春二side
うう、周りの視線が痛いです。
僕たちは今、IS学園にいます。唯でさえ、男性でISを動かせるということで、好奇な目で見られるのに、元世界最強の織斑千冬の弟ということで、またジロジロと見られる。
……弾君。今からでもいいから僕と変わってくれない?
「ね、ねえ、織斑君」
呼ばれて顔をあげると、クラスメイトの女の子が一兄に話しかけていた。……間際らしいな。
でも、一兄はそんな女の子を無視して箒ちゃんの方に行った。
「箒、ちょっといいか?」
「あ、ああ……」
箒ちゃんは話しかけられるとは思っていなかったらしく、戸惑っていた。
そして、一兄は箒ちゃんを連れてどこかに行ってしまった。……何だか、一兄積極的だな。
「ね、ねえ、織斑君! 篠ノ之さんと一夏君ってどんな関係なの!?」
すると、クラスメイトの女の子、ほぼ全員が僕に詰め寄ってきた。まあ、気になるよね。
「ええと、箒ちゃんは僕と一兄の幼馴染なんだ」
「そ、そうなんだ……じゃあ、千冬様は家ではどんな感じなの?」
「ええと、意外とダラシ……」
スパンッ!
「人の個人情報を勝手にしゃべるな」
「……すいませんでした」
余計な事を言いそうになって、千冬姉に出席簿で殴られた。午前中だけで脳細胞が二万個死んだよ。
……一兄と箒ちゃんはうまくいくかな。
一夏side
「……」
「……」
俺は箒を連れて、屋上にいる。呼び出したのはいいんだけど、何を話せばいいのか分からない。
「そういえば、去年、剣道の全国大会で優勝したんだよな。おめでとう」
「……ありがとう。一夏、お前もその大会の男子部門に出て優勝したのだろう?」
とりあえず、去年のことを話題に出したら、箒が思いがけないことを口にした。確か、男子の部は新聞に載っていなかったような……。
「女子の部が早く終わって暇になった私は、なんとなく男子の部を見に行ったんだ。そうしたら、偶然男子の決勝で一夏が戦っていたというわけだ」
「そうなんだ。でも、大して強くなかったぜ」
俺は腕試しのつもりで、出たんだけど、対戦相手は弱すぎて話にならなかった。
「……相変わらず、強いな。今度、私と一試合してくれないか?」
「ああ、かまわない。……あの時の俺は弱かったからな」
「そんなことはないぞ。あの頃の一夏だって強かった……」
「だけど、俺はあの時、お前を助けてやれなかった」
そう、俺は弱かったんだ。箒を助けたい。そう思って立ち向かったら、あっさりとやられてしまった。それだけじゃない。助けるはずの箒に俺は助けられた。
その時、俺は誓ったんだ。強くなろう。箒や千冬姉、春二を守れるくらい強くなろうって。
気がついたら、俺は箒のことを抱きしめていた。
「い、一夏!?」
「……会いたかった。ずっと箒に会いたかった。六年前のあの時から箒と会いたかったんだ」
「一夏……」
「箒……」
ふと、箒の顔を見ると箒の顔はほんのりと、赤くなっていた。
俺の視界には箒の唇が映った。……キスしたいな。
そう思ってしまい、口を近づけた。
「い、一夏?」
箒は驚いていたが、逃げようとせずに受け止めようとした。
唇が重なり合うその直前、
キーンコーン カンコーン。
「い、一夏! 授業が始まるぞ!」
「そ、そうだな!」
予鈴が鳴り、俺たちは我に返り、離れた。ううっ、あともう少しだったのに。でも、なだ付き合ってるわけじゃないんだから、まずは告白しないと。
俺は走りながら、ふと伝え忘れていたことを思い出した。
「箒」
「な、何だ。一夏」
「その、綺麗になったな。見違えたよ」
「っ!」
俺がそう伝えると、箒は顔を真赤になった。……可愛いな。
パシィィン!
「早く席に着け、バカ者」
「すいませんでした……」
遅れたことで、千冬姉に出席簿で殴られた。
ついに再会した一夏と箒。一夏がずいぶんと積極的。
次回はあの人登場。
次は幻夢を更新します。そしてその次は憑依を更新……しようと思っていたのですが。その前に予告していたハイスクールD×Dと閃乱カグラのクロスオーバーを書きます。