抱きつかれた!

 

「な、何をするのセシリアさん!?」

 

「ふふ、女性をエスコートするのは紳士の役目ですわ」

 

 セシリアさんはいたずらっ子のように笑った。紳士の役目って……む、胸があたってるんですけど!

 

『……』

 

 何か、僕の部屋から異様な殺気を感じるんだけど!?

 

 僕は抵抗できずにそのまま、セシリアさんに抱きつかれたまま食堂に行った。

 

 

 

「ただいま~」

 

 僕はセシリアさんと食事した後、シャルのためにA定食を持って帰ってきた。

 

「お帰り、春二」

 

「シャル、A定食でいいよね?」

 

「うん、ありがとう」

 

 僕はシャルに箸を渡す。シャルは受け取り、箸でおかずを取ろうとするけどポロポロと零してしまう。

 

「シャル、やっぱ、なれない?」

 

「うん、普段はフォークとナイフだから」

 

「じゃあ、取ってこようか?」

 

「ううん、それより……」

 

 シャルはもじもじしている。

 

「春二に食べさせてもらいたいな……」

 

「はい?」

 

 ナニヲイッテルノデショウカシャルルサン?

 

「駄目かな……?」

 

 シャルは上目遣いをしてきた。僕の胸にクリーンヒット。

 

「うん、いいよ」

 

 僕は折れた。

 

「はい、あーん」

 

「あ、あーん……」

 

 僕はシャルにから揚げを食べさせてあげる。

 

「ええと、どう?」

 

「うん、おいしいよ」

 

 シャルは笑顔で言ってくれる。良かった……。

 

「じゃあ、次は何がいい?」

 

「うーんとね……」

 

 僕とシャルのやり取りはしばらく続いた。

 

 

 

 

 シャルがご飯を食べ終えて片付け終えてから少しして、僕はベッドに入って寝た。

 

 その時、僕は懐かしい夢を見た。

 

 それは千冬姉の二回目のモンド・グロッソの大会を見に行ったある日の夜、確か、準決勝の前の日の夜かな?

 

 そこで僕は一人の少女に出会った。僕は眠れず、近くの公園を散歩していた。

 

 その子は綺麗な金色の髪で、踊りを踊るのが好きだった。

 

 僕とその子はしばらくの間、話をしていた。いろんなことを話していたけど、内容は覚えていない。覚えてるのは、最後に名前を聞いたことかな?

 

『私の名前は……ロット。お母さんとフランスから君のお姉さんの試合を見にきたんだ』

 

 彼女はこういってた。名前が思い出せないのは何でだろう?




一夏「今回はシャルルの過去が明かされた」

イヅル「最後に、春二の夢に出てきた少女。その少女の正体は?」

アサギ「まあ、すぐに分かるだろうけどな。次回はラウラとスルガの隠された接点? スルガ、お前、何をしたんだ?」

スルガ「俺に聞くなよ! 心当たりはないんだよ!!」

春二「僕と一兄、千冬姉の父親だけはもう出てるらしいけど、僕たちを捨てたくそ親父なんてどうでもいい」

一夏「次回、『獣王の怒り』 獣を怒らせたら誰にも止められない」
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